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第25話 引きこもり魔法使いと、幻想種に愛される娘の物語でした。


これにて終わり。


ご愛読ありがとうございました‼︎

しばらくは、不定期だけど「悪役令嬢は乙女ゲームよりRPGがお好みです。」に集中します‼︎

そちらもよろしくね‼︎









「それから、無事に学校を卒業して……引きこもりたいという彼の注文通り、時計の塔にお嫁に来たという訳よ」



「いや、意味分からないよ。お母さん」





深い深い森の中。

倒れた木に座った薄金色の髪に灰色の瞳を持つ可愛らしい……五歳くらいの少女が、自身の母から語られた両親の馴れ初めに怪訝な声を漏らした。


「意味分からなかったかしら?」


薄金色の髪に夜明けのような瞳を持つ美しい女性は、困ったように笑う。

魔法の訓練の休憩合間に、娘から両親の馴れ初めを聞きたいと言われたから教えたのだが……どうやらお気に召さなかったらしい。


「うん。だって、結局お父さんとお母さんはどうやって互いを好きになったの?」

「…………どうやってねぇ……それはちょっと難しい質問だわ」

「いや、夫婦じゃん」


彼女はクスクスと笑う。

そして、少女の頭を撫でながら答えた。


「好き、という形は人の数だけあるしその過程も人によって違うのよ。私達は最初に打算的な結婚をして。契約的な事情で離婚できなくなったけど……それを受け入れたのは、少なからず彼のことを受け入れていたから。恋愛的な好き、だったかは当時は分からなかったけど……ビビッときちゃったってヤツなのよ、多分。気づいたら互いの存在が心地よくなっていたの」

「………………」

「一緒にいる時間が育むものもあるのよ。それに……」

「それに……?」

「なんか気づいたら貴女が産まれていたし」


ヒョォォォォ。


少女は超冷めた目で母親を見つめる。

そして、淡々と告げた。


「お母さん、よくお父さんのことズレてるって言うけど……お母さんも充分ズレてるよ」

「夫婦って一緒にいると似るのよねー」


少女はこの無駄にふわっとした母親に呆れたような溜息を吐く。

だが、こんなところを好きなんだから……親子の情というのは凄いと、見た目に似合わぬ考えをした。


「おーい、そろそろ昼の時間だぞー」


時計の塔の方から父親の声が聞こえる。

女性と少女は「「今行く(わ)」」と返事をして歩き出した。


「………ちなみに、お父さんがご飯作るのが多い理由は?」

「あっちの方が作る料理が美味しいのよね」

「まさかのそれだけの理由⁉︎」

「あぁ……胃袋掴まれてた系なのかも。今、気づいたわ」




こうして母と娘は父親が待つ時計の塔()へと帰っていく。











波乱から辿り着いたのは、幸せな家庭。




これにて。


引きこもり魔法使いが、ペットから師匠に変わり、夫へとなった少女の物語は終わりーーーー。






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