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戦争の概念が変わった日

1914年6月28日

 "世界の火薬庫"と呼ばれていた国ボスニア、その首都サラエボで、皇太子夫妻の暗殺未遂事件があった。

 その事件を未然に防いだのは、一人の人間の男だったと思われた。

 そして彼は、自分は使者の一人である、明日は他の使者たちが各国の大統領の元に訪れると言った。


 知らせを受けた各国は何が起こるのか騒然とした。火薬庫に引火する前に火種が何者かの靴裏で踏み潰されたようなものだったからだ。ある国は胸を撫で下ろし、ある国は振り上げた拳を下ろした。


 同年7月1日

 使者は予告通りに現れた。その国の主な人種を形どった姿はあまりにも普通の人間であったため、狂った人間ではないかと疑われた。しかし使者はそうではない、そもそも人間ではないと否定し、周りを驚愕させた。


 我々は人の形をした機械である、戦争は新たな形に変わる。これからは我々が各国の代表として戦う。人間が血を流し、悪意で傷つけ合う必要性はもうないのだ。淡々と、顔色一つ変えずに使者たちは言った。その姿はまさに機械的であった。


 即座に使者は調べ上げられた。銃弾を掻い潜る機動性、戦車を持ち上げる強力性、戦車砲を受けてもびくともしない耐久性を彼らは持っていた。

 五年もかかった徹底的な性能調査の結果は、人々に彼らは真に人間ではないとの答えと彼らが今まで隠れていた恐怖、技術力への驚きが与えられた。


 1919年6月28日

 各国はフランスのヴェルサイユ宮殿に集まり、提案を受け入れるか考え話し合った。戦争を行う利益と不利益を天秤にかけた議論は熱を帯びた。

 使者を造ったと言う7人の科学者が議会に押し掛けて言った。


 人類は変わらなければならない。これから技術が発展するほど戦争はより残虐に、より非道に、より過酷になる。変わるなら今しかないのだ。


 その言葉はどこか真実味を帯びていたと、その場にいた人は語った。

 天秤はようやく提案を受け入れることに傾いた。

 

 使者が代わりに戦う条約は、ヴェルサイユ条約と名付けられた。




 そうして戦争の概念は一新した。人類が戦うことはなくなり、使者たちが各国の代表として戦うことになった。

 使者を代理人と科学者が呼んだことにより、周囲も代理人と呼称を改めた。

 代理人たちは自分の国の文化を学び、それぞれ考え方や戦闘スタイルを調整していった。成長する機械は世界中の科学者の興味を誘ったが、7人は仕掛けを決して答えることも教えることもなかった。


 混乱した世界情勢の中で何度か戦争が起こった。その都度、条約通りに代理人たちは、7人が用意した場所で戦い決着を着けた。

 そのため人類に被害はない戦争は、より頻発に行われるようになった。それは戦争がスポーツのように扱われるようになったことを表している。


 代理人たちは各国の代表として英雄の様に扱われ、国民から尊敬されるようになった。彼らは国を語る時、切っても切り離せない存在になっていた。


私の力不足なのですが、つけた方がいいよ、というタグがあれば教えてください。

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