#44:本日この時間限りの限定メニューなんですよ!
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【前話のあらすじ:リアンは、ついに、刺客を送り込む。しかし、部屋にいたのは、ルーヴィンス王!?……】
刺客たちが押し寄せる数分前。
「キール、頼めるか?」
レイの問いに応えるように、右隣の扉が音もなく開けられ、キールが姿を現す。
壁にある、小さな突起を魔力の波長を一定に合わせることで、開放する仕組みで、非常時のために、キールがつくったものだったが、それを知っているのは、キールとクロムだけだった。
「レイ様!?これはどういう!?」
「諸刃の剣ではあるが、陛下の了承は得ている」
右隣の部屋には、ルーヴィンス王をはじめとする、王族たちが待っていた。
「レイ、話が少し長すぎるわ!隠蔽までかけちゃって、何話してるか聞こえないし……とにかく、助かったわ。御父様の叱責って結構、嫌いなのよ、私」シリスはそう言うと、クスッと笑った。
「ほぉ……シリス、そなた、後で余のもとにこい。王に対しても、父に対しても不遜な発言じゃ」
「ちょ……ちょっと、それは……」
「あのさ、刺客が来るのでしょ?早く入れ替わりましょうよ。刺客が唖然とする姿を拝みたいもの。それにいざとなったら、レイもいるし、問題ないはずだわ」
カリスティアはそう言うと、素早く、クロムのいた場所に座る。
「カリスティア、どけ。そこは余の特等席じゃ」
「なら、その横は、私ですね」リーゼロッテが不敵な笑みを浮かべる。
「あ、あの父上、本当に私も行かなければなりませんか?」
アーノットの挙手した右手の指先が震えている。
「兄上、一度くらい、襲われてみるのも面白いかもしれません」
第二王子、ヘンリクに引きずられるように、アーノットも配置につく。
「ご安心を。必ずや……」
「よい。なるようになるであろう?」ルーヴィンス王はレイの言葉を遮り、早く閉めろとでもいうように、右手を振った。
ルーヴィンス王の瞳は輝いていた。
キールが小さな突起に、魔力波形を通し、扉は音もなく閉まっていく。
こうして、”入れ替わり”は完了したのであった。
「総員、捕らえよ!」ルーヴィンス王の号令で、刺客と同じく、店員に扮していた、騎士団員や護衛たちが、刺客に飛び掛かっていく。
「な、な……っ!?」
刺客たちが絶望的な悲鳴をあげる暇もなく、捕縛された。
その頃。
店の外、馬車の中で「報告」を待っていたリアンの元には、全く別の来客があった。
「……いやぁ、リアン様。どなたと待ち合わせですか?もし、よろしければ、相席してもいいですかね??」
そんな声と共に、馬車の窓が、外側から叩かれる。
そこには、いつも通り、飄々としたゼノが立っていた。
「ゼ、ゼノ!? 貴様、なぜここに……見張りはどうした!」
「ああ、あの三流の尾行者たちですか?うちの商会の諜報網を舐めないでもらいたいですねぇ。今頃、下水溝でネズミと仲良くしてますよ。ん?あれぇ、リアン様も、もしかして、あいつらを見張ってたんですか?いやぁ、それは申し訳ないことをしちまって。今から、もっかい、攫ってきましょうか?ドブからになっちまいますけど……」
「あ、い、いや、大丈夫ですよ……実は、私も、その尾行者たちを調べているところだったものですから……」
「そうでしたか……いやぁ、申し訳ありませんねぇ……何人か、うちの荒いのが、殺っちまいまして……」
「いえ、構わないですよ。ある程度、調べは済んでいたので。それで……今日は、私にどんな用件ですか?もしかして、また、新商品の販売許可を取りに来た……とかですか?」
「流石、リアン様!話が早くて助かりますぅ!でへへ。デュフフ。いえ、なに、すみませんね。やはり、本物を前にしてしまうと、つい……えっと、今、実はですねぇ、リアン様をモデルにした新商品を作成してまして……と言っても、今回は一品料理なんですがね、いやぁ、この一品料理の見どころは、最後に、お客様の目の前で完成させるところなんですよぉ。限定メニューなんですけどね。それで、その、もし、お嫌じゃなければ、販売許可をいただきたくですねぇ……」
「なんだ……そんなことですか?勿論、構いませんよ!」
「そんなことって……またまたぁ!リアン様をモデルにしたんですよ?どんな商品か、興味がお有りなんじゃないですか?」
「ええ……」
(刺客たちからの報告がない……なぜか、ゼノもここにいる。バレてはいないようだが、胸騒ぎがする……とにかく、この薄っぺらい男をさっさとどけて、様子を見に行かなければ……)
「へへ、早速、それじゃ!えっと、どこだったっけな?あれぇ……えっと……」
「ゼノさん、申し訳ありませんが、少し急ぎの用ができてしまったので、これにて失礼しますよ……」
リアンは、御者に馬車を出すように命じた。応答がなかった。
「……!ゼ、ゼノ、貴様、まさか!?」
「……あっ!そうそう、新商品の名前はですねぇ、「リアン定食お縄添え」ってやつでして、本日この時間限りの限定メニューなんですよ!いやぁ、すっごく楽しみですよね?リ・ア・ン・様?」
ゼノの後ろには、すでにアストラル商会の護衛、そして王都の騎士団の分隊が整列し、リアン馬車を完全包囲していた。
「く、……っ!ゼノ、貴様、計ったな!!レイの指示か……あの小僧がぁ!」
リアンが懐の短剣に手を伸ばす。
「ゴフッ」「ウプッ」「ドゥビッ」
間髪を入れずに、ゼノが腹を蹴り、心臓を殴り、鼻に頭突きをかます。
リアンは低い呻き声を漏らしながら。馬車から引きずり出される。
「おい、本日のリアンは確保済みだ。レイ様に報告を頼む。それと、俺が三発かましたことは、武勇伝として、お前たちの記憶の中だけに留めておけ!OK?」
冷たい風が通りを吹き抜けていく。
「ま、そんな日もあるか……」
「会頭、いつもです……」
「解雇されたいか?あぁん?」
「……」
「あ、すまん。ちょっと待て。そいつに言いたいことがある」
そう言うと、ゼノはリアンに近づいていく。
ゼノは、リアンの肩にそっと手を置いた。
リアンが、怒りを込めて、ゼノをにらみつける
「怖くないぜ!俺は、あんたと違って、一人じゃないからな。護ってくれる仲間がいるからな!さてと、言いたいことは三つだけ。第一に、お前はレイ様を殺めようとしたうえに、俺のダチに手を出した。第二に、週三でお前に会いに行く。第三に、お前だけは許さん。クロムに手出した以上、覚悟しろ。以上」
ゼノはそう言うと、ヒラヒラと手を振って、出荷の合図を送る。
斯くして、リアンは、王都の路地裏で、ひっそりと地獄に落ちたのであった。
「—―次はお前の番だ、クロム。全部、話しちまえよ。お前の浅はかで馬鹿だけど、お前らしく一人でしょいこみやがった計画をよ……」
リアンは捕らえられた。
しかし、このリアンを捕らえたことが、レイの運命を大きく揺るがすことになるのは、少し先の話である。
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cf.)F:1~20 E:21~50 D:51~90 C:91~150 B:151~220 A:221~260 S:261~300
【今話の極小情報:】引き続き、読者の皆様が忘れていらっしゃると思い、お節介を少し。
今回、ご紹介するのは、エリー(ローヌ村)とマリア(ローヌ村)のステータス。一応、二人の初登場は#23の「ロブと村の上下水道を整備するエリー」、「ローヌ村の女性のまとめ役、マリア」として登場しております。現在、お二人とも、ローヌ村の店員や屋台で料理を振舞ったりとマルチタスクを担っております!感謝~
エリー:【名:エリー 年齢:26】【MP:500】【ステータス】武力:60.D(70.D) 知力:160.B(180.B) 統率:50.E(60.D) 政治:80.D(150.C)【サブステータス】兵法:80.D(90.D) 馬術:100.C(100.C) 陸戦:80.D(80.D) 海戦:80.D(80.D) 工作:190.B(220.B) 諜報:80.D(100.C) 農耕:160.B(170.B) 商業:170.B(190.B) 建築:100.C(130.C) 成長:80.D(130.C) 忠誠:100【固有スキル】--【スキル] 探索(D) 水魔法(D) 調理(B) 錬金(C)
マリア:【名:マリア 年齢:36】【MP:200】【ステータス】武力:80.D(150.C) 知力:100.C(130.C) 統率:160.B(200.B) 政治:100.C(100.C)【サブステータス】兵法:90.D(90.D) 馬術:90.D(90.D) 陸戦:110.C(110.C) 海戦:80.D(80.D) 工作:160.B(170.B) 諜報:50.E(80.D) 農耕:130.C(160.B) 商業:150.C(160.B) 建築:50.E(60.D) 成長:70.D(90.D) 忠誠:100【固有スキル】--【スキル] 体術(D) 調理(B)
【お読みいただきありがとうございます!】
次話は、クロムの描いた計画です!!
~高評価やブックマーク、感想・リアクション等いただけるとありがたいです!~
ふっと二言:「このエピソードを書いていた時に、ゼノで かっこよく決める or いつも通り決める で割と悩んだ結果、混ぜることにしました。どちらも、皆様に伝わっていれば、幸いです!次は、18時~19時くらいに、投稿予定です。ー引き続き、応援・お付き合いのほど、よろしくお願い致します!」
追伸:新作を14時00分~、5話分ほど投稿しますので、よろしければ、ご一読・評価・ブックマーク・リアクション等、よろしくお願いいたします!




