第22話 俺、異世界で魔法を唱える
俺は全ての魔法書を読み終えたことを師匠に報告するために彼女たちがいる場所に戻った。
「師匠~!本棚にある魔法書、全部読み終えました~」
「はぁ・・・?君あの量の魔法書を全部読んだのかい・・・。初級だけとかじゃなくて?」
「はい、師匠!それで30種類ほど覚えたのですが本に載っている魔法って種類が少ないのでしょうか?」
「いや、属性ごとに多少数に差はあるが1冊に20~30種類は載ってるはずだよ?」
師匠がいってることが嘘とは思えなかった俺は文字が一切読めないけど魔法を覚えれたことやショップのことも話した
「君さ、ストレージ以外にもそんな能力があるのかい、まだなにか君には秘密がありそうだね。まぁ思い出したらまた僕にいいなよ。それにしても僕は魔法書の方から使い方を教えてくれるとはいったけど、文字を読まずに魔法を覚えたのは君がはじめてだよ」
師匠はとても楽しそうにそう話してくれた。そんな俺たちの会話を横で聞いていたエリンは興味津々な様子でこちらを見ている。俺はそのときショップの存在が彼女にバレたことに気づいた。
「ねぇアスティナ!ねぇ、ねぇアスティナ!」
「ふふ・・・、今回は君の負けだね。実際に僕もどんな能力なのか確認はしておきたいね。はい、金貨1枚」
「・・・・・、わかりました。師匠」
「買う魔法はヒールで頼むよ」
俺はショップを開くとチャージと書かれている場所に師匠から頂いた金貨をいれて、ヒールを購入した。買った瞬間手元に来るかと思っていたがストレージに直接収容されるようになっていた。
「イクストリアの金貨消えちゃったわよ!本当にどうなってるのよ、これ!?」
「これもストレージと同じようにアスティナには画面が見えているんだろうね」
「師匠、購入出来ました。このカードがヒールらしいです」
「ほぉ、ほぉほぉ。絵がさっきのバトルブーツと違うみたいだね。それじゃ早速使ってみなよ。ヒールを使う時は誰のどこを癒したいかをイメージするか。癒したい個所を手で触れるといいよ」
俺は師匠にいわれるがままストレージから取り出したヒールを右手に持ちつつ、左手でエリンの頭部を触りながら唱えた。すると、手に持っていたカードが消えると同時にエリンの頭部を囲むようにうっすらと光が見えた。
「間違いなくヒールだね。君、ちゃんと発動出来ているよ。おめでとう、これにて弟子卒業だね」
「はい!ありがとうございました・・・。えぇー!ちょ、ちょっと師匠!」
「君、僕はもう師匠じゃないんだからさ。ちゃんとイクストリアさんと呼びなよ?」
「えぇぇぇぇぇー、なんかもうちょいありません、普通・・・?し・・・、イクストリアさんってば~!」
「また2人で遊んでる~、わたしもまぜなさいよね!それとヒールするときなんでわたしの頭を触ったの・・・?」
「そりゃ・・・、もうちょいマシになれば・・・、し・・イクストリアさんからいってくださいよ!」
「あははは・・、いやぁ、僕にはどういう意味か全然理解できないな~。久しく一緒にパーティも組んでいないしね・・・、あははは」
こうして俺は初めての魔法体験を終えた。
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