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『糞バンド』  作者: ウンボボ
第1章 糞バンド始動
6/12

路上ライブ

我が町で人通りが多いのは駅前広場。


ここではよく路上ライブが行われ、音楽が流れてくる。


今日も誰かの歌声や楽器の音が聴こえてくる。


我々もやろう。ここで。


とにかくなんでも今はやるべき。


今回はギターだけの弾き語りで、勝負。ベースとドラムは手拍子担当。


パラパラと通行人が数人、通り過ぎる中、我々の路上ライブは始まった。


まずは、練習でいつも必ず演奏する。


【Beat On The Brat】

続けて【KKK Took My Baby Away】【Blitzkreig Bop】


3曲ともラモーンズの曲だ。

たぶん上手くいった。

上手に演奏出来たと思う。


くそが、誰も立ち止まらねえ。

曲が古すぎたか。ラモーンズだぞ。

かっこいいラモーンズの曲だぞ。

知らないのか。

ローリングストーンズ

Queen

ビートルズ

とかのがみんないいのか。

我々はラモーンズが好きなのに。

みんなは好きじゃなないのか。

よし、もっとやったろ。


【Do You Remember Rock 'n' Roll Radio】

【I Wanna Be Sedated】

【Baby, I Love You】


これでもかと我々は、ラモーンズの曲を3曲続けてやった。

いやー楽しい。

ラモーンズいいわあ。

簡単だし、楽しいし、カッコいいし、たまらない。


くそがくそがくそが!

誰も立ち止まらねえじぁねえか。

ラモーンズなのに。

誰も立ち止まらねえ。


まあいいか。

スタジオ借りて演奏するよりはいい練習が出来た、いい経験になった。


ん!?、我々に誰か近づいてきた。


「お姉さんたち、このあと、お茶しない?」


ナンパかよ。

せえへんわ。消えろ。カス。


変なやつは追い返し、我々はオリジナル曲を披露した。


【これがパンクだ!】

【もっとロックしたい】

【クソ食らえ】


いやー我ながらいい曲だ。

とても下品だが、それもパンクロック。

まあ、誰も立ち止まらないし、誰も聴いてないが。

なんかやる気が出た。

誰もがこの曲知っていると立ち止まるぐらいの大ヒット曲をいつか必ず作ってやる、そう思えた初の路上ライブだった。


なんだか、また曲が出来た。


ラモーンズと一緒

お揃いのラモーンズ

みんなのラモーンズ

ILOVEラモーンズ


世の中にパンク

たくさんパンク

広めたラモーンズ

役目は終わった

そして去った

この世を去った

まだ生きている

僕らの心に


オリジナル曲4曲目


【ILOVEラモーンズ】


完成。


ラモーンズを知っている全ての人がいなくなるまでラモーンズは終わらない。


我々は、まだ始まったばっかり。


しかし、終わりは突然やってくる。


それは、もう少し先のお話……。

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