表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Merry X'mas 〜赤の薔薇を添えて〜

作者: 桜峰アイ
掲載日:2015/12/07

花の香りが充満する店内で、俺は悩んでいた。


「赤にするか…白もいいよなあ……」


そうしてるうちに、ポケットで携帯が震えた。


「もしもし、」

「あ、雅也?元気?」


……南美だ。


「うん、元気元気」


なるべく普段通りの俺を装う。

南美は勘が鋭いから、バレたら台無しだ。


「そっか、何時ぐらいにこっち着きそう?

 大阪も雪みたいやから、気ぃつけてなぁ」


大丈夫、南美は気付いていない。


「南美、」

「ん?どうしたん?」

「俺、今日行けなくなった」


「…………………うえ?」


「実験のレポート、終わんなくてさ」


あくまで自然に。


「そう、なん」

「うん、ほんとごめん」


自然に。


「そんっっっなん知らんわアホンダラ!!」


…ほわい、怒鳴り声!?


「え、あの、南美、」


「あーはい、そうですか!

 レポートくらい終わらせろやボケ!!

 いつもいつも雅也は勝手ばーーーーっかり!!!

 …もうええわ、来られへんなら男友達でも誘うわアホ!!!

 あんたなんかもう知らん!!!」


「あ、ちょっ…!

 ………切られた」


南美にサプライズは効果なし、なのか…?

幻滅された?嫌われた?

他の男とクリスマスを過ごすのか、南美?


溜め息、どうしてこうなった?

俺はただ、


「ただ、南美に喜んでほしくて__________」



「神崎様、お待たせいたしました」


声をかけづらそうだった店員さんが近づいてくる。


「ご注文いただきました花束、出来上がりました。

 ……こんな感じでいかがでしょうか?」


99本の、赤い薔薇。


「え、でもまだ色は…」


「はい、伺っておりませんでしたが、

 お客様には情熱の赤い薔薇がよろしいかと。


 …急いだ方がよろししいのでは?

 代金は後日で構いませんので」


「…!

 ありがとうございます!!」


綺麗な、花束を手に駅まで走る。

新幹線の予約は、既に取ってある。


大阪まで、約2時間。

誰を呼んでたっていい、俺は南美に会いに行く。


こんなにもかっこつかない俺だとしても、

笑って受け止めてくれるのは

南美だけだ。



雪の降る中を全速力で走る。


南美、ごめん。

でも待っててほしいんだ。


今行くから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  好きな人への気持ちを胸に走り出す描写が印象的でした。  99本の薔薇もなんか未完成な感じで好きです。自分だけでは完成しない、あと一つのピースが恋人みたいな(照)  二人の展開が気になります…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ