第66話 幕間⑥
ほんと、気まぐれで転生ループさせてやるって思っていたのに……。
一人前っぽく、『人間風』に魂が出来上がっているんだもの……生意気ね?
『鮫島海斗』って名前も、ただの捨て駒材料。
『AKIRA』『ポット』も固定名にしないだけの飾りよ。
神の気まぐれ。
神からの慈しみ。
そんな生やさしい意味で、この転生劇を作ってはいけない。
慎重にするんだって、魂の作成作業って。
子ども以下、赤子以下。
名前を適当につけているわけじゃなく、『目印』にしているだけ。
人間に転生したいんなら、もっと簡単に考えなさい?
何万通りの目印なんて、いくらでも作ることが出来る。偽名どころか、魂に刻んできた『記憶』たちですら。
どこがどこだかの並行世界に連なるくらい、慎重になるのは神でも同じ。と言っても、並行世界にとっては私なんて神どころか『一員』でしかないけれど。
「さあ、ポット? あなたはあのエルフのところに行きたい。……なら、その釜として? 純正なエルフにでもなるの?」
選べるものなら、そろそろ選んで欲しい。見続けるのも……私的にはもう大丈夫だと判断した。
好き勝手生きてきた、海斗の世界での記憶をちゃんと役立てようとしているんだもの。私だって、そこまで無情じゃない。




