第65話 俺、異世界でシャドーウルフ討伐報酬をもらう
外に出る準備が完了すると俺はガラクにシャッターを開けるよう頼んだ、ガラクはシャッターの操作盤前にいる職員に指示をするとガガガッ!っという鈍い音を出しながら徐々にシャッターが開いて行く。
そして入ってきたときと同じぐらいの位置まで上がると俺は解体場にいる職人に手を振りながら「いろいろとありがとうな。次はもっとデカいのを持って来るから期待しておいてくれよ!じゃーなー」と言い残しシャッターをくぐって外に出た。
エリンもシャッターをくぐりながら、ガラクに向かって「また魔物を狩ってくるから、切り分けお願いね!!」と言い放っていた・・・。
俺たちが外に出るとすぐにまた鈍い音を出しながらシャッターは閉まっていった。
あれからそんなにまだ時間が経っていないこともあり、こちら側は反対の買取所のように人がごった返してはいないようだ。歩いて通り過ぎる人はあまり増減している感じはしなかったが立ち止まってシャッターの方を見ている人が前回よりも若干増えているような感じがした。
シャッターではなく俺を見ているような視線を感じた気がしたので周囲を見渡してみたが・・・その原因を特定することは出来なかった。
「気のせいか・・・ちょっと自意識過剰すぎだな・・・」
「どうしたのアスティナ、急にキョロキョロして?」
「いや・・・なんでもない。それよりもさっさとギルドに行って用事を済ませようぜ!」
俺はそう言うと冒険者ギルドを目指して走って向かうことにした。急に走り始めた俺と速度を合わせるため、エリンも駆け足で追いかけてきた。
なぜか途中でどちらが先に冒険者ギルドに着くかという勝負に発展することになる・・・まぁ俺が普通に勝利したんだけど。追いつかれそうになった俺がブーツの力を借りたことは彼女には内緒だ・・・勝負とは実に非情なのだ。冒険者ギルドに先に到着した俺は2着になったエリンに勝利宣言をする。
「俺のかちぃ~!あーっはははは!!」
「べ、別に悔しくなんてないし、ほらアスティナさっさと行くわよ!」
彼女はちょっと不機嫌になりながら、勝利宣言をした俺よりも先に冒険者ギルドの中に入っていった。今度は俺が彼女のあとを追うように冒険者ギルドに足を運ぶのであった。
受付窓口にヒマリさんがいるのが見えたので早速、依頼が達成出来ているか確認するために彼女の元に向かうことにした。俺たちに気づいたのか彼女はこっちを見て会釈をしてくれたのだがやはり目を見て話すのが苦手なようで・・・目線が微妙に外れている。
「ヒマリ~、依頼ちゃんと達成出来てる~?」
「はい、出来ています。シャドーウルフの討伐お疲れ様でした。こちら報酬となります、ご確認ください」
彼女は用意していた報酬を取り出し、受付台に置くと俺たちに確認するように促した。シャドーウルフ1匹につき金貨1枚らしく、今回俺らが討伐した数は11匹なので金貨11枚ということらしい。
買い取りのときは振込だったが今回は硬貨・・・つまり現金で受け渡されたのだがこの違いはやっぱ金額が違うためなのだろうか。確認ついでにそのことをヒマリさんに聞いてみた。
「ヒマリさん、ちょっと聞いてもいいか。この報酬って振込の場合と現金の場合とあるけど?」
「ギルド基準として金貨20枚以下なら現金でそれ以上の場合は振込となっています」
「そっかー、教えてくれてありがとうな!」
やはり俺が思っていた通り金額によって受け渡す方法を決められているらしい。そして受け取った金貨をストレージに入れ、反転するとそのまま冒険者ギルドから出た。あとはセルーンが帰って来るまでの間、買い物でもして時間を潰すことにしよう。
「さて・・・晩御飯まで買い物でもするか!」
「さんせ~い!まずは食器を見に行きましょう!」
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