#43:申してみよ
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朝の一言:「投稿が遅くなって申し訳ないです……次は12:00か13時頃に投稿します!ご一読くださると幸いです!志文の作品については、12:00~、投稿しなおす予定です!前話、「#43」の「あとがき」のところに、長々と書いてありますので、よろしければ、お読みいただけると幸いです!」
【前話のあらすじ:ルーヴィンス王から、ゼファールを配下にする承認を得たレイ。レイは、すべての真相を知っているであろう、クロムの元を訪れる。しかし、レイの問いに、クロムが答えることはなく、レイは、ついに、王都の十大執政官リアンが犯人だと確信するのだった……】
夕闇が王都セント・エルメリアを包み込み、街路に魔導灯の淡い光が灯り始める頃。
執政官リアンは、大通りから一本入った裏路地で、忌々しげに「エクリプシア」の豪奢な看板を見つめていた。
(クロムの奴……やはり、情報を漏らすつもりだったか……)
リアンは、クロムを完全に信用したことは一度もなかった。
クロムを配下に引き込めたのは、彼の心臓に「魔石」を埋め込み、その命の鼓動をリアンの指先一つで停止させられるという絶対的な支配権があるからに過ぎなかった。
クロムが自発的に、あるいは忠義ゆえにリアンに従っているわけではないことは、リアン自身が誰よりも理解していた。
それゆえに、クロムの行動は常に見張らせていた。
そして、今回の命令は少し複雑だった。
「レイがラザリス学園の入学試験を受けに来ている。その道中、目立たぬ場所で殺せ」
それが、最初の指示だった。
レイについては、上からの命令で、シレハ村の村長になった時から見張るように命じられていた。
しかし、レイに監視をつけても、すぐに、見失うことは多々あった。
まるで霧のように煙に巻かれ、監視は役に立たないことが多かった。
レイの行動を逐一把握することは、王都の執政官という権力をもってしても、不可能に近かったのだ。
しかし、今日だけは違った。
レイとクロムが裏路地から人目をはばかるようにして、「エクリプシア」という、王都でも指折りの有名店に入っていくのを、リアンがクロムにつけた監視がはっきりと捉えたのだ。
その報を上に伝えると、上からすぐに返事があった。
「最優先でクロムを始末しろ。事を荒立てず、穏便に済ませろ」
リアンの口角が歪む。
レイと接触し、情報を漏らしている可能性が高いクロムを、もはや生かしておく理由はなかった。
学園の入学試験の帰りに放った暗殺者たちは、自爆させた。
あれは人里離れた林道だったからこそ、爆発させても「賊の自爆」として処理できた。
しかし、ここは王都の中心だった。
エクリプシアは有名な娼館であると同時に、王都最大規模の奴隷商館でもあり、貴族や豪商の出入りも激しい。
ここで爆発騒ぎを起こせば、国家守備隊や騎士団の本格的な調査が入り、リアンの立場が危うくなるばかりか、上からの指示にも応えることが難しくなる。
(爆発は無理だな。だが、奴が入ったのは逃げ場のない個室だ。店員に扮して踏み込み、静かに息の根を止めれば済むこと……)
レイの側近であるゼノが、シレハ村に向かったことも、密偵からの報で確認済みだった。
「……今、王都にレイが頼れる配下は誰もいない。そして、レイは、ついさっき、アストラル商会へと向かった。今だ。クロムがいる三階の最奥の部屋へ向かえ!」
リアンの合図がほどなくして伝わり、店員や酔客に扮していた刺客たちが、音もなく動き出した。
リアン自身は、店のすぐ近く、逃走経路を確保した馬車の中で、クロムの死と「魔石の回収」の報告を待っていた。
リアンは、見抜かれているなど、微塵も思わなかったのである。
一方、リアンが「今だ!」と確信したその数分前。
レイは、「エクリプシア」の個室でクロムと向き合いながら、すでに勝利を確信していた。
そもそも、レイは自分だけでなく、クロムが監視されていることを見抜いていた。
今日のクロムは会った時から、どこかおかしかった。
というのも、市井の人目につくところで、堂々と、それも自分から、その姿を現したからである。
普段は、目立たぬように会いに来るクロムが、衆人の中に、普通に姿を現す。
無論、クロムほどの隠密の達人であれば、市井といえど、目立たないようにする方法などいくらでもあったはずだった。
しかし、クロムはそれをしなかった。
すなわち、目立たないように会いに来る意味がない、それを伝えようとしてるのではないか。
そこまで考えた時、レイには、クロムがそんなことをする理由がたった一つしか考えられなかった。
「誰かに監視されていて、そこから逃れるのが難しい状況である」
それをレイは見抜いたのだった。
レイは部屋に重厚な防音と隠蔽の魔術を施し、クロムと会話をしながら、思考を巡らせる。
リアンの名を出し、クロムの瞳の奥に走った微かな揺らぎ。
そして、これだけ時間が経過しても、この建物が爆発する気配がないこと。
(なるほど。リアンは、今回は『穏便』を望んでいるわけか。学園の時の暗殺者とは違うということか……)
レイの口元に、冷ややかな笑みが浮かぶ。
相手の意図がわかれば、策を練るのは容易だった。
さらに、レイには決定的な「手札」があった。正確に言うなら、クロムの手札ではあったが、今や、レイの手札でもあった、という方が正確だろう。
それは、レイたちをこの部屋に案内した女性であり、エクリプシアの主でもある「キール」という女性である。
ゼノに、クロムとの出会い話を聞いたとき、ゼノから「クロムが密かに連絡をとっている女が、クロムと同時期に入国した」ことは聞いていた。
レイは恋人の類だと思っていた。
しかし、クロムと同時期に入国し、さらに、クロムが密かに連絡をとっている。
そのことが引っかかったレイは、バンデリオン王国に関係しているのではないかと推測した。
クロムが、バンデリオン王国から姿を消したのは、十五年前の政変から。
そこで、レイは、もう一度、ゼファールに「十五年前の政変」を事細かに聞いたのだ。
そして、「十五年前の政変でレイを逃がした侍女の死体は見つかっていない」。
そう告げられた瞬間、レイの中で点と点が繋がったのだった。
キールが自分を逃がした侍女である。それは確信に近いものだった。
クロムがなぜ、連れて行ったのかはわからなかったが、リアンを片付けた後に、全てを聞くつもりだった。
「キール、頼めるか?」
レイの問いに応えるように、右隣の扉が音もなく開けられる。
既に、キールは、レイとクロムがいる部屋の上、下、左、右。
隣接するすべての部屋を、「貸し切り」として処理し、一般客を遠ざけていた。
これにより、刺客たちは、”事を荒立てずに済ませる”ために、正面の扉から店員や客に扮して入ってくるしかなくなったのだった。
さらに、レイは、ゼファールを配下にするための承認をもらうため、王宮に出向いたときに、シリスに連絡していた。
王宮内には、リアンの手下が多かった。
そのため、面と向かって会うわけにはいかなかった。
そこで使ったのが、「魔導通信機」である。
亜空間を介した魔導通信であれば、リアンに見つかる心配もなかった。
「シリス。頼みがある。「エクリプシア」という店の三階の右から二番目の部屋に待機していてくれ。証拠能力が高い方がいい」
「他でもない、貴方の頼みだから、手を回すけど、何をする気?」
「失敗するかもしれない」
レイのその言葉の意味を、シリスは理解したようだった。
「……わかったわ。私は、まだ知らない方がいいわね。御父様たちには、奴隷を使用人に迎えたいとでも言って、ついてきてもらうわ」
エクリプシアの三階の右から三番目の部屋。
その扉が、慎重に、そして迅速に開かれた。
「……クロム、観念しろ。貴様はもう用済みだ……」
店員の制服を纏った刺客が、毒を塗った短剣を手に踏み込む。
その後ろには、同じく殺気を押し殺した五人の男たち。
「抵抗するなよ。苦しませずに—―」
言いかけた刺客の言葉が言い終えずにとまる。
「な……なぜ!?」
そこに座っていたのは、クロムではなかった。
「……苦しませずに、どうするつもりだ? 申してみよ」
ルーヴィンス王やシリス、アーノット、カリスティア第一王女やリーゼロッテ王妃、第二王子ヘンリクら、王族たちの姿だった。
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cf.)F:1~20 E:21~50 D:51~90 C:91~150 B:151~220 A:221~260 S:261~300
【今話の極小情報:】ステータス編に戻りまして、今回も、読者の皆様が忘れていらっしゃると思い、お節介を少し。
今回、ご紹介するのは、エル(ローヌ村)とサリア(ローヌ村)のステータス。一応、二人の初登場は#23の「ニーナに風の読み方を教わるエル」、「ローヌ村の魔力持ちの一人サリア」として登場しております。現在、二人は、なんとビサ村警備隊の総帥リーンの直属部隊に特例で入隊しており、大活躍&大成長中です!
エル:【名:エル 年齢:10】【MP:2000】【ステータス】武力:200.B(240.A) 知力:200.B(260.A) 統率:110.C(160.B) 政治:100.C(150.C)【サブステータス】兵法:180.B(200.B) 馬術:140.C(160.B) 陸戦:180.B(200.B) 海戦:180.B(200.B) 工作:160.B(200.B) 諜報:110.C(160.B) 農耕:140.C(160.B) 商業:160.B(180.B) 建築:170.B(180.B) 成長:230.A(250.A) 忠誠:100【固有スキル】--【スキル] 剣術(B) 体術(B) 探索(B) 風魔法(B)
サリア:【名:サリア 年齢:17】【MP:1500】【ステータス】武力:210.B(250.A) 知力:230.A(230.A) 統率:200.B(210.B) 政治:100.C(100.C)【サブステータス】兵法:210.B(220.B) 馬術:200.B(200.B) 陸戦:210.B(210.B) 海戦:180.B(200.B) 工作:120.C(130.C) 諜報:150.C(180.B) 農耕:100.C(150.C) 商業:100.C(150.C) 建築:130.C(160.B) 成長:170.B(190.B) 忠誠:100【固有スキル】--【スキル] 体術(B) 投擲術(B) 探索(C) 付与魔法(C) 雷魔法(C)
【お読みいただきありがとうございます!】
次話は、クロムの描いたシナリオが!!
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ふっと二言:「投稿遅れてしまい、申し訳ないです。次は、12時~14時の間に投稿します!さて、皆様には、なぜ、クロムがキールを連れて行ったのか、お分かりになりましたでしょうか?恋人……という線もありますが、もう少しだけ、深い理由があります、実は。—―引き続き、応援・お付き合いのほど、よろしくお願い致します!」




