【九文字目】 ねがい
青く揺らめく水の惑星
生命の星よ
産まれ出ずる
永遠の子らよ
想いを紡いでおくれ
勝ち負けなど些細なこと
矜持などいらない
砕け散ってしまうのは
敬虔な瞳だから
今宵は瞼を閉じて
最たるものは
幸福の音
すべてを手放して
静謐なるひかりのなかへ
創造のなかへ
たとえばそれは
血を継ぐものだとして
使い古される
テロリストたちの記憶に
扉を閉めて
涙のなかにあった
憎しみは彼方の空へ
濡らしたほほに
願いをかけて
ノイズを慈しむ
春を待っていたいのだ
光の丘に立って
冬の寒さから身を守る術を
平行線上から届けるしかなかったとしても
本物の春を待っている
間違いなどない
見劣りなどしない
胸元に温めているのは
芽吹きの季節だから
戻りの道はもういらない
約束などなくとも
夕闇は晴れてゆく
宵の輝きに導かれ
螺旋の暗号に戯れた記憶
輪廻の奔流に湧く感情
流布された真実は儚く
歴史の裏側で眠る夢
老獪な戦士は去れと願う
綿津見も山津見も
今夜は眠る
遠き地の平和の音をきいて
遠き地の平和の夢をきいて
『遠き地の平和の音をきいて
遠き地の平和の夢をきいて』
この二行は変則になります。
約一年ぶりの更新です。
あっという間に流れてしまう月日に、ただただ驚くばかり……(⊙.☉)
すべての人たちが安心して眠れる夜を願います。