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#22:すごいことになってるだべぇ

~ブクマ、増加、感謝です!!~

「評価・ブクマ・感想・リアクション等、引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします!!」

【前話のあらすじ:シレハ村を改築し、『天下』獲りの礎を築いたレイ。次なる目的地は、「北」であった....】

シレハ村が「奇跡の七日間」を経て、白亜の要塞都市へと変貌を遂げてから数日。  

レイは休息を取ることなく、次なる目的地へと向かっていた。

彼が工作(S)で仕立てた魔導馬車は、サスペンションに現代の「セミアクティブ・サスペンション」の理論を採用している。

路面の凹凸を魔導センサーが読み取り、瞬時に「形状記憶魔石」の硬度を変化させて振動を打ち消す構造だ。


車窓から流れる北の荒野を眺めながら、レイは、隣に座るニーナ、ロブ、シア、そしてガストンに、設計図を広げて見せた。

「シレハ、ビサ、モントス。この北の三村は、フィルス大村の村人たちが頻繁に利用できるようにする。シレハが兵站、ビサが実戦、モントスが休息。これらを『ハブ・アンド・スポーク』理論で繋ぐ。つまり、中央のハブ(シレハ)から、各拠点へと資源を最短距離で供給する物流システムをつくるということだ」


ほどなくして馬車が止まる。

そこには、二人の村長が待ち構えていた。  

巨躯を揺らす巨人族の男、モントス村の村長のヴォルター。

そして、鋭い眼光を放つエルフの女性、ビサ村の村長のリーンだ。

「レイ、待ってたべぇ。シレハの話は聞いてるだぁ。すごいことになってるだべぇ」  

ヴォルターのおっとりとした声が、地響きのように響く。

「そうね。貴方の判断は、理に適った判断だわ。……始めましょうか」  

リーンが短く、冷静に応じた。


最初に着手したのは、黒岩の森に、村の大部分が隣接するビサ村。

レイはこの村の防壁に、現代の「ハニカム構造」を導入した。

正六角形を隙間なく並べることで、最小の資材で最大の強度と衝撃分散能力を得る幾何学理論だ。


「リーン、ビサの村人たちには、この正六角形の石材の積み上げをお願いしたい。俺が魔法で分子結合を制御する」

「貴方が言ってる言葉の意味はわからないけど、貴方に従うわ....」


リーンの号令で、ビサ村の精鋭たちが次々と動いていった。  

力自慢の男、ゴメスとドランが、レイが工作(S)で切り出した特殊な石材を運んでいく。

「重てぇが、この形、ピタッとはまって気持ちいいぜ!」

「次、いくぞ!」「おうよ!」


レイは地面に掌を突き、現代の「熱可塑性樹脂」の理論を土魔法と建築スキルに応用した。

「――母なる大地の記憶を熱へと変え、秩序の型へと流し込め!—―建築(アーキテクト)!!」


石材の継ぎ目が一瞬だけドロリと溶け、完璧な一体成型へと変わる。  

そこに、ビサ村で一番の魔法工作士のミラが加わった。

「レイ大村長、ここに私の『魔法』を組み込めば、衝撃を熱に変換できるかしら?」

「ミラさん、最高です。それが現代の『衝撃吸収装甲』の理屈です。お願いします!」


ミラは精神を集中し、防壁の芯材へと魔力を流し込む。

「――網目成す秩序の糸よ、鉄壁の意志を繋ぎ止めよ!—―回路接合(サーキット・ジョイント)!」


さらに、村の若き射手、カイルは監視塔に配置された。  

レイは彼に、現代の「弾道計算機」の概念を魔法化した「魔導照準器」を渡した。

「カイル、これは風速、湿度、重力を瞬時に計算して、矢の軌道を補正する。エルフの直感に、数学的な確実性を加えるものだ。無論、君たちにはいらないかもしれないが....」

「いや、俺らもそんな万能じゃねぇよ……さてと.....って....見える、見えるぞぉ!!数キロ先の魔物の表情すら……! イケるぜ!!――風の精霊よ、真理の導きに従い、必中の軌道を刻め!—―風霊必射(デッド・ショット】!」

カイルの放った矢が、精霊魔法を伴って、遠くのワイルド・ボアを寸分違わず射抜いた。

ビサ村は、単なる村から、システムとして機能する「精密要塞」へと進化した。


四日目、一行はモントス村へとむかった。  

レイはここに、現代の「ヒートポンプ」と「流体力学」を導入した。

効率的な熱交換を行い、源泉の温度を一定に保つための工学理論だ。


モントス村は、地下に熱源をもち、さらに地下水を豊富に含んだ、”ヒビ”のある土地が多く存在していた。

そして、この土地の4割がモントス村の村人が使用している土地であり、残りの6割は、未開拓であった。


「ヴォルター、計画としては、今、モントス村が使っている土地、4割に加えて、2割の土地、つまり、計6割の土地を、僕たちだけが利用する。そして、残りの4割の土地を観光客用に温泉街兼食事処として開放する。資源は共通ですが、管理は完全に分離するつもりだ」

「おぉ、二つ作るだなぁ? 難しそうだけど、おらも頑張るだべぇ」


ヴォルターはその巨大な掌を岩盤に当てた。

「――山よ、眠りから覚め、人の憩う形を成せ!地命の(アース・シェイプ)!」


ヴォルターの魔法で削り出された巨大な露天風呂に、ロブが工作(S)で作った「多孔質セラミック」のパイプを敷設していく。

これは現代でいうところの「濾過システム」だ。


「レイ様、パイプ内に『乱流』を発生させる突起を設けました。これにより、湯が淀まず、常に新鮮な魔力が循環します」

「よくやった、ロブ。流体力学の基本を修得したようだな」


ロブは、大きく頷くと、水魔法を放った。

「――流れる水は命の動脈、導きの水よ、万物を潤せ!水質操作(アクア・マニピュレート)!」


観光エリアの食事処では、村の女性のまとめ役の、マルタと、その娘サリナが、レイの持ち込んだモノに驚いていた。

「レイ坊、この『真空パック』ってのはすごいねぇ。肉の味が逃げないよ!」

「それは『浸透圧』を利用して味を染み込ませているんです。低温でじっくり火を通せば、高級店の味になりますから」


一方、村の熟練石工、マルコは、村人専用の”裏モントス”と観光客用の”表モントス”の境界にそびえる、関門の施工に心血を注いでいた。

「レイ大村長、この奥の院への関門、ネックレスがないと『ただの岩壁』に見えるように、光の屈折率を調整したぜぇ!どうだ?よくできてるだろぉ?」

「流石です、マルコさん。『光学迷彩』と同じ理屈ですね。助かります!!」

「『高額明細』??お金のことはわからねぇが、まぁ、任せなって!!」

マルコはノミを振るい、魔法を込める。

「――光よ、欺きの衣を纏い、真実を闇に葬れ!隠蔽彫刻(ステルス・カーヴィン)!」


入口には、レイが工作(S)で作り上げた「魔導記録機」が設置された。

これは現代の「生体認証」と、守護のネックレスに記録された「個体識別信号(UID)」を照合するシステムを付与してある。


七日目の朝。  レイはビサ村とモントス村の中心点に立ち、精神を研ぎ澄ませた。  

現代の「ネットワーク・トポロジー」を魔法的に再現し、五つの村のインフラを一つに束ねるためだった。


「――繋がれ道よ、五つの鼓動を一つに。……守りし絆、永遠の守護をここに!—―『秘匿輸送専用路アストラル・ロード』!」


激しい閃光と共に、地下を走る「光魔ファイバー(魔力を光信号として送るレイの特製品)」が接続された。  

シレハの『魔力集積塔マナ・タワー』から送られる魔力が、ビサの要塞壁を強化し、モントスの温泉の温度をミリ単位で調整していく。    

さらにレイは、地下に「物流コンベア」を設置した。  

現代の「自動倉庫(AS/RS)」の概念を応用し、シレハで創られた食品が、数分でビサの兵士の朝食として届くシステムだ。

原理としては、大気中にある魔力が、食品の魔力の波長を個別に読み取り、整理・整頓したうえで、亜空間に保存する。

この亜空間から、対象が特定の食品を欲した場合に、『秘匿輸送専用路アストラル・ロード』に満たされる魔力が、対象の欲する食品を、魔力の波形から読み取り、対象の元へ、運搬する。


さて、その日の午後。ビサの「地下密議場」。  

厚い魔法障壁に囲まれた、現代の「SCIF(機密情報隔離施設)」を模した部屋。


「では、今日から、治安維持部隊の運用を開始する。ビサを治安の要とし、モントスの観光客に紛れ込む他国の密偵や反乱分子を、この『全方位型魔導レーダー』で見極めたうえで、処理してください」

「わかったわ。ケヴィンの狙撃班と、ミラの探知班を交代制で動かすわ。……これだけの情報量があれば、敵は指一本動かせないわ」

リーンが微かに笑みをこぼす。  

ヴォルターは、レイが現代の「パワードスーツ」の理論を革鎧に応用した、超軽量かつ高剛性の防具を身に纏い、力強く頷いていた。

「おらも、モントスの平和を乱す奴は、この腕でつまみ出すだなぁ」

「お願いします。……一年後、この村々を公開する時、世界は、僕たちが創り上げた『天下の楽園』の前に、羨望の眼差しを向けることでしょうから....」


翌朝、レイたちの魔導馬車は、次なる目的地――南の流通拠点、ガラムとローヌへ向けて準備を整えていた。


「レイ、これはぁ、モントスの温泉卵を、レイの言っていた、『燻製理論』で仕上げた一品だべぇ。おいしいだよぉ」

「ふふっ、ありがとう、ヴォルター」

「……レイ。次へ行くのね。……油断はしないで。南は、北よりも『癖』があるから....」

リーンが、一瞬だけレイの肩に手を置き、静かに告げた。


「ええ。……ですが、この大村を真に自立させるためには、南の協力もまた、必要ですから....」

レイが馬車に乗り込むと、ニーナたちも、席についた。  


「北は完成した。次は……『南』を獲りに行くぞ!」


朝陽に照らされた馬車が、南へと走り出す。  

背後では、幻惑の霧に包まれて沈黙する「精密要塞」ビサと、古風な美しさを保ちながら、現代的な効率性で賑わい始めた「癒やしの窓口」モントスの灯火が、レイの掲げる「天下」の礎として、静かに、力強く輝いていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【今話の極小情報】:レイが導入した法と技術について ~Part2~

・密議の間:ビザ村に設置された、隠蔽を極限まで施された部屋。軍議や村長会合等、秘匿性の高い会議に使用される。

・ハニカム構造の防壁:自然界で最も安定した六角形を組み合わせることで、一箇所の破壊が全体に波及するのを防ぐ「フェイルセーフ」の設計思想が取り入れられている。

・ヒートポンプ温泉:大気中や地中のわずかな熱を集め、魔法で増幅して利用する。これにより、源泉の枯渇を防ぎつつ、二十四時間一定の温度を保つ。

・治安維持の法:ビサ村に設置された「魔導記録機」のデータは、シレハの中央管理室で一括管理される。不審な魔力反応が検知された場合、即座に大村全体の警報が作動する「セキュリティ・プロトコル」も策定済み。

・労働環境の整備:現代の「ワークライフバランス」を導入。モントスの温泉施設は、労働者のメンタルヘルスケアを目的とした公的施設としての側面も持つ。

・『全方位型魔導レーダー』:複数の対象を同時に鑑定し、その情報から、敵国の者を特定する。


【お読みいただきありがとうございます!】

次話は、内政チート第三弾!!

~高評価やブックマーク、感想・リアクション等いただけるとありがたいです!~ 

ふっと二言:「レイは『建築A(S)』でわずか数分で建物を建てますが、筆者はキーボードを一文字ずつ叩いて建てるしかありません。私の指にも、執筆速度を制御するスキルが宿ってほしいものです……。そういえば、裏設定で、レイは温泉の石の角度を0.1度単位で指定して、石工のマルコさんを半泣きにさせてたりします。こだわりが強すぎるリーダーも大変だべぇ。。。」

――――――――【他作品も全力執筆中!】

更新をお待ちいただく間に、こちらの作品もご一読いただけると幸いです!


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