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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第3章 ガルード連合国編

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第200話 俺、異世界でカスミとの手合わせその1

 カスミと5メートルほど離れた位置で対峙する。


 俺とカスミは目を合わせ、次に軽く頭を下げ会釈をして言葉を交わす。


「それではアスティナ殿、準備の方はよろしいでしょうか?」 


「あー、こっちはいつ始めてもらっても問題ない」


「では、早速手合わせ願います・・・アスティナ殿」


「それじゃ~、開始の合図はエリンに頼むとするかな」


 俺が用意した休憩スペースで至福の時間を過ごしているエリンに聞こえるように少し大きめの声で彼女に手合わせ開始の合図をするように指示する。


 クッキーを右手に持ったまま口をもぐもぐしながら、クッキーを持っていない左手で拳を作り親指だけを立て、分かったと合図を送っている。


 クッキーをほっぺたがぱんぱんに膨らむまで口に詰め込んでおいて・・・どうやって合図を送る気なんだ・・・。


 とりあえずエリンがしゃべれるようになるまで待つか。


 俺と同じようにエリンの様子を見ていたカスミも俺と同意見のようで、自然とそのことを口に出すこともなくアイコンタクトで意思疎通することができた。


 それにしても毎回見てて思うのだが・・・うちの相棒は成人男性二日分は優に超えるカロリーを摂取しているはずなのに・・・なぜに体型が崩れない・・・。   


 彼女の種族エルフ族の体質がそういうものだからだろうか・・・それともエリンが特別なのか・・・他にエルフ族の知り合いとなると、あとは師匠ぐらいしか思いつかないが、師匠は食い意地よりも酒の方だからあまり参考にはならないな・・・酒ならばエリンのように上限無視して飲み続けるけど・・・。


 俺もエリンほど量は食べないがそれでもこのアスティナの幼い体型からすれば、食べている方だが・・・体型はカードイラストのように一切変化したことがないな・・・やっぱり何か要因はあるのかもしれない。


 まぁ食べた分だけ普通に身体を動かしているってのもあるか・・・あるかな。


 やっとクッキーを食べ終えたエリンは右手に持っていたクッキーをチラッと見たあと、すぐに皿に戻しお茶を飲んでクッキーでパサついた口を潤わせている。


 今回取り出した水筒に入っているお茶はリリアーヌでもシスティでもなく、俺たちが泊まっている宿屋で淹れてもらった水出し緑茶。


 ハーブティーも紅茶も美味しい・・・だけどそれでもガルード連合国ではじめてお茶を飲んだときの何とも言えないほっこりとした懐かしさ・・・やっぱ俺って日本人なんだということを再認識したんだよな・・・この世界では正確には獣人族ってことになるんだけど、まぁどちらでもいいか。


 ゴクゴクと飲み干し空になったコップをテーブルに置くと、エリンはいきなり3秒前から数え始めた。


 その瞬間、俺とカスミはこれが開始の合図だと認識する。


 俺は前後左右すぐに動けるように軽くステップを踏んで開始を合図を待つ。

 

 カスミは俺とは対照的で微動だにせず、柄に手を当てジッとその時を待っている。


「さ~ん、にぃ~、い~ち、ぜろ~!!」 


 エリンの合図とともにカスミはムラマサを抜刀し、中段の構えというやつだろうか剣先をこちらに向け、こちらの出方をうかがっている。


 そのまま正直に真っすぐ向かえばムラマサを振り下ろされる・・・だからといってこのまま様子見で何もしないのであればそれはそれで面白くない。


 ここはまずは俺の方からカスミを試してみることにするとしよう。


 足に力をいれて地面を蹴り、一気に加速して馬鹿正直に正面からカスミの間合いに入る。


 あと一歩踏み込めば蹴りを入れられる位置まで進んだときだった・・・急に寒気というか殺気を感じた俺は急停止してバックステップでカスミから離れる。


 刹那・・・・・・シュンッ!!という空を切り裂く音が聞こえた・・・危うくあと一歩前に進んでいれば俺は斬られていたことになる。


「あっぶね~、あとちょっとで斬られるところだったわ~」 


「某の間合いをこうも容易く見極めるなんて・・・アスティナ殿、すごいです!!」


「いや・・・振り下ろす直前に刃を返して、みねうちをしようとしたあんたに言われてもなぁ・・・」


「そこまで見えていたのですね、さすがはアスティナ殿!!では・・・次はこういうのはいかがでしょうか?」


 カスミはそう言うと俺と同程度・・・いやそれよりも速い動きで一気に間合いを詰める。


 頭の位置などが上下することもなく、俺に向かって走ってくる・・・そのせいでカスミとの距離感が測りにくい。


 その躊躇した一瞬の隙を狙いカスミは今度は振り下ろすのではなく、俺の胴体めがけて右から左に向けて水平にムラマサを振り切る。


 ・・・・・・・・・シュン・・・・・キィーン・・・・・・・・・金属音がこだまする。


「これもダメですか!!これも防ぐなんて、すごいです!すごいです、アスティナ殿!!」


「さすがに回避までは無理だったけどな・・・バトルブーツを履いてなかったらと思うとゾッとするわ」


 俺は左足を上げてムラマサの軌道に合うようにバトルブーツを置くことにより、防御に成功していた。


 それからカスミは「こういうのはいかがでしょうか?」という声掛けに合わせて毎回違う切り口で攻撃してくるのであった。

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

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