表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/31

第11.5話 彼は笑いました。





(本当は、全部話してしまった方がいいんだろうけど)




ライヴィスは思いながら、一角兎と戯れるシャロン達を見つめる。

相手の目的は分かっている。

戦争に利用する気なのだと。

シャロンを優遇しているのは、孤立を加速させるためなのだろうと。

だけど、それを告げられなかった。

本当は告げた方がいいのに。



ただ、シャロンには、何も知らずに笑っていて欲しいと……思ってしまった。



(これは……………の所為か……)


ライヴィスは自嘲するように笑う。

なんと自分は中途半端な存在なのだろうと。

どうして、自分はこんな存在なのだろうと。


(………………)


ライヴィスは目を閉じて、何かを考える。

そうしていると、膝の上に何かが触れる感覚がした。

ゆっくり目を開けると……そこにいたのは、首を傾げた双子達。

サイファとキャロルは、にっこりと笑って彼の手を引っ張った。


「遊ぼ、遊ぼ‼︎」

「一緒に遊ぼ‼︎」

「あ、あぁ………」


穏やかな時間。

人間らしい(・・・・・)時間。

本当は、自分がここにいるのはおかしいのに……ライヴィスは何も言えずに笑うだけになってしまう。


(…………………今だけ(・・・)だから。少しぐらいは……人間の真似事(・・・・・・)をしても……)




ライヴィスは、笑う。

自身の気持ちが分からないまま。



自分を誤魔化す(言い訳をする)ようにーーー。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ