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【五文字目】 あなたへ
秋の青
色なお薄い
うろこ雲
笑顔のあなたに
贈るリコリス
書きとめた
記録と記憶の
楔でも
結局 今でも
言葉にできずに
さよならの
白いひかりの
澄んだ朝
先生の声に
それを知らしむ
旅立ちの
地から家路へ
連れもどる
手のぬくもりは
解けないままに
流れゆく
日常に溶かして
縫いつけた
寝ても覚めても
残る痛みを
はずせない
紐で結んだ
ふたりの血
へその緒の意味
骨になるまで
毎日の
身勝手ささえ
無自覚に
目隠ししていた
もどれない日々
やがて知る
夢の終わりは
夜明け道
落月に
閭里を描いて
縷々とした
礫を踏みしめ
朗々と歩く
わたしは生く
産んでもらった
意味をさがして
「ん」、「を」は変則です。
行きたいと思いつつ、なかなかお墓参りに行けません。秋のお彼岸も過ぎちゃったし。(-_-;)