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『糞バンド』  作者: ウンボボ
第1章 糞バンド始動
8/12

わがまま糞野郎。

週末、今日は念願のある音楽イベント出演。


持ち時間は15分の1ステージ。


ちょうどオリジナル曲4曲いける、いい感じのステージだ。


しかし、来なーい。


ドラム担当エリカが来なーい。


なんとプロレスの試合に行ってしまったんだ。


ぐぬぬ。


ダブルブッキングで、バンドよりもプロレスを優先してしまった。


ドラムがいない。


ドラム無しで行くか。


しょうがないから、我々はギターの弾き語りだけでなんとかやりくりした。


多少は失敗は、したがドラム無しでやり遂げた。


いやー困る。


こんなことがこれからも起こったらたいへんだ。


エリカに聞きたい。


プロレスとドラムどっちが大事なのか。


我々はステージを終えたあと、エリカが試合してるプロレス会場へ行った。


まだ新人のプロレスラーだからか、もう試合は済んでいた。


関係者だと言い張って、楽屋へ突撃した。


そこには肩にテーピングをしたエリカがいた。

ちょっと痛々しい。


「おいエリカ!! ふざけんなオラ!!」


もうすでにキレてる口の悪いギター担当サヤがエリカに詰め寄った。


「今日はバンドのライブだろ、なんでプロレスなんてしてんだ!!」

「辞めろよ!!プロレス!!怪我したらバンドできないだろ!!」


暴れだしたら止まらないサヤはもっともっと詰め寄った。


しかし力強いエリカにぶっ飛ばされた。


「私は、プロレスが好きだ!!バンドも」

「辞めないよ!!どっちも」


いやいやどっちもやるのはいいけど、できてないから、今こうして問題になってるんだ。


「マネジメントが悪い」

「プロレスがある日は、バンドの活動入れないでくれよ」


なんてわがまま。

わがまますぎてあきれた。

わがまま糞野郎。

我々は事務所なんて入ってないし、レコード会社との契約なんてしてないし、マネージャーなんているわけがない。雇えない。


でも、ここでケンカしてもしょうがない。

我慢か。

いやいや、むしろ最初からバンドとプロレスラーの二刀流なんておかしいだろ。

どっちかをひとつ本気でやらないと、中途半端でどっちもダメだったりする。


本当は選んでほしい。

プロレスか、バンドか。

でも我々にはエリカが必要だ。

ドラムはエリカしかない。

エリカのドスン、ドスン、と1回1回叩く音の厚みが好きだ。

この糞バンドにはエリカが必要なんだ。

変わりはいない。


我々はずっと一緒。

小さい頃からの幼馴染。

同じ街で生まれ、同じ空気を吸い、同じ景色見て育った仲間。

ちょっとしたことでは壊れない絆がある。

ケンカしても、仲直り、今日もまたそう。


プロレスの試合がある日は、バンド活動はしないよ。


なんだかそれでうまくいくなら、それでいい。

長く続いていくには相手に合わす必要がある。


そしてまた曲が出来た。


紐がひとつ 解けた

紐を結んだ

紐がひとつ 切れた

紐を繋げた

なんでもいつかは壊れてしまう

壊れないものなんてないから

壊れたなら直せばいい

捨てたりはしない

人もそう 壊れやすい

大事に

壊れないように

大切に

優しく そっと


オリジナル曲5曲目


【壊物注意】


完成。


曲を作るのは楽しい。

いつかは作品にして、世に出したい。

形として残したい。


夢は日々膨らむばかり。

どんどん成長していく。

やりたいことがいっぱいなのは幸せなこと。

何もやりたいことがなければ退屈なだけ。


よし、今度はあれやろう……。

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