第42話 俺、異世界で妹様への恐怖を覚える
なんとかエリンが落ち着かせるとセンチネルがどうして俺ならこの依頼を任せたのかを説明し始めた。俺もセンチネルからどんな言葉が出るのか興味が出たので聞いてみることにした。
「エリン君、少しは落ち着いたかい?ボクがアスティナなら依頼を任せられると思った理由を聞いてくれるかい?」
「・・・・・・はい・・・お願いします」
「キミたちが九死に一生を得た・・・あのオークのことは覚えているかい?」
「・・・・・・・・・はい」
「嫌なことを思い出させて、すまない・・・。だけどいまから話す内容はそれに関係することなんだ・・・」
そういうとセンチネルは俺の方を一度見ると目を閉じ深呼吸をした。俺はそのときオークを倒したのが誰かをエリンにいうのだと悟った。それにもし俺がその立場だったとしたらセンチネルと同様のことをしたと思う。
それぐらいアスティナが強いということを認識させないと彼女は首を縦に振ることなど有り得ないと思った。そしてギルドマスターとして彼女を説得するために話し始めた。
「あのオークを殲滅したのはキミの相棒のアスティナ君なんだ!」
「・・・・・・アスティナが・・・本当なのアスティナ!?」
「・・・あぁ、本当のことだ」
「ギルドマスター!それだけじゃまだ信用できません!!」
「エリン君・・・キミ。アスティナ君の黒い騎士を見たことはあるかい?」
「はい、なんか仕草が可愛い騎士様ですよね!」
「その騎士を冒険者ギルドの階級で示すとどれになると思う?」
その質問には俺もどれぐらいになるのだろうと考えてみることにした。A級冒険者で身近にいるのはエリンぐらいしかいない。それ以上の人材は師匠やリリアーヌの両親、アッシュ、それとセレーン姉妹といったところか・・・。
たぶんそのあたりがS級冒険者のラインなのだと思う。ただ昨日見せたときにセルーンが勝てないといったってことは、守護者はそれ以上になるのだろう。
「あのときウルフ3匹を一瞬で倒したし・・・それにわたしを抱きかかえたうえであの移動速度・・・S級冒険者ぐらいですか?」
「正解だけど不正解でもある」
「どういうことでしょうか?冒険者ギルドにS級よりも上はないはず・・・まさかあのうわさ・・・」
「エリン君の思っているとおり、S級だけはさらに3段階にわかれている。S、SS、SSSその中であの騎士の評価は・・・SSS級だ。いま現在このSSS級と呼ばれているのはボクを含めて5人もいないほどの逸材ってことだ・・・それがボクがアスティナ君ならできると思った理由になる」
「あの・・・騎士様がギルドマスターと同じ階級なのはわかりましたが時間であの騎士様は帰ってしまうのでは?」
そのことをすっかりいうのを忘れていた・・・。恐る恐るギルドマスターの方を見ると平常心を装うようにするためか俺の嘘を見破ったときのように目を閉じて頷く動作をしていた・・・。
ただ今回に関してはこいつなにも考えてないなとなぜか分かってしまった。
それにセレーンさんもセンチネルをすごく冷たい目で見ていたことが余計にそう思わせたのだ。ここは俺がなんとかするしかないと思いとりあえず納得してもらえるように相棒に追加で説明をすることにした。
「エリン、あのあと記憶を取り戻したことによって呼べる時間が延びたんだ!なんと15分も呼べるようになったんだ!!」
「・・・・・・樹海のときによりもそれは長くなったの?わたしいつから呼んでたのか知らないし・・・」
やってしまったと思い顔を上げるとセレーンさんと目が合った・・・その目はとても冷たい目をしていました・・・。センチネルがあんな感じになったのも理解してしまった。
「だ、大丈夫だ!それに俺には魔法もあるし!!」
「でも、魔法は高いから買わないっていってなかった・・・?」
「今回に限っては冒険者ギルドが魔法も負担してくれるらしいから!なぁ、そうだろ!センチネル!!」
「・・・・・・もちろんだ!オークキングを倒してくれるのならそれも負担する!!」
「ほら・・・ギルドマスターもこういっているわけだし!!」
「・・・・・・・・・わかった、わかりました。今回はアスティナの熱意に免じて・・・お受けします!」
「はぁ・・・ありがとう!エリン君・・・本当にありがとう!!セレーン、後のことは任せたよ」
「・・・はい、承知いたしました。。それではアスティナさん、エリンさん、オークキング討伐よろしくお願いします」
俺とセンチネルは肝を冷やしながらもやって任務をクリアできたことによる達成感でいっぱいになっていたとき後ろの方で声が聞こえた。
「あのぅ・・・・・・セレーン・・・もうお話終わった?・・・・・正座・・・・解いてもいい?」
「はい、姉さんもう正座を解いてもいいですよ♪」
「はあぁぁぁぁぁ~~~~、足が・・・・足の感覚が・・・・・・あの・・・セレーン・・・ちょっと近づかないでくれますか?」
「姉さんも疲れたでしょう~?いまマッサージをしてあげますね・・・。みなさんも良ければマッサージして差し上げましょうか・・・それともみんなで交代で姉さんにマッサージします?」
それを聞いた俺たちは首を横に振り、どちらも否定すると逃げ出すように部屋を出た・・・。
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