第54話 俺、異世界で飛行で町に帰る
「・・・これで最後だな。それにしてもほとんど頭に当たってたな」
「さて・・・シャドーウルフの亡骸が全部で11枚・・・か」
エリンが倒したシャドーウルフ全てをストレージに収容することができた。その様子を見ていた彼女が多少興奮しながら話しかけてきた。
「アスティナのストレージの収容量はすごいわね!シャドーウルフが全部入っちゃったわ!!これでいつでもお肉が食べられるわね!!」
「いや・・・それは無理だろ。そのまま放り込んでいるだけで何一つ処理もしていないしな・・・」
「そうだったわ・・・。それで依頼終わっちゃったけど報告しに町に帰る?それとももう少し魔物を倒す?」
「依頼を受けていなくても魔物って倒してもいいのか?」
「別に依頼がなくても問題ないわよ。ただ弱い魔物は倒し過ぎちゃうと新人の冒険者が倒す魔物がいなくなるからそこだけ注意よ・・・じゃないとあとでセレーンから呼び出しがくるわ・・・・・・」
このあと別の魔物を倒すことも考えたがまずはこの依頼報告するために町に戻ることにした。それにセルーンとも近接戦闘を教えてもらわなければいけない。
まぁこっちはセルーン本人にはまだいってなかった気がするがセレーンさんに伝えてあるから問題はないだろう。
「エリン、今回はこれで終わりにして町に戻ろう。それに町でちょっと用事を思い出したしな」
「わかったわ。それで・・・用事ってなに?」
「ブーツでの近接戦闘もできるようにしたいっていったのは覚えてるか?」
「そんなこともいってたわね」
「まぁそういうことだから今日の魔物討伐はこれで終わりで!」
「・・・帰りはもちろんあれで帰るのよね?」
彼女はそういうとすぐにポーチから麻ローブを取り出し始めた・・・。今後移動はずっとこれになるんだろうなと思いながらも歩くよりは楽だし、それにフライの練習にもなるのでその提案を受け入れることにした。
まぁずっとし続ければそのうち胸当てを外した彼女もおんぶできるかもしれない・・・。
俺は先ほどと同じように彼女をおんぶというか彼女に背後から抱きしめられているような状態になると最後に麻ローブがちゃんと括られていることを確認し、フライを発動して町に向かって移動をはじめた。
帰りの道中も俺の後頭部辺りで楽しそうな笑い声や気になったものがあるのか移動中に何度か指差しをしては俺に知らせようとしていた。ただはしゃぎ過ぎてなにをいっているのかどれを見せようとしているのかサッパリ分からなかった・・・。
本当ならここから町まで帰るのに1時間以上はかかるであろう距離なのにもう視界には町が見えてきていた。そのことをエリンも気づいたのか俺のことを呼ぶと指を指しながら知らせようとしている。
「アスティナ、アスティナ!もう町が見えてきたわ!!」
「おぅ、そうだな!それと最初にもいったけど、あんまりしゃべるなよ。舌噛んでも知らないねぇぞ!」
「大丈夫よ!わたしがそんなヘマをするわけないじゃな・・・・・・」
「おぃ、どうした?急に静かになったけど・・・はぁ・・・だからいったじゃないか・・・」
「・・・・・・噛んでないし・・・ぐす・・・いたい・・・」
「・・・町まで我慢しろよ。降りたら回復してやるから!」
そういうと彼女は聞こえるか聞こえないかという微妙な声で返事をするとそのまま大人しくなった・・・。
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