第12話 焼けていく
お待たせ致しましたー
(なんてこと……なんてこと!?)
異世界ファンタジーの世界に……多分転生させられているはずだけど。
オーブンってあるわけぇ!?
日本とかのハイテク家電があるのも驚きだーけーどー!!
今の地獄を思うと、そこはどうだっていいわ!!
(ラザニア……ラザニアですってぇ!?)
ピザに並ぶくらいの大好物よん!!
嫌いな人種いるかしら!? 多分ホワイトソース苦手だったらダメね……。
じゃなくて、ラザニアが!!
今アタシの中で!!
おそらく、焼かれているのよん!?
そんなことあっていいのぉ!?
「あ〜……たっぷり、自家製のミートソースだけじゃなくて。この間うまく出来たチーズもたっぷり入れたしなあ?」
あ・く・ま!?
「ホワイトソースも、メルリに教えてもらったのだし……絶対美味いはず」
とろーりと、笑顔が蕩けていくのがたまんない!!
ここが、ゴージャスだったら!!
アタシが元のゲイホステスの『AKIRA』だったら!!
全力で芯から蕩け落ちるくらい……口説き堕とすのに!?
なんで今は、オーブンなわけぇええ!?
こんなドンピシャな子を口説けないだなんてぇ!?
んでもって……お決まりの匂いがしてきたわぁあ!!
(ああああああああ!?)
チーズが。
ボロネーゼが!!
ホワイトソースが!!
焦げる匂いが!?
香ばしく!!
アタシの感じ取れる嗅覚を強く刺激していくわぁあ!?
もうたまんないぃいい!!!!
次回はまた明日〜




