触れ合い
鳥のさえずりで目を覚ます。
朝か......。
あいつは......いないか。
別にどうでもいいが。
そう思っていると扉が開く。
「あ、あはよう。」
男が優しい笑顔でそういう。
私は答えない。
「おかゆ作ったんだ。食べてよ」
「人間の作ったものなど」
そう言いかけると腹がなる。
くそ、背に腹は代えられないか。
男は微笑んで器を差し出してくる。
「私は動けない。食わせろ。」
「そうなんだね。」
男はスプーンでおかゆを掬い私の口に持っていく。
こんな質素なものを食う羽目になるとはな。
私はそれを飲み込む。
......
まあ、悪くはない。
食べ終わった後
「けほっ、けほっ」
と私は咳をする。
「熱もあるみたいだし風邪だね。薬を飲もう。」
と言って薬を差し出す。
仕方なく私は飲む。
しばらくそのまま横になっていると私にあいつは話しかけてくる。
「君のことを聞いてもいいかな?」
私は視線を男に向けて、しばし悩む。
人間に私のことを教える?
私を裏切った人間に?
しかし、この人間は私をここまで運んで飯を食べさせた。
完全に信用するわけではないがそれくらいならいいか。
「私は、ルイン。魔王だ。」
「......魔王?それってゲームとかに出てくる?」
「ゲームとはなんだ?」
「えっとなんて説明したらいいかな。」
と言って何やら謎の機械を持ってきた。
男がスイッチを入れると箱の中で絵が動き出した。
こちらの世界特有の物か。
「こんな風に遊ぶものだよ。」
勇者として魔王を倒す物語らしい。
「魔王ってこの魔王?」
と男が聞いてくる。
「ああ。私は人間を襲わないように統治していたがな。」
「そうなんだ。優しいね。」
男はそういった。
「ふん。しかし、人間たちはそんな私に魔物を人間に襲わせたと決めつけてこんな目に合わせたがな。」
「そうなんだ......。それは、苦しかったね。」
と男は私の寝ているベッドに寄り添った。
「そういえば、僕の名前言ってなかったね。僕の名前は、麻木悠だよ。」
ゲームを男はしまいながら言う。
「興味ない。それよりゲームとやらやめるのか?」
「え?うん。なんで?」
と不思議そうに聞く。
「私は動けず暇だ。見ていればいくらかは暇つぶしになるからやりたいのならやっていてもいいぞ。」
「そっか。じゃあやろうかな。」
と男は微笑んでいう。
「勘違いするな。どうしても見たいわけではない。やりたいのならばやってもいいというだけだ。」
と冷静を装っていう。
「うん。わかったよ。」
と微笑んで言い、ゲームをやる。
こいつはほんとにわかっているのか?
そんな風に思いながらも男のゲームを眺めなら一日は終わった。
「ルイン口開けて。」
と言われて口を開ける。
夜はシチューだだった。
「どう美味しい?」
と微笑んで聞いてくる。
「......そこそこだ。」
「そっか。」
と微笑んで言う。
そして食後薬を飲む。
電気を消して、あいつはソファで寝る。
私も眠りに落ちた。




