第62話 魚人だったわねぇ
あたしは今、リクトくんの食事風景を見てたんだけどぉ。
バリバリ
ボリボリ
って豪快な音はまだいいのよん。食べているものがすんごいの……。
『……生はともかく、骨やスジとか関係ないのねぇ?』
完全な人間でもモンスターでもない? 魚人ってそういう食事が普通なのかしらん? 人間風の人食いサメみたいな感じ……こーゆー時は無機物転生で良かったわ!!
「おいひぃよぉ?」
『飲み込んでからしゃべんなさい。そうねぇ? あたしが人間だった頃はそんな食べ方なかったわ』
寿司。
カルパッチョ。
海鮮丼や刺身。
せいぜいその程度だけど、骨とかは絶対無理!! 人間の歯じゃすぐに欠けちゃうわ!!
けど、ここで日本料理広めてもねぇ? エルフの森みたいに調味料豊富じゃなさそうなんだもの。けど、この腹ごしらえ終わったら……塩釜で塩作りするらしいのよぉ。行商人とかが仕入れにくるらしいんで、たくさん必要なんですって。
「ポットよ。塩を作る前に、少し聞きたい」
『なあに?』
おじいちゃんの方からあたしに質問って、何か有益なのレシピ以外あったかしら??
「あの肉の料理。実は一部で広まっての? 味を変えてみたいがとの意見が出てきた。今回は行商人に交渉しようと思ってな? お主が必要なものを『だいたい』で良いから教えてくれぬか? 発案者は一応ワシのことにしてあるが」
『なーる! そぉねぇ?』
大人から食生活改善のヒントを出そうとするなら、あたしも惜しまないわ。だって、せっかくの細マッチョ魚人らを鍛えるのには、もっと美味しい料理が必要だもの!!
手始めにリクトくんからスタートもいい!! だって、基本的に話し相手になってくれる恩人だもの?
「黒くて塩辛い。辛味の粉……くらいでよいのかの?」
『こっちには塩があるからね。まずはお試しよん』
「ふむ。たしかにいっぺんも頼めば……変に臭われるからの?」
『でしょん?』
醤油だけじゃ、魚のアレンジももったいないから。せめて唐辛子系のスパイスもあると、カレー風味ぽいものも出来るでしょう?
ヨーグルトはちょっとないけど、贅沢言ってられないわぁ。




