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『糞バンド』  作者: ウンボボ
第1章 糞バンド始動
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歌だけ糞野郎。

「どうも、ひまわりミュージックのハラです。女、35歳です。今日からあなた達、糞バンドのマネジメントをします。よろしくお願いしますです。」


我々にマネージャーがついた。

そして、


「どうも、ひまわりミュージックのササクマです。男です。50歳です。今日からあなた達、糞バンドのプロデュースをします。よろしく。」


我々にプロデューサーもついた。

あと広報やら、なんやらめんどいことや専門外のことはひまわりミュージックにまる投げした。

我々はバンドに集中すればいい。

バンド以外のことはひまわりミュージックにまかせ、

そんな環境にした。

メジャーではないが、インディーズでは古く歴史の知れた音楽事務所である。

信頼してもいい。


我々は今はとにかくライブをしたい。

数をこなしたい。

空いている日は、ライブを入れてもらうようにした。

そして、ライブをしまくった。

15ステージはこなした。

どんどん上手くなっていく。

ライブをやればやるほどバンドのまとまり的な、一体感的な、なんて言うか、呼吸が合うっていうか、言葉にできないぐらい、いいバンドになってきた気がする。

しばらく、ライブと深夜コンビニのバイトのくり返しの日々が続いた。

そんなある日のコンビニバイトの時に、棚に雑誌を並べてたら、


なんと!!


グルメ雑誌の表紙にミートソースパスタのうまい店特集と書いてあった。

これはベース担当レイラの店もあるんじゃないか。

ちょっと前に取材される言ってたし。

ああミートソースパスタがまた食べたくなった。

本の中を見てみたいが商品だし、棚に並べた。


残りの本も棚に並べてと、


これは!!


エリカだ!!

プロレス雑誌の表紙の端っこに小さくプロレス界新生星エリカと書かれておる。

これは我々のドラム担当エリカじゃないか。

たぶん。

中を見て確認したいが商品だし、棚に並べた。


さて、残りの本も棚に並べてと、


ぎょぎょぎょ!!


これは、サヤだ!!


ファッション雑誌の表紙がサヤだ!!

我々のギター担当のサヤがファッション雑誌の表紙になってる。

ぎょぎょぎょ。

いつの間にファッションモデルになってたんだ。

あのときのあれか。

モデルのスカウトのやつ。

あれほんまもんのスカウトだったんかい。

凄いなあ。

みんな。

バンドの合間に、レストランに、プロレスに、モデルにと。

我々のバンドメンバー頼もしいな。

そんなわたしは。

コンビニの店員。

ぐぬぬ。


ボーカル ミア コンビニ店員

ギター サヤ モデル

ドラム エリカ プロレスラー

ベース レイラ コック


なんかわたしだけ微妙じゃないか。

別にコンビニ店員がダメなわけじゃないんだけど、他がね。

なんかわたしだけ微妙にみえる。

なんかわたしに才能をくれ。

歌う以外に才能をください。

楽器も出来ないし、歌うだけしか取り柄がないとか歌だけ糞野郎かよ。


いつかなんか才能開花させてやる。

あっとみんなが驚くような才能を。

そんな思いを胸に秘めながら、今日もコンビニバイトを朝までこなした……。



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