第21話 茶釜①
お待たせ致しましたー
「……ふふ。ええなあ?」
エルフ芸妓ちゃんは、アタシを見るなり……極上の微笑みを浮かべた。
声もだけど……なんつー破壊力よん!?
外見だけじゃなく……聴覚までも、刺激して。
男だけしか恋愛対象じゃないアタシを、『惚れさせ』かけたくらい!!
なんで、エルフちゃんが芸妓の格好してるかはわかんないけど。
とりあえず……日本じゃなさそうね?
和風ファンタジーって言うのかしら?
エルフ芸妓ちゃんは、アタシのとこまで……ゆっくり、歩み寄ってきて。
素手じゃなく、厚手の布か何かで……フタを開けたようね?
ごぽごぽの音がすんごいんだけど!?
「ええ塩梅やわ。お茶点てまひょうか」
お茶……紅茶とか、普通の緑茶じゃないでしょうね?
じゃ、抹茶……お薄って言ったかしらん?
あつい思いはこれ以上ないってことねん?
身悶えとかは必要以上にあるけれど。
「……ほな」
とかなんとかしていたら……準備が出来たみたいねん?
道具が結構あって……お抹茶とかって、こんなにも道具がいるのね?
普通(?)のゲイだったから、日本文化って縁が薄かったもの。逆にゴージャス過ぎる場所にいたから、酒にはちょっと詳しいけど。
とにかく……エルフ芸妓ちゃんは、おたまじゃなくて……木で出来た柄杓で、アタシからお湯を少しすくった。器に入れて……え? すぐ、別の器に入れた?
作法知らないから……なにこれ??
抹茶の粉にお湯入れて……茶筅でシャカシャカするだけじゃないのね?
その後に、ちっちゃい筒から……言い方悪いけど、回転寿司にあるような、緑茶の粉ぽいのを出して。捨てたお湯であったまった器に入れた。
そこに……すこーし、アタシからまたお湯を入れたわ。
その後に、茶筅でシャカシャカ。良い音ねん?
次回はまた明日〜




