表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『糞バンド』  作者: ウンボボ
第1章 糞バンド始動
9/12

頭カチカチ頑固野郎。

糞バンドwww


ダッセェwww


雑音レベルの演奏力www


イベント出演を何回かこなしていき、

SNSでエゴサしたらちらほら我々糞バンドについての書き込みがあった。


糞曲www


素人より下手www


学園祭バンド以下www


うーん賛否で言ったらほぼ否。

誰が言ってんだ。

顔が見たい。

SNSでは顔が見えないからって、言いたいこと言いやがって糞が。

ぶっ飛ばしてやりたい。

まあ反応がないよりはいいか。

参考になるし。

少しずつ我々糞バンドの知名度は上がっている。

もっと知名度があったらいいな。

知名度がほしい。


そんなある日のこと、街を歩いて移動していたら、ギター担当サヤがある男に声かけられた。


「君、可愛いし、スタイルいいし、うちの事務所に入らない?」


いかにも怪しいスカウト男だ。

断ると、男はひつこく言ってきた。


「モデルの事務所なんだ。よくファッション雑誌の表紙やってるヒメちゃん知ってる?うちの事務所の子だよ。可愛くてスタイルいい君ならすぐヒメちゃんみたいにファッション雑誌の表紙なれるよ。」


男は凄く早口で言ってきた。


「うるせえ、興味ねーんだよ。うせろ!!カス野郎!!」


口の悪いギター担当サヤは、怒声を浴びせた。


「いいね、いいね、それそれ、気の強い性格の子ほど厳しいモデルの世界で成功できるよ。ほらほら入らない?」


「入らねえよ。なんでモデルなんてやらなきゃいけないんだ。」


ちょっと、

ちょっと待った!!

サヤよ、断るな。

これはチャンスだ。

もしも、サヤがファッション雑誌の表紙やるとする。

んで、サヤの知名度が上がる。

それはバンドの知名度も上がるんじゃないか。

バンドのためにファッション雑誌の表紙やったほうがいい。


「いやいや、やりたくねえことはやりたくないし」


頭カチカチ頑固野郎だな。

バンドのためにも、モデルやってもいいんじゃないか。

我々は路上でケンカした。

スカウトは気が向いたら連絡してと名刺を渡して去っていった。

気がすむまでケンカしたら、なんか疲れた。

疲れたらどうでもよくなって仲直りしてた。

いつもそんな感じ。


そしてまた、曲が出来た。


美しい華にはトゲがある

触れただけでケガをする

だけど触れたい

たとえ傷ついても

ほっとけないよ

夢中にさせたのは

君だから

痛たたた 痛たたた

この痛み たまらない

痛たたた 痛たたた

この痛み やみつきだ


オリジナル曲6曲目。


【痛たたた】


完成。


そして、ギター担当サヤは、

バンドメンバーには内緒でモデル事務所に連絡していた……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ