第5話 暑さ倍増
お待たせ致しましたー
ん〜〜もぉ。
なんか……こう。
(あっちぃわねぇえええええ!!?)
気がついたら、またあっちぃわよん!?
またあのうさ耳獣人ちゃんが、なんかパン焼いているわけ!?
アタシが気を失っている間に、もうあの食パン食べ終わったのん!? 食欲旺盛過ぎない!?
パンって、そんなぽんぽんぽんぽん作れるもん!?
知らんけど!!
てか、さっきより暑くない!!?
(えーっと、えーっと……落ち着くのよ。アタシ!!)
焦っちゃダメ!!
あっちぃけど、状況把握のために冷静にならなくっちゃいけないわ。
たしか……『見る』ことは、さっきも出来たわよね?
意識……意識を集中して。
目を……開けるイメージをして。暑さに負けないように。
それを繰り返していると……見えてきたわ。
けど……いたのが、さっきの獣人ちゃんじゃない!?
ふさふさふわふわの尻尾が……あの子よりデカい!
えっと……これ、多分キツネとかじゃなくて『リス』?
くるんとしてる感じや、色合いから見てもリス……よね?
普通のこじんまりしたシマリスより断然デカいけど!!
「ふふふーん、ふふふーん!」
こっちは男?
鼻歌だけど、トーンからして……男ね?
女は恋愛対象に見れないけど、男は別よ!!
ウェルカムよ!!
アタシの大好物よん!!
どんな子どんな子!?
今アタシ無機物だけど!!
顔見せて!?
(って、何ぱっぱらぱーになってんのよ!!)
恋愛対象物が出てきただけで、このテンションの上がりよう……アタシもまだまだ若いのねん? 二十五だけど!!
ちょいアラサーだけど!!
美貌はすんばらしかったのよん!!
若い子達にちやほやされてたくらい!!
ゲイホステスではナンバーワンだったのよ!!
それが……なんでこんなことに!!!!
「具材は何にしようかなあ?」
って、リス獣人くんが何か言っているわね。
具材?
アタシ、さっきはうさ耳獣人ちゃんにパンを焼かれてたわよね? あの子はいないけど……友達とかじゃないの??
(けど……あっちぃ!!)
なんか……パン焼いてた時より温度高くない!?
次回はまた明日〜