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12/18

#12:meは内世界を完成させていた....

【前話のあらすじ:シレハ村に迫りくる盗賊を、村人たちと共に一掃したレイ。それから月日は流れ....】

一千二百名の「ゴミ」を土に還してから、ちょうど一年が過ぎていた。

シレハ村と国境の間にある「黒岩の森」は、今年も変わらず深い緑を湛え、時折吹き抜ける風が木の葉を軽やかに揺らしている。

村の入り口に立てば、そこにあるのは一年前と何ら変わらぬ、素朴で、どこか古めかしい開拓村の風景だ。

建ち並ぶ家々は、相変わらず木材を組み合わせた質素な造りであり、道もまた、石畳で着飾るような真似はしていない。

踏み固められた土の道が、村の至る所に黙々と続いている。

しかし、それは、あくまで「見た目」である。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

「……ふぅ。九百九十八、九百九十九……。よし、これで、一千本目....」

村の西側、深い木々に隠されるようにして存在する「聖域」。

レイは、最後の一本の「銀鈴草ぎんれいそう」を、自身の魔力で最適化された土壌へと植え終えた。

銀鈴草。

その名の通り、銀色の小さな鈴のような花を咲かせるこの植物は、この世界において「死の誘惑」とも呼ばれる、強力な麻痺毒を含み、かつ採取の瞬間に周囲の魔力がわずかでも乱れれば、一瞬にしてその薬効成分を霧散させ、ただの枯れ草に成り下がる。

無論、他の人間にとっては、強力な麻痺毒を持ち、幻覚の類を及ぼす、”害草”であり、忌避すべき”モノ”とも言えた。

しかし、このシレハ村、特にレイにとっては、貴重な”特産品”であった。


銀鈴草は、この村にしか生えないことは、この村近辺では有名な話で、それゆえに、この村に寄りつく人は皆無であり、”取り残された”村人だけが、納税に四苦八苦しながら暮らしていた。

しかし、この1年で村の内情は様変わりしていた。

村の外装になんら変化が見られないため、隣村は不思議がっているようだったが、去年の税をシレハ村は楽々、納税した上に、滞納していた分も納税することに成功していた。

無論、王都の税務官たちは、根が腐っているので、納税さえすれば、村の実情などお構いなしである。

この要因も相まってか、シレハ村は、この1年、誰にも知られずに羽を伸ばしていたのであった。

F:1~20E:21~50D:51~90C:91~150B:151~220A:221~260 S:261~300

レイや村人たちも、この1年で鍛錬を重ねたことで、村の自衛能力も更に上がっていた。

—―—――――——―—

【名:レイ 年齢:15】【MP:2000】【ステータス】武力:250(A) 知力:270(S) 統率:280(S) 政治:230(A)【サブステータス】兵法:280(S) 馬術:160(B) 陸戦:240(A) 海戦:100(C) 工作:290(S) 諜報:225(A) 農耕:240(A)  商業:240(A) 建築:170(B) 成長:300(S) 忠誠:--【固有スキル】才成覚醒(ダブル・アウェイク) 覇道共振ロード・レゾナンス【スキル] 剣術(S) 槍術(S) 弓術(A) 体術(S) 投擲術(B) 火魔法(A) 水魔法(S) 土魔法(S) 聖魔法(A) 氷魔法(S) 付与魔法(A) 亜空間魔法(A) 鍛冶(B) 錬金(A) 調理(S) 探索(A) 隠蔽(A) 鑑定(S)。

—―—――—――—――

「……鑑定(S)による地脈の観測。土魔法(S)による成分固定。そして水魔法(S)による魔力水の循環。……効率は、当初の想定を15%上回った....」

レイは泥のついた手を払い、立ち上がった。

向こうに見える畑は、一見するとただの麦畑に見えた。

しかし、その実、その土の下にはレイが構築した複雑な魔導回路が張り巡らされ、常に土壌の大気に浮遊する魔力が、魔導回路に沿って、魔力を供給している。

結果、シレハ村の収穫量は、周辺の村の五倍を超えた。

それも、ただ量が多いだけではない。

一つ一つの作物が持つ栄養価、そして微弱ながらも体力を回復させる「薬効」に近い力までもが、レイの魔道回路によって成されていた。

そして、無論、五倍の収穫量は等倍ちょっとの収穫量に隠蔽され、残りはすべて、村の倉庫に保管されていた。

といっても、村の倉庫というのは、中が亜空間になっていて、さらに隠蔽が施されていることから、村人が魔力を制御した状態で、波長を一定にしなければ、亜空間は開かず、ただの小屋になるのであった。

さらに、村の亜空間を開けるには、レイの許可が必要であり、シレハ村の本当の収穫量がバレることはなかった。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

「レイ。またそんなところで、一人で難しそうな顔をして」

背後からかかった声に、レイは表情を緩めることなく振り返る。

そこにいたのは、シアだった。

彼女もまた、この一年で驚くほどの成長を遂げている。

戦闘こそ専門外であったが、その頭の回転の速さから、ゼノが立ち上げたアストラル商会の補佐を時々しているようだった。


「シアか。銀鈴草の定植が終わった。これで王都への供給量ラインが安定する」

「よかったぁ、きっと、お兄ちゃんも喜ぶわ。そうだ....!お兄ちゃん……ゼノからの手紙、預かってるわよ。王都の『アストラル商会』は、今や貴族の間で知らない者はいないって。特製ポーションの『星屑の(アストラル・ドロップ)』、一瓶で金貨三枚でも飛ぶように売れるんですってね。……笑っちゃうわ。あんなの、私たち、毎日、飲んでるのに....銀鈴草から創られるって知ったら、きっと卒倒するじゃないかしら....?」

シアが可笑しそうに笑った。

ゼノ。

一年前、借金まみれの落ちぶれ商人だった男は、今や王都でも指折りの有名な商人へと成りあがっていた。

レイが作り上げた「星屑の(アストラル・ドロップ)」。

それは、レイにとっては銀鈴草の抽出滓かすを利用した副産物に過ぎない。

だが、一般のポーションが「傷を癒す」程度であるのに対し、レイのそれは「細胞そのものを活性化させ、魔力の循環を正常化させる」という、医術の域を超えた代物だった。

端的に言うと、疲労回復兼一時的強化薬のようなものである。


「ゼノには伝えてある。価格を上げるな、供給を絞れと。飢えさせることが、最も効率的だからな...」

レイの言葉は冷徹だった。

彼はこの一年、自らのステータスを上げるだけでなく、村全体の自衛能力をはじめとした生活も改善させていた。

かつては冬を越せるかどうかで怯えていた老人たちは、今や毎日新鮮な肉と、レイが改良した滋養強壮に効く「ただの麦」を食べ、十年前よりも若々しくなっているようにさえ見えた。

村の若者たちは、農作業の合間にレイから授けられた「物理魔法」の基礎訓練を欠かさず、その実力は、王都の精鋭騎士団が十人がかりでようやく一人を止められるかどうかという領域に達しつつあった。

すべては、レイという「核」を中心とした、静かなる覇道の準備であった。

「……でも、レイ。最近、村の周りに妙な奴らが増えてるわ。ガストンが言ってた。森の奥で、王国の紋章を隠した偵察兵を見つけたって」

「だろうな。ゼノがこの村に来ていたことはいずれバレる。それに、いくら隠蔽しても、村人たちの表情や雰囲気までは隠せないからな....」


村の見た目が変わっていないのは、レイによる高度な計算の結果だった。

もし家々を石造りに変え、噴水を設置し、豪華な装飾を施せば、それは外部に対する明らかな「異常事態」の宣言となる。

王都の徴税官は、それこそ目を輝かせ、腐敗した貴族たちは権利を求めて押し寄せ、近隣の飢えた村々は略奪の対象としてこの村を狙うだろう。

それはレイが最も嫌う「非効率」だった。

隠蔽いんぺい」とは、単に姿を消すことではない。

存在するものを、存在する価値がないように見せかけることだ。

それをレイはわかっていた。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—

今話の極小情報:覇道共振ロード・レゾナンスについて。「固有スキル」というのは、生まれつき、極小確率で備わっている、個人固有のスキルである。しかし、稀に、後天的に獲得する場合がある。さて、レイが気づいたら習得していた、この覇道共振ロード・レゾナンスの効果の説明を早速.....

覇道共振ロード・レゾナンス:自身と自身を敬っている者、すなわち、忠誠心が95以上の者にのみ適用される。適用者・被適用者の才能・能力・成長速度が飛躍的に上がり、肉体的・精神的疲労を感じにくくする。

—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—―—


【お読みいただきありがとうございます!】

次話は、シレハ村が外部に....!!

~高評価やブックマーク、感想等いただけるとありがたいです!~ 

「ふっと二言:レイがそろそろ、化け物になってきました.....いつ大村長になるんだ?いつ天下に出るんだ?ともどかしく思っている読者の方々がいらっしゃいましたら、もう少しお待ちを....もうすぐきますので....」

――――――――【他作品も全力執筆中!】

更新をお待ちいただく間に、こちらの作品もご一読いただけると幸いです!

・『自分』と『推し』のために暗躍する無能(偽)な護衛

【無双×悪役令嬢×暗躍×チート×恋愛】 → 悪役令嬢の護衛でありながら、別の「推し令嬢」を救うために裏で無双する暗躍劇です!

・『【武の極致】と【フェンリル】の力を以て、三つの世界で覇者となった俺』

【戦×無双×成長】 →天下を争う軍記モノです!※後々、魔法や異世界系に変わっていきます!

・『生涯、病室だった俺、異世界で自由な体を手に入れたので、天下を獲ることにした』

【戦×無双×成り上がり×領地経営×魔法】 → 成り上がり無双譚です!

⇧※本作です。これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

 


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