第36話 おじいちゃん神様①
お待たせ致しましたー
ほほほ
ほっほほ
面白い
面白いのお?
異なる世界の神
あの子の仕業じゃったが
実に愉快じゃ
見ていて飽きぬ
顔などは何もない
ただの茶釜だった……はずなのに
目があった
魂が宿っておった
実に不思議じゃ
エルフなどの亜人へに、異なる世界からの転生はあったが
まさか、『物』への転生があるとは思わなんだ?
儂には聞き取れた、『アキラ』と言う名の存在
ミディアには聞き取れず、『ポット』と名づけられたが
あやつ……ミディアを憎からず、『想って』おるようじゃ
話し方は独特ではあるが
嫌っていないどころか、好いておる
ミディアはエルフの中でも、特に美しいが……儂と離れて三日程度で、ポットは完全にミディアに惚れ込んだようじゃ
でなければ、熱いだけの茶釜の役割を……こなすわけがない
これは……面白いのお?
とりあえず……ミディアの茶は今日も美味い
ポットの湯もあることで
儂が持参した茶菓子も加わることで
ポットには悪いが、しっかりと味わう
いつも以上に、甘みや渋みも感じるわい
極上じゃ
堪能せねば
ポットは飲み食いしたいようじゃが
口がないために出来ぬ
言葉は……念話のように出来るがのお?
仕方がないことじゃ
あの子も、何故この茶釜に憑依させたのやら?
次回はまた明日〜




