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#13:村に収まっていたのも今日までだ...

リアクション、感謝です!!

本日の投稿、最後となる#13です!

ここまで、お付き合いいただき、ありがとうございます!

明日も、お付き合い、よろしくお願い致します! 明日から、『新しい異世界作品』を投稿予定です!そちらもぜひよろしくお願いいたします!!

【前話のあらすじ:ついに、村の内政を完成させたレイ。レイの目は外に向けられていた....】

シレハ村の道は、依然として土のままだ。

しかし、ムギ畑と同じように、その土はレイの土魔法によって完璧な排水機能を持たされており、雨が降っても泥濘ぬかるみむことはなく、常に馬車の運行を妨げない硬度を保っている。

村人の服も、相変わらず素朴な麻や羊毛だった。

しかし、その繊維には防菌と保温の魔法陣が極小の刺繍として組み込まれており、病魔を寄せ付けず、厳しい冬の寒さからも彼らを守っていた。


そんな「平和で殺風景な村」を揺らす、不快な雑音が近づいていた。

「おい、こら! 村長を出せ! シレハのウスノロ共が、どこに隠れてやがる!」

村の入り口。

三台の馬車と、十名ほどの武装した男たちが乗り込んできた。

先頭で声を荒らげているのは、隣村であるガラム村の大村長、バドスであった。

バドスは肥え太った体を揺らし、安物の、成金趣味な金飾りのついた服を誇示するように胸を張っている。

彼の背後には、この界隈では「腕利き」で通っているCランク冒険者のパーティーと、私兵たちが控えていた。


ガラム村は、シレハ村とは対照的に、古くから肥沃な土地と王都への街道を抑えてきた比較的、裕福な村だ。

歴代の大村長は、シレハ村を「困窮した際に行き倒れるだけのゴミ捨て場」として見下し、時には不当な安値で食料を買い叩いてきた。

今や、バドスの瞳には、隠しきれない強欲と疑念が渦巻いていた。

「……報告通りだな。見た目は相変わらずのボロ村だ。だからこそ、おかしいだろう?何が『去年の税を滞納分含めて全納した』だ。あんな端金も払えなかった連中が、どこからそんな大金を手に入れた?」

バドスは、村の入り口で作業をしていた一人の青年に詰め寄った。

その青年は、レイから「身体強化」の基礎を叩き込まれた若者の一人だった。

「おい、貴様。シレハの村長はどこだ。それとも、あのガキ……レイと言ったか? あの不気味なガキを呼んでこい。この俺が直々に『裏帳簿』の中身を検閲してやる」


青年は、手に持っていた農具を置き、ゆっくりとバドスを見返した。

「……レイ様に、お前の名前を告げる価値はない」

「……何だと?」 バドスの顔が、怒りで赤黒く染まった。

「田舎の百姓が、この俺に向かって……! おい、やれ! 少し『教育』してやれば、隠し場所を吐くだろうよ!」

バドスの合図で、後ろに控えていたCランク冒険者の男が前に出た。

男は腰の剣を抜き放ち、嘲笑を浮かべながら青年の肩に手を置こうとする。

「悪く思うなよ、小僧。世の中には触れちゃいけない序列ってのが――」

冒険者の男が言葉を終える前に、青年の姿が揺れた。

「がっ……!?」

冒険者の男は、自分が何に打たれたのかすら理解できなかった。

青年の拳が、男の鳩尾を正確に貫いていた。

鎧の上から放たれたはずの一撃は、内部の衝撃波を一切外に逃がさず、男の意識を瞬時に刈り取った。

屈強な冒険者が、ただの農夫の一撃で、糸の切れた人形のように泥の上に崩れ落ちたのであった。


「な……ッ!? 貴様、何をした!」 バドスが絶叫する。


残りの私兵たちが一斉に武器を構えた。 だが、彼らが次の一歩を踏み出すことはなかった。

「俺の庭で、随分と騒がしいな……」


村の奥から、一人の少年が歩いてくる。

レイであった。

彼の歩みに合わせて、周囲の空間が重みを増していく。

レイが歩くだけで、周囲の気圧が重くなっていく。

「レ、レイ……! 貴様、この冒険者に何をした! これは王国に対する反逆だぞ!」

バドスは震える指でレイを指差すが、レイはその指を一瞥するだけで、さらに一歩踏み出した。

「反逆、か。非効率な言葉だな。ここは俺の領地だ。俺がすべてを決定する」

レイは、ゆっくりと、バドスの目の前まで歩み寄った。

「ガラム村のバドス。お前がここに来た理由は知っている。『諜報』に金をかける余裕があるなら、もう少し自分の首が繋がっているかどうかに気を遣うべきだったな」

「な……何を……」

「お前が王都の税務官に贈賄し、シレハ村の土地を二束三文で買い取ろうと画策していた件だ。……残念ながら、その税務官は昨夜、俺の『協力者』の手によって、一生太陽を拝めない場所へ移動してもらったよ」

レイの言葉に、バドスは顔面蒼白となった。

レイはすべてを見透かしていた。


「さて。ゴミ掃除は一年前で終わらせたかったのだが……。シア、例のものを」

「はい、レイ」

シアが差し出したのは、一本の小瓶。中には、銀色に光り輝く液体が満たされている。

「星屑のアストラル・ドロップ。王都の貴族たちが喉から手が出るほど欲しがっている奇跡の薬だ」

レイはそれをバドスの目の前で弄んだ。

「お前が欲しがっていた豊かさの正体はこれだ。……だが、これをお前にやるつもりはない。お前には、別の役割を与えてやる」

「や、役割…ですか…?」バドスの声は恐怖に駆られていた。

「宣伝だ。ガラム村に戻り、周辺の村々、そして王都へ向かう商人に触れ回れ。シレハ村には、死者をも蘇らせる神の雫があり、それを守る『絶対的な暴力』が存在すると」

バドスは理解できなかった。


レイの手が、バドスの肩に置かれた。

その瞬間、バドスは全身の水分が凍りつくような悪寒に襲われた。

少しだけ氷魔法の魔力を流し込んだだけであった。

「ひい……っ! ひいいいいいいいっ!」

バドスは、失禁しながら地面を這いずり回った。

「あ、ああああ……助けて、助けてくれ……!」

「安心しろ、殺しはしない。死体は言葉を喋らないからな。……行け。シレハ村の名を、その汚い口で世界に広めてこい」

レイが手を離すと、バドスは私兵たちも見捨て、無我夢中で馬車に飛び乗り、逃げ去っていった。

残された私兵や冒険者たちも、青年の拳一つで制圧された事実を前に、武器を捨てて逃げ出していった。


静寂が戻った村の入り口。 レイは、逃げ行く馬車の土煙を無感情に眺めていた。

「レイ。本当に良かったの? 隠蔽を解いてしまったら、これからもっと面倒な奴らが来るわ」 シアが心配そうに問いかける。

「問題ない。そろそろ、天下を獲りにいこうと思っていたからな...村に収まっていたのも今日までだ...」


【 お読みいただきありがとうございました!】

「ここをもっと詳しく知りたい!」「このキャラが好き!」などの感想、いただけると嬉しいです!

まだの方は、ぜひ【ブックマーク】と【評価(★)】で応援してくださると執筆の励みになります!

ふっと二言:「極小情報がついに極小すぎて、なくなりました....極小なので、また先々で、復活させる予定です...」

明日もまた、よろしくお願いいたします! また、明日から、新しい「異世界作品」を投稿予定です!

そちらも、どうぞご一読くだされば、幸いです!!


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