第188話 俺、異世界でデスサイズを試すその6
署名欄にアスティナとサインをした俺は契約書をわーさんに手渡す。
サインを確認したわーさんは「これで契約完了や、ほな次はどれにどんな能力つけるか決めよか」と早速話を進めてきた。
全てを決めてから最後に契約するとかじゃないんだなぁと思いながら、俺はデッキケースに自動補充能力を付加してほしいと俺の能力や戦闘スタイルについて実際にドローしたり、魔法を唱えたりしながらわーさんに説明する。
わーさんは少々戸惑いつつも自動補充能力をデッキケースに付加してくれた。
ただわーさんもちゃんと機能するか不安だったらしく、俺に問題ないかと何度も何度も聞いてきた。
その度に俺は完璧な仕上がりだと彼に言い続けた。
実際のところかなり良い・・・俺が思い描いていた通りの能力だった。
デッキケースに入れているカードをチェックで確認しながら、上から順にドローをし続けてみた。
ドローをした瞬間減った分をすぐに自動補充しているのが確認できる、減った分をどこから補充しているのか調べてみると、ストレージに収容してある分からデッキケースに補充していることが分かった。
ドローする度にショップから強制購入されていたらどうしようかと思ったが、俺の色々と足らない説明を聞いてちゃんと俺の理想通りの能力に仕上げてくるあたり、もしかしてわーさんって出来る男・・・もとい死神なのでは・・・。
ステータスを開いてデスサイズ発動中のHP消費も確認するが、どっかの愛溢れる姉さんとは違いHPが減少することもなかった。
ドローをして自動補充能力が発動したときのHP消費も確認するが、やはりHPが減少することはなかった。
この能力はあくまでデッキケースの能力を補助することを目的としているためか、少量の生命力を支払うだけで良さそうだ。
完全にオリジナルで作った場合は代償が大きかったかもしれない・・・師匠の空間断絶のように。
そんな能力を付加していたら、もしかするとこのドレスの自然回復量を超えていたかもしれない・・・いや確実に超えていただろうな・・・。
それとデスサイズ発動時の具現化だが・・・師匠から聞きそびれていたが、具現化する場合はどんな見た目だろうが基本黒色ベースになるそうだ。
刃などがある場合はあの師匠の鎌のように白銀の刃が取り付けられるらしいが・・・デッキケースに刃物は意味が分からないし、あの色は綺麗だけど俺の場合は必要ないな。
なので、俺の場合は白基調だったデッキケースをデスサイズ発動中は色を反転して黒基調にすることにした。
これならすぐ一目で分かる、まぁ肝心のデッキケースは太ももにベルトで固定しているから実際に確認する場合、ドレスをめくらないと見えないんだけどな。
さすがにそれはマズい気がする・・・それにデッドラインを超えそうになったら、勝手に解除されることだし・・・別に確認しなくても問題なかったりする。
ただそれを大義名分としてアスティナの脚を拝むことができるのでは・・・・・・いやそれどころか毎日見てたわ・・・俺。
能力、見た目も決まったところで最後にわーさんの住居となるペンダントに胸元から引っ張り出す。
「わーさん、ありがとうな!見た目も能力も俺が思っていた以上にいいものになったよ!!それで最後にわーさんが住む場所なんだけどさ、これなんてどうよ?」
ペンダントの先端で光り輝くルビーをわーさんが見やすいように手のひらにのせる。
わーさんはところどころ言葉を詰まらせつつ、感謝してくれた・・・そして思わぬ副産物を得ることができた。
「なんやこれ・・・わいこんな豪華な家泊まったことあらへんわ、こんなんこっちから頭を下げてお願いせなあかんやんか。ほんまおおきにな、アスティナはん。・・・せや!お礼といったら大げさやけど・・・ここに住んどる間はアスティナはんに危害が及ばんように目を光らせておくさかいに!!」
「それってあれか、前もって怪しいやつがいたら教えてくれるとか?」
「そういうことや、わいに任せとき!!」
まさか欲しかった能力ふたつを手に入れることができるとは・・・しかも死神であるわーさん直々に監視してくれるとか、もうこの言葉だけで安心できる。
全てが完了したところでわーさんは「ひゃほほほほ~い!!」とはしゃぎ早速ルビーの中に吸い込まれるように入っていった。
「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら
是非ともブックマーク、評価よろしくお願いいたします。




