第195話 俺、異世界で首都オオエイドで今後の予定を考える
俺たちはいまガルード連合国の首都オオエイドにある宿屋の一室に泊まり、そこを拠点として七つの大罪につながる情報を手に入れるべく日々首都を観光・・・・・・調査している。
俺とエリンそれぞれ部屋を取ろうしたのだが、秒でエリンにその案は却下された。
その分泊まる部屋はちょっと豪華にしておいた、ダブルベッドがふたつ用意されていたりなど複数人で泊まることが前提の部屋のようで、気分で寝るベッドを変えたりしている。
ベッドで思い出したが・・・大陸間をテレポートで移動することはできなかったが、システィはその制約対象外なようで普通に大陸間を移動してきている。
システィの瞬間移動は魔法によるものではなく、召喚による移動によるものだからだろうか。
それは船に乗っているときも同じで毎日システィは無断乗船をしていた・・・まぁ部屋の外には出ていないからセーフ。
俺が部屋にいないときにこっちに来るとバッタリ他の人に会うかもしれない危険があったため、次以降は前もって時間を指定するようになった。
それはいまも続けているが・・・正直毎回その時間に部屋に帰らないと行けないので時間管理が微妙にしんどかったりする。
システィとテレパシーみたいに離れて会話ができればそれで万事解決なのだが、色々と試してみたけどまだ一度も成功していない。
はじめてシスティを召喚したときは会話とまではいかなくても彼女の声が聞こえたんだけど・・・いまはそれも聞こえないしな。
なにか解決策が見つかるまでは当面の間は門限をしっかり守らないとな・・・。
現在分かっている事はアルトグラム王国には傲慢プライドがいたように、ここガルード連合国には嫉妬エンヴィーがいること。
ただどちらとも直接こちらに介入することはできない、それに関してはこちらも似たようなもので直接やつらの根城に特攻を仕掛けに行くことができない。
やつらができることは言葉巧みにこの世界に住む人々を操り洗脳して自分のコマにすることで間接的にこの世界に介入してくる。
次に首都オオエイドをここ数日かけてあちらこちらと調査をしたが、一度たりともやつらの声を聞くことがなかったこと。
アルトグラム王国にいたときも冒険者の町、王都と街中では一度もやつらの声は聞こえなかった・・・・・・つまり今回もやつらの息がかかった人物は中枢にいるのかもしれない・・・そうこの窓から見えるあの外見が完全に日本の城を彷彿とさせる・・・オオエイド城にいるはず。
ただ・・・あの城にどうやって入るべきか・・・一度、旅立つ前にアルトから貰った【アルト王家刻印指輪】を城の警備兵に見せ入城しようとしたことがあったが・・・普通に門前払いされたんだよな・・・。
・・・・・・やっぱあの城に忍び込むしかないか・・・それか・・・ガルード連合国主催の大会にエントリーして優秀な成績を収めて、正面から堂々と入城するか・・・。
その二択で判断するとなると・・・あー、かなり面倒くさいけど大会にエントリーするほかないよな・・・。
獣人族は力量を証明することが一番手っ取り早いということもここの冒険者ギルドで体験済みだ。
各ギルドの本部は冒険者の町ミストではあるがそれらにはそれぞれ支店が存在しており、首都オオエイドにも冒険者ギルド、商人ギルド、職人ギルドが存在している。
まぁそれで・・・俺の見た目がアスティナという可憐な少女なため、ゲケレストのときのように見下してきたので・・・盛大にボコってやるとやつらの見る目が明らかに変わっていたからな。
あとで俺とエリンがSSS級と知ったあいつらの顔はなかなか愉快だったな~、ただ会うたびに俺やエリンのことを【姐さん】と呼ぶようになってしまったけど・・・。
それと旅立つ前にセンチネルの忠告で全額下ろした分は口座に戻すことはせず、そのままストレージに収容したままにしておいた。
ストレージに収容しているため邪魔になることもないし、それにあの硬貨を全てまた取り出して口座に入れるのが面倒くさい・・・。
それに・・・いまは大丈夫とはいえ・・・やつらの手によっていつ凍結されるか分かったもんじゃない・・・王都アルレイン、冒険者の町ミストからはいまのところ手を引いているようだが、他の国や街はどうなっているか分からないしな。
さて・・・それじゃ今日はとりあえず大会にエントリーしに行くとするか。
ベッドに座って外の様子を観察しながら、今後の予定を考えている俺をよそに・・・エリンとシスティはどっちの髪型がアスティナに似合うか朝から激しく口論している・・・。
あぁ・・・今日も実に良い朝だなぁ・・・。
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