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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第1章 樹海ミスト編

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第97話 俺、異世界でゲオリオさんに頼みごとをするその1

 俺たちは「ごちそうさまでした」と手を合わせ、食事を終えた。いつもならここから食後のハーブティータイムになるのだが、今回はこの後にシスティのことをエリンに説明しないといけない。


 俺もシスティのことについてはそれほど知っている訳でもなく、俺も彼女から色々と聞かないといけないことがあるので、今回はストレージに収容している水筒で我慢しておこう。


 出来立てをそのままストレージに収容しているので、味や風味が落ちていることはないはずなのに・・・それでもリリアーヌに淹れてもらうのと自分で水筒からカップに注ぐのとは味や風味に違いがあるような気がする。


 宿屋を出る前にゲオリオさんにシャドーウルフの肉を渡しに行かないといけないのだが・・・さてどうやってエリンにバレないように渡そうか。


 普通に俺がゲオリオさんのところに行って渡そうとするとエリンなら絶対に俺の後をついてくるはずだ・・・その確率は100パーセントと断言してもいいレベルでついてくる・・・絶対に。


 ならば先に師匠の家に向かわせるか・・・いやそれも怪しまれそうだな・・・あー、なぜ俺はエリンの部屋に入る前に渡しておかなかったのかと後悔した。


 俺はリリアーヌに向かって手招きして、少女がこっちに来るように誘った。


 駆け足でこっちに来てくれたリリアーヌに俺は「凍らせておいたケーキをエリンとシスティに出してあげてくれないか」とお願いをした。


 予定では昼食を済ませるとすぐに師匠の家に向かう手はずだったのだが致し方ない、ここはお菓子作戦で注意を惹こう・・・こうなった以上はリリアーヌにハーブティーも淹れてもらおう・・・やっぱりあの食後の一杯の誘惑には勝てないわ。


 俺はケーキを用意しにキッチンに向かう少女に「それとリリアーヌ、やっぱり食後のハーブティーもお願い!」と少し大きめの声で頼んだ。


 リリアーヌはこっちに振り向くことはなかったが「は~い、すぐに淹れるから待っててね!」と返事をするとそのままキッチンの奥に消えていった。


 ふぅ・・・これでいつもの至福の時間を過ごせるな・・・・・・って、違う・・・あぶねぇ、あぶねぇ肝心の目的を忘れるとこだった。


 リリアーヌがケーキを持って来てくれたタイミングで俺もキッチンに向かうことにするか、エリンのことだからケーキが目の前にあればそっちに夢中になるはずだし、その隙にシャドーウルフの肉をゲオリオさんに渡しに行くことにしよう。


 次の行動を考えていると冷凍されたチョコレートケーキが載った皿とチーズケーキが載った皿を左右の手でそれぞれ持ってこっちに来るリリアーヌが見えた。


「エリンお姉ちゃん、システィお姉ちゃん、お待たせ~!チョコレートとチーズ持ってきたけど、好きな方を選んでね♪」 


「エリン様・・・どうぞ、お先にお選びください。私めは残った方を頂きますので・・・」


「えっと・・・システィさんさえ良ければなんだけど・・・その、半分個ずつにしない?」


「半分個ずつですか?・・・はい、エリン様がそれでよろしいのでしたら私めは構いませんが・・・」


 システィの返事を聞いたエリンはフォークでそれぞれケーキを半分に分けると、チョコレートケーキが載っていた方に半分に切ったチーズケーキを、チーズケーキが載っていた方には半分に切ったチョコレートケーキを載せると片方をシスティの前に置いた。


 俺の時は一度もそんなことしてくれたことなんてないのに・・・と思いながらその光景を横目で見ていた。


 さてさて、今のうちに作戦を開始しないとな・・・ここまでした意味がない。俺は席を立つとリリアーヌのあとをついて行くように一緒にキッチンに向かった。


 作戦はまずは成功したようでエリンはシスティをチラチラと見ながらもケーキに舌鼓を打っている。


 システィは無表情ながらも一向にフォークが止まる気配がないのを見る限り、ケーキを気に入ってくれたようで安心した。


 リリアーヌは俺が急に後ろについてくることを不思議に思ったのか歩く速度を落として、俺の横に来るとそのことを聞いていた。


 普通に考えたらいきなりあとを追いかけてきたら、誰だって不思議に思うよな・・・友達だからまだあれだが・・・これ知らない人なら案件ものだな。


「どうしたのアスティナちゃん、キッチンに来るなんてはじめてだよね?」


「あー、ちょっとゲオリオさんにお願いがあってな」


「ふ~ん、アスティナちゃんがお父さんになんてめずらしいね。お父さんならいまキッチンの奥にいるから一緒に行こう」


 キッチンにたどり着いた俺はそのままリリアーヌと一緒にさらに進んだ。進むにつれダンッ!ダンッ!と何かを叩き切るような音がどんどん大きくなっていった。

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