糞バンドのファン
我々は音楽事務所を探りながら、
今日も小さなイベントステージでライブだ。
「くそくそくそくそくそくそくそくそ、我々が糞バンドだああああ!!ロッケンロー!!」
【これがパンクだ!】
【もっとロックしたい】
【クソくらえ】
などいつものオリジナル曲を演奏していく。
出来たてホヤホヤのまだ披露したことのない、
【壊物注意】
【痛たたた】
【黄金コンビ】
なども演奏した。
なんかいつもより、上手く出来た気がする。
通りすがりの人も足を止め、我々のパフォーマンスに目を向けた。
少し歓声も増えた。
ような気がした。
気持ちイイ。
この気持ち良さこそ、ロックンロールだ。
「糞バンド 糞バンド 糞バンド 糞バンド」
いつの間にら糞バンドコールなんて出来たみたいだ。
ファンが少しずつ増えている。
50人ぐらいか。
ファンと呼べる人数は。
初めてのファンは誰だったんだろうか。
なんで我々のファンになったのか聞いてみたい。
ファンのためになにかしてやりたいな。
ファンクラブとか、
単独ライブとか、
グッズとか、
ファンのためになにか出来たらいいな。
今は無理だが、いつかしたい。
今我々に出来るのは、
曲を作ること、
ファンのための曲を作ろう。
♫
どんな場所でも
ロッケンロー!!
大爆音で!!
ロッケンロー!!
近所迷惑なんて知らんがな
ロックンロール様だぞ
くそくそ くそくそ
叫ぼうぜ
ガンガン ガンガン
鳴らそうぜ
ドンドン ドンドン
打ちならせ
ズンズン ズンズン
響かせろ
なにかのために
ほんの少しでも
役にたてたのなら
それだけでいい
それだけでいいんだ
糞ファン 糞ファン
糞バンドのファンよ
オリジナル曲8曲目
【糞ファン】
完成。
ファンあってのバンドだ。
感謝しかない。
そして、決まった。
音楽事務所。
ひまわりミュージック。
我々はそこにお世話になることになった。
契約年数は1年。
CDリリースは1枚。
簡単に言えば、1年で1枚CD出して売れなきゃ契約延長なしでクビ。
そんな感じ。
よし、あと何曲か作ってCDデビューするぞ。
絶対にいいアルバム作ってやる。
我々のバンドはさらにやる気に満ち溢れた。




