第3話 オッパイに罪はない!
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第3話 オッパイに罪はない!
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剣を手に入れたエリスは、毎日剣を振っている。そのおかげか、たった一カ月ほどで飛躍的に上達していた。
素人の私が見ても様になっていると思うのだから、かなり上達したはずだ。
それはラウラも同じで、生活魔法を一日でものにした彼女は、第一位階魔法を三日で使えるまでになった。第二位階はまだだけど、それも時間の問題だろう。
【エリス:剣聖の才:負けず嫌いで努力家のエリスは、剣聖になる可能性を秘めている 現在は熟練の剣士並みの腕前】
【ラウラ:賢者の才:知識欲の塊であるラウラは、魔法を極める賢者になる可能性を秘めている 現在は生活魔法と第一位階の火、水、風、土魔法が使えるが、第二位階魔法も覚える寸前である】
二人の努力と成長は素晴らしいものがある。それなのに私は短剣の稽古をしても、大した上達はしていない。
そして、説明さんは相変わらず私だけ除け者にしてくれている。自分自身は説明してくれない仕様なのか、それともレベルや熟練度のようなものがあるのか。できれば、後者のようなものであってほしい。そのほうがやる気が出る。と言ってもそれが分からないからモヤモヤするのだけど。
「九十八……九十九……百!」
「お疲れ」
エリスが素振りを終えたところでタオルを渡すと、彼女は赤毛をかき上げてうなじの汗を拭った。
彼女も十一歳(自称)で、女性を意識するところが多々ある。特に胸はかなり大きくなってきている。
そんなエリスよりも胸が大きいのが、ラウラだ。彼女の胸はまだ十一歳のものではない。明らかに爆乳である。あと五年もすれば、爆乳グラビアアイドル並みの素晴らしいものになることでしょう。
「二人とも。夕食が出来たわよ」
「「はーい」」
ラウラが夕食を作ってくれた。今日のメニューは塩がしっかり効いた肉入りスープと硬いパン、そしてシオジ草のサラダだ。
シオジ草はしっかりアク抜きしたことで、とても美味しく食べることができている。
最初は二人とも食べたがらなかったけど、私が何度も食べているのを見て、恐る恐る食べたところ気に入ってしまったようだ。
それに、シオジ草を浸した水を煮詰めることで塩が手に入る。ちょっと青っぽい塩だけど、しっかり塩なのだ。この塩がスープにいいアクセントをつけてくれる。
あと、最近は森の中で野ウサギを狩ることができるようになった。これもラウラが魔法を覚えたおかげだ。
野ウサギの解体は、私がやっている。最初は血抜きなどの処理が不十分で、生臭い肉だった。それでも回数をこなすことで、最近はしっかり血抜きや解体ができている。
おかげで、スープの具が豪華になったよ。
三人で食事をし、木の先を裂いて作ったハブラシに塩をつけて磨く。歯磨きは最近始めた。歯があることが健康な体の基本だ。
あと、虫歯になりたくない。痛いの嫌なんだよ~。
夜になると、人は極端に動かなくなる。特に私はまだ子供ということもあり、夜はすることがない。大人なら酒を飲んだり、お姉さんのいる店にいこうと思うのだろうが、子供の体は一気に電池が切れていくのを感じるのだ。
昼は温かいのだけど、夜はそこそこ冷える。俺たち三人はずっと身を寄せ合って寝てきた。今もそれは変わらない。
ただ、先程も触れたが、二人は子供から大人へと移り変わる体つきをしている。
右にエリス、左にラウラがいて私の手にしがみついてくるのだが、当たっているのが分かるのである。これはこれでありですな!
翌日も森へ入る。最近、森の恵みが多いことを実感している。それもこれも説明さんのおかげです。
説明さんは今日もいい仕事をしてくれる。森に入った直後に、薬草の群生地を引き当てた。
「今日は幸先がいいね!」
エリスの言葉が弾む。
「シュラウト、すごい」
ラウラに褒められる。
採取に精を出して、袋がいっぱいになる。これだけあれば、あれにチャレンジできるな。
「今日はこれで帰ろうか」
「「シオジは?」」
「そんなにシオジが食べたいの?」
「美味しいもん」
「あれは至高」
シオジ草を見たら眉間にシワを寄せていたくせに、今ではシオジ草なしでは生きていけない勢いだ。
ただ、シオジ草は本当に美味しいから、私も大好きだ。
「それじゃあ、あっちにいこうか」
シオジ草が生えているポイントへ向かう。そこで今日の分のシオジ草を採取したら、家に帰る。
家に帰ったら、薬草を半分だけ持って錬金術師ギルドへと向かう。
カウンターには三人の女性が座っていて、二人は接客中だ。ただ、空いている女性を見て私は顔を顰めた。
青い髪の彼女はキューラ。錬金術師ギルドの受付嬢だ。年齢は確か十五歳で、今年受付嬢になったばかりの新人だ。
「あら、シュラウト! 私に会いにきてくれたのね!」
「いや、違うし」
「この年増、またシュラウトに色目使ってるし!」
「誰が年増よ、このガキがっ!?」
エリスと性格的に合わないんだよね、彼女。
「早く薬草を買い取って」
ラウラはマイペース。二人のいがみ合いに関知しない。
「はいはい。山猿エリスは無視無視むしー」
「年増ショタコンババーのくせに!」
「聞こえませーん」
キューラさんはカウンターの上に置かれた薬草を丁寧に確認し、代金を払ってくれた。
「最近、調子いいみたいね。この調子でがんばってね!」
キューラさんは私の両手をとった。
「こら、この色ボケババー、シュラウトの手を離せ!」
「あ~、癒される~♪」
クンカクンカと臭いを嗅ぐの止めてくれないかな。周囲の人からめっちゃ見られているんだよ。恥ずかしいじゃないか。
「はーなーせー」
エリスがキューラを引き離す。
ショタコンなのは、間違いない。でも、私の中身はオッサンなんだよ。外見がよければいいのかな?
「バーカ、バーカ、バーカッ!」
「さっさと帰れ、貧乳のガキ!」
どーでもいいけど、そんなに騒いで上司から怒られないの?
私たちが出入り禁止になっても困るから、ほどほどでお願いしますね。
ん、手を握られたことはいいのかって? いいに決まっているじゃないか! だって、巨乳美人受付嬢だぞ! オッパイに罪はない! なんなら、あの大きなオッパイに挟まれたい!
ご愛読ありがとうございます。
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