#11:では、ゴミ掃除に行こうか……
ブックマークありがとうございます!今後も精進して参ります!!
【前話のあらすじ:一介の商人、ゼノと共に村に帰還したレイ。そんな折に、村には、一千人規模の盗賊が迫りくるのであった...】
【......の一言:「#10まで投稿し、いざ読み返してみると、誤字・脱字等ありましたので、修正しました....申し訳ないです...皆様の温情に感謝です。特に、"名前"....まさかのミスでした....」】
これからも、精力的に執筆して参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします!!
「――レイ様! 正気ですか!? 相手は一千二百、対するこちらはわずか三十名……。いくら彼らが強くなったとはいえ、数には限度というものがあります! 今すぐ村に籠城し、王都に早馬を――」
ゼノが、その鋭い知性をかなぐり捨てるように叫んでいた。
王都でレイが放った「常識を捨てろ」という言葉。
それを理解したつもりでいたゼノだったが、いざ目の前に突きつけられた「一千二百 vs 三十」という絶望的な数字の前では、商人の計算式はエラーを吐き出すしかなかったようだ。
「お兄ちゃん、うるさい」
そんなゼノの隣で、シアが冷めた紅茶を啜りながら、呆れたように言い放った。
彼女は、混乱する兄とは対照的に、どこまでも冷静だった。
「レイが『掃除だ』って言ってるんだから、そうなんでしょ。お兄ちゃん、そんなに騒ぐと喉枯れるよ?」
「シア、お前……! 怖くないのか!?俺は怖いぞ!!商会を世界一にするまでは死にたくないんだ!!」
「だって、レイの横にいる方が、安全そうだもん。そんなに心配なら、ついてけば?」
シアは、隣で不敵に微笑むレイを見上げた。
レイは、ゼノの混乱を無視すると、黒岩の森の方向に視線を向けた。
「村を戦場にするのは面倒だな。農地が荒れるし、家を直す資材も馬鹿にならない。こちらから出向くか……」
「そ、それだけのために、敵の本陣へ乗り込むと……?」
ゼノの言葉は、風に流されていった。
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レイは、整列した三十人の村人たちの前に立った。
そこにはニーナ、ロブ、ガストン、そして地獄の半年間を生き抜いた精鋭たちがいた。
彼らの瞳には、かつての農夫としての卑屈さは微塵もなく、そればかりか、己の強さを試してみたいという、狂気的な熱気をはらんでいた。
レイは、静かに、村全体に響き渡る声で告げた。
「――いいか。これからお前たちがやるのは戦ではない。ただの『掃除』だ。邪魔者をささっと掃いて、愚か者はザバッと捨ててくる。それだけに終始しろ!....では、ゴミ掃除に行こうか……」
「「「「おう!!」」」」
大地を揺らす咆哮と共に、三十人の影が森へと消えていった。
その後に続くレイの足取りは、まるで散歩にでも出かけるかのように軽やかだった。
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黒岩の森。
そこには、周辺の盗賊が、まるで”ギルド”のように連合した「一千二百の暴力」として存在していた。
彼らは確信していた。
あんな辺境の小村など、一晩で蹂躙し、女は攫い、略奪し尽くせると。
「ヒャッハハ! 偵察によれば、村の連中がこっちに向かってきてるらしいぜ! たった三十人でよ!」
「自殺志願者かよ。適当に矢の雨を降らせて、残りはなぶり殺しだ!」
賊たちが下卑た笑い声を上げる。
だが、その笑いは、突如として天から降り注いだ「雨」によって凍りついたようだった。
「――《天に遍く流転の理よ、我が呼び声に応えよ。 形なき蒼を束ね、雨にあらぬ雨と成せ。 柔き身に貫く意思を与え、 天より降れ、水の槍。 我が敵を穿て》 ――天水穿槍」
おどおどしながらも、力強いロブの声。
次の瞬間、夜空の雲が不自然に凝集し、数十本の「水の槍」が形成された。
それは普通の魔法とは違った。
レイに教えた、水素と酸素の結合角104.5度を極限まで固定し、流体としての柔軟性を失わせ、ダイヤモンドに匹敵する硬度を与えたいわば、”物理的な杭”だった。
ドスドスドスドスッ!!
「ぎゃあああっ!? なんだこれはっ!」
「水だろ!? なんで水で盾が貫通するんだよっ!」
水分子の超高速運動と質量攻撃の前に、粗悪な鎧など紙同然だった。
一撃ごとに、盗賊たちが地に伏していく。
「な、なんだ!? 敵はどこだ!?」
混乱する賊たちの中心で、今度は少女の声が響く。
「――《遍く風の理よ、我が呼び声に応えよ。 流れ、重なり、渦となれ。 逃げ場なき円環を描き、 天と地を繋ぐ刃と成せ。 吹き上げよ、滅びの旋風。 我が敵を砕き、呑み散らせ》 ――風天壊渦」
ニーナが両手を広げた瞬間、砦の周囲の気圧が急激に変動した。
大気が悲鳴を上げ、巨大な真空の渦が発生する。
それは単なる風ではなかった。
ルークの教えた、一万ヘクトパスカルを超える圧力差が生み出す「吸引力」と、流体の粘性を利用したいわば”不可視の竜巻”であった。
「吸い込まれる……助けてくれっ!」
絶叫と共に、数十人の盗賊たちが宙に舞い、旋回する真空の刃によって虚空のかなたへと消えていく。
そして、逃げようとする者たちの背後には、巨大な「壁」が立ち塞がった。
「――《遍く地の理よ、我が呼び声に応えよ。 眠れる大地よ、目覚め、立ち上がれ。 守りにあらず、逃げ道にあらず。 迫り、重なり、終焉の檻となれ。 閉ざし、押し潰し、我が敵を地に還せ》 ――地圧封壁」
ガストンが地面を叩く。
結合エネルギーを自在に操られた土壌が、まるで生き物のように隆起し、巨大な半球状の檻を形成した。
逃げ場を失った盗賊たちは、迫りくる土の壁に文字通り「圧殺」されていく。
「ば、化け物だ……! あいつら、人間じゃねえ!」
一千二百もいた盗賊たちは、開戦からわずか数分で、その半分以上が「物理現象」の犠牲となっていた。
他の村人たちも次々と、盗賊たちを伸していく。
そして、 砦の最奥、震える盗賊首領の前に、一人の少年が降り立っていた。
彼は、冷徹な瞳で首領を見下ろした。
「……お前が、このゴミ溜めの責任者か?」
「ひ、ひいっ! 魔法使いか!?い...いくらでも出そう....!! 貴様、いくら積めば助けてくれる!? 金か? 女か?」
首領は腰を抜かしているのか、どうやら、動けないようだった。
「残念ながら、ゴミの管理はお前の仕事だ....最後まで責任をもって、全うしてくれ...」
レイは、優雅に右手を掲げた。
周囲の温度が、一瞬にして、絶対零度へと近づいていった。
「――《遍く氷の理よ、我が呼び声に応えよ。 熱を奪い、時を止め、 その身を静寂に封ぜよ。 凍てつく檻を成し、 砕くために、完全なる静止を与えよ。 解け、瞬け。 粉と成れ。 我が敵を砕き、晶として散れ》 ――氷晶瞬壊」
レイの言葉と共に、首領の体が足元から透明な氷へと変わっていく。
それは細胞内の水分子の振動を完全に停止させ、瞬時に結晶化させる究極の冷却であった。
氷の中に閉じ込められた首領は、恐怖の表情を浮かべたまま、一輪の巨大な「花」のような結晶へと成り果てた。
パキンッ。
レイが指を鳴らす。 その瞬間、美しく輝いていた氷の彫像は、無数の光の粒となって、夕闇に染まる森へと霧散した。
肉体も、魂も、存在そのものが「晶」として砕け散ったようであった。
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静寂が戻った。 黒岩の森には、もはやゴミ一つ残っていなかった。
「……終わったわね」
ニーナが、少しだけ疲れた様子でレイの元に歩み寄る。 「レイ、一人も逃さなかったわよ。これで満足?」
「ああ。ご苦労だった、ニーナ、ロブ、ガストン。村の者たちは、皆、正しく世界を理解したようだな」
後方から、腰を抜かしたままのゼノを連れて、シアが歩いてきた。
シアは死体の山を見ても眉一つ動かさず、レイの顔についた微かな煤を、自らのハンカチで拭った。
「レイ、お疲れ様。……お兄ちゃんがまだガタガタ言ってるから、何か言ってあげて」
「……あ、ありえない……。一千二百の軍勢が、たった数分で消滅した……。これこそが、これこそがレイ様の『力』……なんてことだ.....」
ゼノは、ありえないとでも言いたげに、口を半開きにしていた。
レイは、東の空から昇り始めた朝日を浴びながら、満足げに口角を上げた。
「掃除は終わりだ。……さて、村に戻って、朝食にしようか」
昇る太陽が、新たなシレハ村の夜明けを告げていた。
世界は、ますますmeに微笑んでいた……。
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今話の極小情報:ステータスについて。ステータスは「1万1=∞」であるが、システム上は、"概算数値"で表示することができる。概算数値の指標はF:1~20 E:21~50 D:51~90 C:91~150 B:151~220 A:221~260 S:261~300である。
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【お読みいただきありがとうございます!】
次話は、ついに新展開!!
~高評価やブックマーク、感想等いただけるとありがたいです!~
「ふっと二言:前書きに書かせていただいたように、色々と名前がおかしい....と気づいてから、焦りまくりました...何を思ったのか、ストックの方にも、そこらへんが少々あったので、直しておきました....これからも、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします!.....あとは、悩んだ末に、概算数値を登場させることにしました!....個人的には、やはり、(筆者的には...)設定を作りこんだ以上、数値化したかったので....ストックを直すのが少々、大変でしたが....皆様をお付き合いに感謝です!」
――――――――【他作品も全力執筆中!】
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