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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第1章 樹海ミスト編

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第43話 俺、異世界で大福を食す

 俺たちは姉妹がいる部屋を出たあとすぐ隣にある応接室に移動することにした。ここは先ほどまでエリンと妹様がいたお菓子部屋だった。いま姉妹が占拠しているギルドマスターの部屋に来るときにあれほど両手にお菓子を持っていたのにまだ大量のお菓子がそこにはあった。


 クッキーやマドレーヌのような焼き菓子があったり、チョコレートやアメ・・・それに俺の故郷の味・・・餡子を使ったモノまであった。


 その光景を見て俺もエリンのように目をキラキラさせてしまった。その様子を見たセンチネルに好きなモノを食べていいよと勧められた。


 早速俺は目の前にあるお菓子の中から大福を選ぶと一口食べてみた。最初に感じたのはもちもちとした食感、次に餡子の滑らかな舌触りがきた。もち米本来の甘さを噛み締めつつ、こし餡の味わいを堪能した・・・。


「・・・・・・アスティナ、その白くて丸いお菓子って、そんなに美味しいの?」


「あぁ!!最高だ・・・また食べられるなんて思ってもいなかった・・・・・・」


「そぉなのね・・・わたしも頂こうかしら!」


「アスティナ君、キミは獣人族の国に行ったことがあるのかい?」


「記憶が曖昧で・・・覚えていないな・・・それで獣人族の国とこの大福はどんな関係があるんだ?」


「君が食べているその大福はかの国では実にポピュラーなお菓子だからだよ」


 そのことを聞いた俺は獣人族の国に行ってみたいという衝動に駆られた。和菓子があるということは和食のようなモノもあるに決まっている・・・。だが、まずはそれよりも気になって仕方ないがない情報の確証を得るために無我夢中で大福を頬張っているエリンにある質問のすることにした。どうか俺の聞き間違いでありますように・・・。


「・・・なぁ、エリン・・・さっきセンチネルがA級冒険者といってたように聞こえたのだが?」


「・・・・・・ふぉうよ!・・・・・・・・・・。そうよ!わ・た・しはA級冒険者なのよ!!あ~、そうだ・・・ちょっと待ってね・・・」


「おいおいおいおい!なにやってんだよ・・・」


 彼女はおもむろに着ている服の首元に手を突っ込むとなにかを取り出した。そしてこれ見よがしに俺の目の前にまで持って来ると見せびらかしてきた。


 その提示してきたモノがA級冒険者を証明するために取り出した冒険者ギルドカードだとすぐにわかった。そのカードはとてもシンプルなデザインで名前、職業、階級それに発行した町の名前が記載されているだけだった。


「センチネルこれは本物か?」


「もちろんだ!ボクのギルドで発行したカードに間違いないよ!」


「・・・・・・そうか・・・エリン、本当にA級冒険者だったんだな・・・疑って悪かった」


「どの辺がA級に見えなかったのかしら。わたしこれでもギルドでは有名な方なんだけどなぁ」


「それはだな!最初の出会いがあれだったから・・・な」


「・・・・・・・・・そうね。でもあのときは武器もなかったしね・・・?」


 俺は「そうだな」と正面の壁を見つめながら肯定するのであった。そんなやり取りが一段落したところでセンチネルからも質問がきた。


「それはそうとアスティナ君、先の話で一つ気になったことがあるのだけどいいかい?」


「なんだセンチネル」


「それはだね・・・魔法の負担ってのは魔法書の購入費ってことでいいのかい?」


「あっ・・・」


「アスティナ、まさか・・・説明してないの?」


「ハッハッハ・・・いろいろと説明するの忘れてたわ・・・まぁ聞かれなかったし、仕方ない仕方ない・・・」


 俺は手っ取り早く理解してもらうためにショップからヒールを購入し、すぐさま取り出すとセンチネルに手渡した。魔法を使う際にはこのカードを使用しなければいけないこと、それと使い捨てであり一度しか効果が得られないことも伝えた。


「なるほど・・・つまりこのカードの購入資金を出せばいいんだね。それで・・・1枚いくら?」


「初級が金貨1枚、中級が金貨5枚、そして上級が金貨20枚になる・・・」


「上級まで購入可能ということは・・・キミは上級までは扱えるという認識でいいのかい?」


「あぁ・・・それで間違いない。ただ”師匠”がいうには全属性使えるわりには種類が少ないっていわれたな」


「・・・・・・キミ・・・全属性使えるのか・・・本当に?」


「まぁ使えるといっても俺の持っている適性で無があるから、それで無理矢理使えるようにしているだけだけどな・・・」


「あー、そういう意味か・・・焦ったよ全属性使えるなんていうからイクストリアを思い出したじゃないか」


「センチネルも師匠のこと知ってるのか・・・さすがは師匠!!」


「・・・・・・・・・・師匠・・・・・・・イクストリアが?」


 そう呟いたセンチネルはまた考え始めたのか例の体勢にはいった・・・。それから数秒経ってから目を開けたかと思えば、急にヒールを使ってみて欲しいと頼まれた。俺は前回と同じようにヒールを持つと、もう片方でエリンの頭に手を当てヒールを発動した。


「・・・・・・無詠唱、しかも光適正がないにもかかわらず、効果も上々。なるほど・・・イクストリアの弟子・・・か」


 独り言をいいながら、またセンチネルは自分の世界にはいっていくのであった。

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