第5話 俺、異世界で心臓が爆発しそうになる
残るはストレージ(カード)、ショップ(カード)、鑑定(カード)この3種類だな。
まずは ストレージ(カード)から見ていこう。生き物以外なら、どんなものでも収容することが可能な異次元BOX。ただし、収容すると全てカードになる。※神級カードは捨てることができない。
なるほど、だからあの女神様のお手紙とかはカードとして収容されてたのか。ふとストレージの中身を見てみると読んで投げ捨てたはずの”女神様のお手紙”がまた収容されていることに気づいた。
「あの女神の手紙、神級カード扱いなのかよ!確かに女神が書いたものかもしれんけどさぁ」
俺は今後なにかを収容する度にあの手紙が視界に入るのだと知ると、沸々となにかがこみ上げるのであった。
次だ次、次はショップ(カード)だな。ショップを通じて、スペルやアイテムを購入することが出来る。ただし、カード状態でしか購入できない。※スペルは魔法を取得、アイテムは使用するとショップに該当商品が並ぶようになる。確かにまだなにもしていないから商品も空なわけか。
そして鑑定(カード)で最後だな。自分以外の生物や物、ありとあらゆるモノのステータスが確認出来るようになる。ただし、表示は全てカード形式になる。※自分よりも対象のランクが高い場合は鑑定できない。
「ふむ・・・、ランク1の時点ではいまのところは使い道がないな。あとはアレだな、わざわざ全部カードにする必要あるか?いや、好きだよカード、実際20年間集めてたわけだしな!」
そう呟いていたところ、先ほどまで川に足を浸けていたエリンがこっちに近づいて来て、正面まで来たところで俺の顔を覗き込むようにしながら聞いてきた。
「ねぇ、なにか難しい顔をしていたけど、またなにか考え事?」
その時、俺は不覚にもドキッとしてしまった。エリンの綺麗な金色の髪に日差しがあたって、キラキラ輝いて見えたからだ。それに瞳も淡い緑色をしていて、それが余計に彼女の魅力を底上げしていた。
「ねぇ、ねぇってば!聞こえてますか~?」
そう言いながら彼女はさらに俺の顔を覗き込んできた。
「うわ!待て待て待て待て!近い近い近い!心臓が!心臓が爆発するわ!こんにゃろう!!」
そんな挙動不審な言動や行動をしている俺を彼女はただただ呆然と見つめていた。ヤバいあの残念な第一印象はどこに行ったんだよ。可愛すぎだろう、こいつ、マジで心拍数上がりすぎて死ぬかと思ったわ。
「心臓が爆発するとかどういうことなの?なになにそんな魔法があるの?」
「そんな魔法あってたまるかぁぁぁ!あったとしてもそれだたの自滅魔法じゃねぇか!!」
「そっかぁ、それもそうだねぇ」
そういうやり取りを一通りすると彼女も俺と同じように岩に腰かけてきた。当たり前のように俺の真横にだ。彼女は本当に俺の心臓が爆発するか試そうとしているのかとさえ思えるほどにいちいち距離が近い。
そんな彼女に出会たのは幸運であったと思う。なぜならこの世界のことを何1つ知らない俺には彼女のような存在は必要不可欠だからだ。
その前にマジで俺の心臓持ってくれよ。本当に爆発してしまいそうなぐらい心拍数がヤバいんだわ・・・。
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