第29話 これから②
お待たせ致しましたー
なにこれなにこれ!?
ファンタジー!?
いいえ、ファンタジーはもとからあるけれど!!
ツリーハウスって、テンション上がるわあ!!
「おん? ポットは、家を見るのははじめてなん?」
『こーゆーのではないわねぇ』
巨木にどこもかしこも……ツリーハウスって。
テンション上がるわぁ!! オタク心にも刺激マックスよん!!
よーく見ると、どこもかしこも丁寧な作り。
後ろの茶室を見ても……やっぱりツリーハウスだったわ。
「そうなん? 茶釜に憑依しただけでない、おもろい話……聞かせてほしいわあ」
『いいわよん』
アタシを転生? 憑依? させた、神様の思惑はわかんないままだけど……今は今よ。
ナンバーワン、ゲイホステスだった『AKIRA』は今は関係ない。
エルフ芸妓ちゃんのミディアちゃんと一緒にいる『ポット』よん。
ミディアちゃんは女の子? 女性……だけど、嫌悪感は微塵も感じないわ。
ゲイのアタシが不思議だわぁ。ドキドキするんだもの。それくらい……美は素晴らしい。ミディアちゃんは、エルフだから神秘的な存在だもの。
「ほな、行こか?」
どう移動するかは最初疑問に思ったけど。そこはファンタジーで魔法の世界だからか。
ミディアちゃんは、テラスからためらわずにトンっと飛び降り……落ちる!? と思ったら、ふわふわ浮いたわん!?
やっぱり……異世界だから、魔法ねん!! 凄いわ!?
さらに、テンション上がるわあ!!
『飛んでるわぁ!?』
「飛べるもんやで? てことは、ポットは前は人間やったん?」
『人間だったわ。けど、エルフと神様とか……身近にはいなかったのもあるし、魔法も全然なかったの!』
「ほーん。魔法がない世界?」
『代わりに、違う文明がわんさかあったわ』
「おもろいなあ?」
アタシからすると、魔法のある世界の方が面白い以上に不思議満載だけどね!?
ゆっくりのんびり飛行を楽しんでいると……一個のツリーハウスに向けて、ミディアちゃんは飛んで。
トンっと、テラスに降りると……ドアにそっと手を触れた。
『鍵は?』
「今開けるわ」
なんと、鍵まで魔法のオートロックのようね!!
ある意味未来文明だわ!?
中に入ると……和風と洋風のモダン仕立て。
趣味のいい色合いで目にも優しい。
ミディアちゃんは、真ん中にあるちゃぶ台の上にアタシを置いたわ。
『ありがとう』
「着替えてくるから、ちょぉ待っとって」
『はーい』
乙女の着替えを覗くだなんて、御法度よん?
次回はまた明日〜




