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『糞バンド』  作者: ウンボボ
第1章 糞バンド始動
3/12

ライブハウス突撃

THE Black bad band 通称BBB

ボーカル 黒

ギター 闇

ベース 影

ドラム 墨


10年ほど前に大ヒットソング【黒より黒く】で大ブレイク。

現在は全国のライブハウスにロッケンローを届けるため日々転々と旅を続ける。

この日の夜に450人ほど集客の小さなライブハウスで、あの大ヒットソング【黒より黒く】を歌うロックバンドTHE Black bad band通称BBBのライブ日である。

ブレイクしたのは10年ほど前で、今は細々と活動しているが現役バリバリのメジャーバンドだ。


我々はそのバンドがライブする前に前座としてステージに出してくれないかとお願いするため昼間からライブハウスの外をウロウロうろつく。


15時頃になり、なんだかライブハウスから音漏れがする。


リハーサルが始まったのか。


これは突撃するしかない。


交渉の時間だ。


我々はライブハウスの扉を許可なく勝手に開け、誰もいないスタンディングの客席を抜け音のするステージへ。


BBBがステージにいた、演奏は止まり、我々に目を向けた。


「バンドやってます。今日我々を前座で出してください!!」


と、我々のギター担当サヤが叫んだ。


「いや、それは無理かも…」


やんわりと断わられたが、


「うるせえ!出せや!出さんかい!くそが!」


我々のギター担当サヤはとにかく口が悪い。

こんなとこでも口の悪さが本領発揮。

あかんこれはBBBを怒らしたかも。


「いい根性だな小娘」

「今日出すか出さんかはわからんが、リハーサルが終わったら君たちのバンド見てやるよ。いい演奏したら出してやるかも」


BBBのボーカル黒は言った。

いい人だ。

失礼すぎる我がギター担当に大人な対応。

見習いたい。


我々はBBBのリハーサルを見学。

ズシンズシンと身体に響く音たちにただただ圧倒され、感動した。

これがメジャーバンドの演奏力。

ど素人の我々とはまるで違う別の世界。

本当にこのあと、この人達に我々のくそみたいな演奏を見せていいんだろうか、不安だ。


そしてリハーサルも終わり、我々が演奏する番。

足が震える、手も。

マイクブルブル。

案の定まともに歌を歌えず、演奏もガタガタ。

地獄や。地獄する。

いやー下手すぎてこれは参った。

バンドメンバーみんなしょんぼり。

落ち込みかけた。


「もう1度だ。」

「もう1度だけ見てやる。」

「君たちは楽しそうじゃない、楽しんで。」

「バンドは楽しい、下手でもいいから楽しんで。」


BBBのメンバーが我々にアドバイスくれた。

なんだか緊張が少しほどけたような気がする。

もう1度披露した。

さっきよりはうまくいけた気がする。


「今日出してやるよ。」

「下手すぎてびっくりだが、君たちには場数が必要だと思った。」


うおー、なんてこった。

逆にヤバい。

なんかヤバすぎてヤバい。

人前で披露出来るなんて震える。


「前座として5分弱頼むよ。あと30分後くらいに。」


あと30分後!?


ひぃぃぃ、我々の初のステージデビューまで30分、前座だけど。


「そういえば君たちバンド名は?」


バンド名はまだない。いつか決めようとしたけど、そのまま決めずにいた。

名のないバンドマン。

いつかは誰もが知ってるバンドマンに。

今日がその最初の一歩。

必ず成功させたい。


そして、30分が立ち…我々はステージへ…。

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