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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

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第189話 俺、異世界でサイレントをかけられている人を見る

 無事わーさんとの契約完了した俺はエリンと師匠が談笑している休憩スペースに移動する。


 休憩スペースに到着した俺が現場で目にしたのはリカバリーとキュアによって完治した師匠がエリンに反撃している姿だった。


 筋を痛めていた師匠にエリンはちょんちょんと突っついていたのに対して、師匠は物理で返すことはせずに上級魔法のサイレントをかけていた。


 師匠がエリンにかけたサイレントは闇属性の上級魔法なのだがこれはその名の通り、対象の声を無音にするというものだ。


 つまりどういうことかというとサイレントをかけられた人はどれだけ声を出したとしても全て無音・・・ミュートになる。


 ただ五月蠅いやつを黙らせるだけではなく、実はこれにはもっと有効な使い道がある。


 不遇な闇属性の中でもかなり優秀な部類に入っていたりする、これは俺も師匠に教えてもらうまで全く気づかなかった。


 このサイレントが優秀な理由・・・まず魔法を発動する場合に必ずあることしなければならない、それは魔法使いならば全員と言っても過言ではない。


 それは実に単純なことで魔法は唱えないと発動しない・・・つまり何が言いたいかと言うと、魔法は発声しないと発動しない。


 詠唱しようが無詠唱だろうが・・・最後には絶対その魔法名を言わなければならない以上、魔法を主として戦う相手には圧倒的に有利が取れる。


 それだけ聞くと先に唱えた方が有利を取れてそのまま圧勝できると思うのだが、さすがにそこまで使い勝手が良いというものでもないらしい。


 まず術者がサイレントをかける対象よりも魔力が多くないといけない、次に魔力が上回っていたとしても成功率はほんの10パーセント程度、そして最後に効果時間はたったの60秒・・・。


 なんだろう・・・優秀なのは優秀なんだけど・・・やっぱ他の魔法に比べると悲しくなってきたわ・・・。


 それにしてもエリン本人は全力でしゃべっているんだろうけど、マジで何も聞こえないなこの魔法本当にこのシーンだけ見ると優秀に思えるんだけどなぁ。


 一瞬エリンと目が合い俺に何かを伝えようと必死に口をパクパクしているのが見えたが・・・とりあえずスルーした。


 その後エリンはまた師匠に突っかかっていたが・・・それも見事に無視される。


 全力でパントマイムをしているエリンをよそに俺は師匠に無事契約できたことを報告することにした。


 エリンはとうとう諦めたようで皿にのっているクッキーを手に取っては口に放り込んでいた。


 ついでにいうと・・・皿にのっていた全体の8割以上はもうエリンの腹の中に仕舞いこまれているようだ。


「師匠、無事何事もなく契約できました。ありがとうございました!!」 


「ここからちゃんと見ていたさ。弟子君、デスサイズ習得おめでとう!!そのデスサイズ能力も君のカードを主軸とする戦い方に実に合っている。ストレージからカードが無くならない限り、連続で魔法を発動できる・・・・・・それは君だけの能力・・・君の先生になったときからずっと言っているけどさ、使い方だけは間違ってはいけないよ・・・強大な力を持つと言う事は・・・それだけ責任も生じるってことなんだからさ」


「はい、師匠!!・・・俺にはその責任の重さについての実感はまだわきませんが・・・その言葉・・・肝に銘じます」


「そこまで神妙にならなくてもいいよ、君の先生としてたまにはカッコいいこと言わないといけないと思っただけだしさ!!それともう一つ・・・もし心が折れそうになったときは僕みたいにのんびりと過ごしてみるといい。人によっては現実から逃げているだけと思うかもしれないけどさ・・・こういう時間も大事だと僕は思うんだ」


「でも・・・師匠のあのぐ~たらな生活はあんまりしたくないですけど・・・ほら、師匠あれを見て下さい・・・エリンも首すっげぇ縦に振ってるでしょ・・・」


 師匠はデスサイズを覚えた俺に祝福の言葉を告げると共に俺がこれからやろうとしていることに勘づいているのか、強大な力を行使する者の責任・・・それとプレッシャーに押しつぶされないための逃げ道について師匠なりに言葉を砕いて話してくれた。


 ただ師匠の一度休憩して距離を置くという考え自体は俺もエリンも大賛成だったことは言うまでもない。


 師匠にどんな過去があったのかは俺には分からないが・・・数多くの魔法を使いこなし、オークエンペラーさえ一撃で屠るあのシスティの侵入を拒むほどの強力な結界を張り、そして冒険者ギルドのギルドマスターであるセンチネルが敬う存在・・・か。

  

 俺からすれば魔法を教えてくれる先生だし、エリンは元相棒であり今は心を許せる数少ない友達・・・過去がどうであれいまそういう関係が築けているのなら、それでいいのではないだろうか・・・ふむ、途中から考えがあらぬ方向に進んでしまったが、俺には支えとなる人たちがたくさんいるから大丈夫。


 そんな真面目な会話の途中でも師匠はサイレントの効果が切れそうになると、しれっとエリンにサイレントが成功するまで何度も連呼して、かけなおしているの俺は見逃さなかった。

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