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#62:秘密

「もう一つの作品:「神々の審判」につきましては、夜遅くなるとは思いますが、投稿できればと思っております!どうぞ、そちらも、よろしくお願いいたします!」


~引き続き、応援・お付き合いのほど、よろしくお願いいたします~


【前話のあらすじ:地下牢に繋がれているはずの、リアンに会いに行ったレイ。しかし、リアンは既に、虫の息で、「聖者……」という言葉を遺して、息絶える。さらに、そこにアーノットが現れ、レイを下手人として捕らえることを命じた。レイは……】

#62:秘密

その日は、王都だけでなく、エルメリア王国までもが、明確な”異変”を感じ取っていた。

「誠に勝手ながら、アストラル商会は3日の間、休業いたします」

それは、突然の報せであった。


アストラル商会は、いまやエルメリア王国全体の物流を担っていると言っても過言ではなかった。


「で、ゼノ、どうするつもりだ?」ゼノとクロムはシレハ村を訪れていた。

レイが最も憂慮していたのは、暴動であった。

特に、ヘンリクの二の舞だけは避ける必要があった。


「聖者……レイ様はそう言っておられた。魔族とつながりがあるとすれば、確かに冒険者か冒険者パーティーのはずだ」

「それは合っているのですか?」ハワードだった。

アストラル商会と同じく、三日の間は、ハワードのローヌ村だけでなく、ダレイのガラム村、ヴォルターのモントス村も入村禁止としていた。


「「聖者」にまつわるものを探せと言われても、それが、”比喩”のようなものであったらどうするのですか?」

「いや、”比喩”の可能性は低いだろう」ゼファールが(おもむろ)に口を開く。

「そやつは、死ぬ前に、「聖者」と言ったのだろう?なら、それは直接的あると考えるのが道理だろう」

「ゼノさん、それを漏らしたのは誰なんです?」カイルの言葉をルードが遮る。

「カイル、それを伝えれば、多分、俺らの身が危うくなる。だから、レイ様は伝えないのだ。ゼノを責めるな。我らは言われたことだけをやるべきだ」

ルードの言葉に、各々が微かに頷いた。


「レイ様の予想では、「聖者」という名称を持つ、人物、集団、場所ではないかということでした。そして、この一件には魔族が関わっていると……」

「魔族だと!?」ダレイが声を張り上げる。

「魔族はぁ、とっくの昔に絶滅したと聞いたべぇ。おっどろきだなぁ……」ヴォルターがのんびりとした声を出す。

「魔族と関わりがあるとすれば、冒険者ね……」シアが小さく呟く。


「その通りだ。三日後には、文議が開かれる。私が戻るのに半日、行くのに半日は、どうあがいてもかかる。今日と明日、それまでに、手がかりを見つける必要がある」

「じゃあ、俺と隊長は、セルドス町の冒険者ギルドで、「聖者」がついている冒険者やパーティーを探してみます!」

バイスとルードが飛び出していく。


「じゃあ、俺とヴォルターも村長同士の伝手をあたってみるぜ」

ダレイとヴォルターが出ていく。

「ガストンさん、行きましょう。僕らは、武のグラスナー家と謀略のハップス家を探ります。魔族と繋がっていれば、少なくとも、レイ様が魔族と繋がっていたという主張をされても、覆せますから」

ガストンとロブがいそいそとその場を後にする。


「経済の要のセルド家を探ってくるわ。カイル、来なさい」

「あ、はい!」リーンにしたがって、カイルもその場を後にする。


「じゃあ、私たちは残りね!」「ええ。外交のブラスター家と水運のベイ家ね……」

シアが心配そうな顔でゼノを見つめる。

「お兄ちゃん、あんまり無理しないでね。それと、隠し事はやめてね……」

「あ、ああ。隠し事なんて、可愛い妹にするわけないじゃないか……」

シアは少し肩をすくめると、足早にニーナとその場を後にする。


その場には、ゼファール、クロム、そしてゼノが残った。

全員が、リアンを知っていて、リアンの一件も知っていた。


ガタン。

横の扉が静かに開く。

「どういうつもり?」キールだった。

「だ、誰だ……」警戒するゼノにクロムが淡々と告げる。


「名はキール。協力者だ。レイ様が信頼している者だ……」

「「様」か……」

リアンの一件から、クロムはレイへの信頼が強くなり、レイ様もまた、クロムへの信頼を強めた。


自分の知らない秘密がある。それは気持ちの良いものではなかったが、いつか明かしてくれる、そう信じていた。

そして、キールとやらも、レイ様の奥底の”秘密”を知っているのだろう。


羨ましいとは思ったが、今のクロムやゼファール、そしてレイとの関係を壊してしまうことの方が、恐ろしかった。


ブンブン。首を横に振る。

パチン。頬を両手で勢いよく挟む。

クロムとゼファール、キールは怪訝そうな顔で見ていたが、ゼノには必要なことだった。


「ふぅ……」

「我々は、王都に戻ります。王都は最も、リアンとの距離が近く、レイ様を嵌めるための情報が集いやすい場所ですから」


最後に、ゼノは息を軽く吐いた。きっと、自分の知らない秘密がそこにある。そう思った。

「レイ様は、最後に、「国を出る準備をしろ」。そう仰いました」

三人の目が、たちまち鋭くなり、その表情に、ゼノの知らない、安堵とも決意とも、同意とも取れる、なんとも言えぬ表情が浮かび上がった。


レイ様の秘密。それがどんなものであれ、受け止める覚悟もついていく覚悟もできていた。

頼ってほしかった。

けれど、その言葉を口にしてしまえば、レイ様の秘密を強引に吐かせることになる。

ただ、時が来るまで待つ。時が来るまで、傍にいる。


それが、きっと自分に課された、最大の試練であり、最高の栄誉なのだと思った。

昼下がりの陽光が、ほのかに窓から差し込んでいた。

―――――――――――――――――

【今話の極小情報:】今回は、五大公爵家の一つ、「ハップス家(謀略)」について

・ハップス家の当主:ワルト・ハップス。


・ハップス家の財源:ハップス家の財源は、裏稼業である。暗殺業や不正な証拠の捏造、隠蔽など、様々なことを行う。他の五大公爵家の隠蔽や捏造、裏工作を手伝っているため、他の五大公爵家にとっては、目の上のたん(こぶ)

弱みを握られてはいるが、五大公爵家の中では、唯一、私兵を持たず、謎の暗殺組織を持っているため、軍事への影響はさほど強くない。


・軍議、文議問わず、今まで一度も政治の表舞台に出たことがない。

影から国事(こくじ)を操る(さま)から、「影の語り人」という異名が、エルメリア王国では有名である。

ハップス家の全容は、誰も知らず、誰も掴めていない。

【お読みいただきありがとうございました】

次話は、ガストンとロブが……


ふっと二言:「五大公爵家が前話から、登場しています!五大公爵家は勿論、徒党を組んでいるのは表面上だけ。水面下では、互いに駆け引きが行われています!さて、皆様がきっとお忘れであろう、ベルー・ドンギヌス(ラザリス学園の入学試験で、シアに迫り、レイに、沈沈(ちんちん)にされた貴族です。それでも、こいつ誰?という方は、お手数ですが、「#39 ゼファール」をお読みいただければ……)が、ついに登場します!レイの学園生活は早々に、幕と閉じてしまうのか!?ー引き続き、応援・お付き合い頂ければ、幸いです」


――――――――【他作品も全力執筆中!】

更新をお待ちいただく間に、こちらの作品もご一読いただけると幸いです!


・『神々の審判ー選定された最強の「駒」は、五度目の「今世」、「神」を屠るー京亮ver』

「演じるのは少し疲れるけど、楽だった。でも、そっちがその気なら、「本気」で屠りに行くよ、だいぶ疲れるけどね」

理不尽な運命を、圧倒的な力で覆す!

【無双×成り上がり×転生×最強×ゲーム】—―「普通」を辞めた俺の叛逆の狼煙が高々と上がる


・『生涯、病室だった俺、異世界で自由な体を手に入れたので、天下を獲ることにした~11歳で村長になった追放貴族、現代知識と圧倒的な力で、最弱国家の最弱領地の底辺村から最強国家に魔改造する~』

「窓の外を眺めるだけの日々は終わった。今度は俺が、世界に眺められる番だ。」

不自由を極めた過去を、最強の自由で塗り潰す!

【戦×無双×成り上がり×領地経営】 ――病室を抜け出した俺の、天下取りが今始まる。

⇧※本作です。これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

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