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触れ合いその2

朝起きる。

だいぶ体調は良くなっていた。

そして朝ご飯を食べさせられる。

そして薬を飲む。


髪の毛がべたついて気持ち悪い。


「おい、風呂に入れろ。特別に私に触れることを許す。」


とあいつに向かって言う。


本当なら人間になぞ触られたくない。

触られたくないのだが......。

何故かこいつには触られてもいいかと思えた。

まあ、髪がべたついて気持ち悪すぎたせいだろう。

そのはずだ。


風呂場に行き服を脱がされて洗われる。

この状況、見た目のせいで完全に親に洗われる子供のようだった。

その点は不愉快だった。


あいつは、


「ルイン大丈夫かゆいところない?」


といちいち聞いてきていた。


洗い終わり、こちらの髪を乾かす道具で乾かされて、タオルで吹かれて、あいつの服を着せられてぶかぶかだったが、髪や体は綺麗になった。

鏡を確認させられ、


「こんな感じで大丈夫?」


と聞かれた。


「ああ。」


と私は言い、ベットに戻された。

昼ご飯を食べ薬を飲んだ後、唐突にあいつが言う。


「ルイン服買わない?」


「服?」


「ぶかぶかな服じゃなくて新しい服欲しいでしょ?」


「しかしここから動けぬ。」


「大丈夫!」


と言い何やらまた謎の機械を持ってくる。

どうやらこの絵の中で選べば持ってくるらしい。


一緒に服を選び決める。


最終的にワンピースを2着買った。


「楽しみだね。ルイン。」


と満面の笑みであいつは言う。


「ふん。ただの着替えだ。」


というが私は内心少し楽しみにしていた。


翌日、完全に風邪は治っていた。

それをあいつに言うと


「良かった!」


と大喜びしていた。

何故こいつが喜ぶ?

よくわからん。


そして、いつも通り朝ご飯を食べた後に荷物が届きあいつが開くとそれはワンピースだった。


「着せよ。」


私は冷静にふるまい言う

今まで来ていたぶかぶかのドレスを脱ぎワンピースを着る。

あいつが鏡でその姿を見せてくれる。


「......まあ、悪くない。」


私は少し赤くなっていた。


ワンピースを着ながら寝っ転がっていると、あいつが話しかけてくる。


「ルイン暇じゃない?こっちの世界の本でも読まない?読み聞かせるよ。」


私はあちらの世界では世界中の本を読みつくした。

だからこちらの世界の本も興味ないわけではない。


「まあ、聞いてやらんこともない。」


そして、あいつは語り始めた。

一人の探偵の話だった。

頭脳明晰な探偵が医者の相棒と一緒に事件を説いていく。

そんな話だった。

話が終わると私は、


「この探偵、私の参謀くらい賢いな。」


と言った。


「本当頭いいよね!僕探偵も好きなんだけど相棒の医者も好きなんだよね!」


と興奮してあいつが言う。


「脇役の医者か。脇役だがまあ、悪くはなかったな。」


そんな風にずっと小説の話をしていたら夜になっていた。

そして、夜ご飯を食べて寝た。


そんな風にあいつのゲームをしている姿を見たり、小説を聞いてその話をして毎日過ごしていた。

そうしているうちにどんどん時間は過ぎていき一か月がたっていた。


私は何をしているのだ。


一秒でも早く私の世界に戻らねばならぬというのに。


あいつとの生活を楽しんでいるというのか?


この私が?


ありえない。


ただ戻る手掛かりがなく動けないからしかたなくここにいるだけだ。


それだけだ。


特別な感情などない。


ないんだ。


そう、自分に言い聞かせた。

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