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十二:団欒の夜

※少し夜トークあります。

 


 洞窟ダンジョンでの一悶着を終えて、棲み家に帰ってきたアタシたちは、とりあえず白呼のお世話をメシアとセエレに任せて、リビングで寛いでいた。


 なお、館に帰ってきたらセエレは一部普通に戻った。

 何がそんなに気に入ったのか、屁理屈いいながら

「貴女はこの館の主なのですから、働く私がご主人様とお呼びするのは正当です。」

 と言って呼び方を変えてはくれなかった。

 ・・・あれか。前の主の人間がいなくなって、何とかロスなのかな。

 それ以外は通常営業に戻ったので、諦めるしかないんだろうなぁ。


 そんな事を考えつつぼんやりと外を見ていたら、よっすぃ~がセエレの部下を集めて、なにやら警備講習を行っていた。

 部下の悪魔と共に、闘鶏たちまでよっすぃ~の指示を受けて、ミッションをこなす練習をしている。

 寡黙なよっすぃ~は、戦いに関する事だと喋るんだよなぁ。

 凄くお仕事熱心で、本当にありがたいと感じた。

 ・・・なら、それを形にしなくちゃな。



 アタシはキッチンにたつと、大きなドリンクサーバーを出して、その中にクリスタル水を入れながら、塩と輪切りレモン、適当なハーブを入れ、お湯で溶かした蜂蜜を注いでまぜる。

 これで熱中症対策の適当ドリンクの完成!!



 それを抱えて外に出ると、よっすぃ~がこちらにやって来て、大きなドリンクサーバーを受け取ってくれた。

 外にあるテーブルにサーバーを置いたので、その側にコップを沢山置いて、よっすぃ~に中身の説明をすると、ニコリと笑って

「ありがと」

 と言ってくれたのが感動である。

 なお、よっすぃ~の声は女性の少し高めなアニメ声であり、それを聞けるのは結構レアだったりする。


 よっすぃ~と別れて、アタシはキッチンで夕飯を作る事にした。

 大人も子供も食べられるもの、という事で、


 畑産玉ねぎモドキをみじん切りにし半分別に分け、もう半分の玉ねぎモドキと無限の腕輪から出した鶏挽肉とおから、塩コショウに分けてもらった卵を入れて練混ぜ、形を整えてフライパンで1分くらい焼く。

 その後ひっくり返して残った玉ねぎモドキと生姜おろし・酒・醤油・みりん・酢・砂糖・水を入れて蓋をして5分くらい蒸し焼きにしたら、おからハンバーグの完成!!

 付け合わせ的な野菜やバターコーンを添えて、一品完成!


 次は、アタシやよっすぃ~、外で世話してるセエレの従者向けに、鶏肉のバジルソース串を沢山焼いて作って、メシアたち向けに採れたて野菜のチーズ焼きも大量につくり、おかず完成!


 あとは、ポテトサラダと大鍋でスープを作り、無限の腕輪からパンを出して、簡単な夕飯が出来た。



「よーし!みんなー!!夕飯できたぞー!!!」


 最大音量で叫んだせいか、外のよっすぃ~たちも即座に撤収し、

 セエレはリビングとその隣の大広間を解放して、出来た料理を片っ端から配膳してくれた。

 遅れてきたメシアと白呼もパンを運ぶのを手伝ってくれ、みんな一緒に『いただきます』をしたのだった。




「うわぁぁ!これ、美味しいです!これもっ!!」

「そりゃー良かった。沢山食べなー?」


 本当に美味しかったのだろう。白呼は頬いっぱいにムシャムシャ食べて、喜んでくれていた。

 セエレの部下も、最初は恐縮していたが、どうやら美味しかったらしい。部下のテーブルは戦場と化していた。

 中には「魔界よりもここで一生過ごしたい!」とか言う悪魔もいて、すこし魔界の生活環境が心配になったりもしていたが。


「そーいやセエレ、君の部下?かな、彼らもここで住み込みするんだろ?部屋は大丈夫かい?」

「ふふっ、ご心配には及びませんよ、ご主人様。館の裏手にもう一棟、寄宿舎を作りました。彼らはそこで生活してもらいます。そして、寄宿舎にもキッチンや食堂・温泉が完備されているので、ライフラインは万全です!」


 おう、いつの間に。まあ、働いてくれる人の衣食住が確保されてるのなら、問題はない、か。

 時々、こっちで作ったものをお裾分けしに行こうっと。


 白呼の世話を一段落したメシアが優雅に夕飯を終え、アタシの側へとやって来た。


「姉さま、白呼くんに色々説明して、お世話したよっ!」

「ありがと、お陰で少しリラックスしてくれたみたいだし、メシアに任せて良かった。」

「えへへ、そうかなぁ?」

「ああ、もしメシアに子供ができたら、こんな感じになるのかな、って思って楽しかったぞ・・・・メシア?」

「えへ・・えへへ・・姉さまとの子供・・・子作りする?姉さまっ!」


 えええええ~?ここでメシアクオリティ発動させるの!?

 左腕にしなだれかかって、メシアがこっち見てるぅぅぅ!?

 ふとリビング方面を見やれば、部下たちはニコニコして見てくるし、セエレは・・・笑顔のまま止まって、それから此方に来たー!?


「ふふ、面白いお話しをされてますね、奥様。」

「うふふ~、メシアは姉様のお嫁さんだもん!夜のお勤めもしなきゃじゃない?」

「それはよろしゅうございますね。その夜伽に、私も参加してよろしいですか?」

「えー!?なんで!?」

「奥様とご主人様のお邪魔は致しません、が、間の繋ぎでご主人様にご奉仕したく存じます。ご主人様は、とてもお強いでしょうから・・・」

「ええー?確かに過去の記憶(前世)だと、メシアが気絶してもずーっと、満足するまで凄かったけど・・・。」

「でしょう!?なので、二人がかりで何とかした方が」


「はい、ストーーップ!!!言っておくけど、しませんからーーっ!」


「「ええぇ~っ?」」


 なんでこんな所で、過去のアタシの繊細な事を暴露されにゃあならんのだ!?

 そして、過去のアタシ!!何してんだーー!!!

 あと、メシアもセエレも残念そうにするな!!


「メシアとセエレ! 変な事言った罰で、後片付け宜しく!アタシはちょっと出てくる!!」

「「えええーーー!?」」


 何だかざわつくリビングを後にして、アタシは館から飛んで逃走したのだった・・・・





今も昔も、ヤれば○倫との噂。

ただし、現在のメシアへの恋愛:妹の数値は30:70 !!

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