表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

183/220

第182話 俺、異世界でコンシールメントという魔法を知る

 師匠が発動した【コンシールメント】という魔法は術者が指定した範囲を外部から視認できなくする隠蔽魔法のようだ。


 師匠曰くこれでもだいぶ効果範囲を抑えて発動しているらしい・・・師匠が本気でこの魔法を発動した場合、町一つぐらいなら余裕で隠せる。


 つまりは冒険者の町ミストを完全に隠蔽することができるというわけだ・・・さすがは俺の師匠。


 俺が何度か使ったことがあるハイドは術者本人を他者から見えなくするという魔法だったが、こっちは魔力を隠すことまではできないためエリンや師匠のように魔力感知能力が長けている人物には無意味な魔法・・・しかもデメリットとして走ると解除・・・足音や声などは消すことができないため、魔力感知以外でも見つかる可能性が高く、デコイと同じで使いにくい魔法の代表とまで言われたような・・・。


 一応ハイド、デコイどっちも上級魔法なのにな・・・それに比べてリカバリーやフライは本当に使い勝手が良いんだよなぁ、あれか闇属性はなんか使いにくい要素がないとダメなのかね。

 

 コンシールメントは対象が人ではなく場所のため、使用用途については微妙に違うのだが・・・最上級魔法ということもあり、ハイドの完全な上位互換となっている。


 コンシールメントは闇属性ではなく光属性・・・やっぱり闇属性は不遇なのか。


 この内部にいる限りどんだけ大声で叫んだり、はしゃいだとしてもそれが外部に漏れることが一切ない、それに内部からは外の様子がハッキリと見えるため偵察任務とかに重宝しそうだ。


 その場に留まり相手を監視観察するのならば、圧倒的にコンシールメントに分がある。


 その時点でもうハイドが勝てる要素として徒歩ではあるが他者に見つからずに移動ができるという一点のみになるがそれも先に述べた通りデメリットによって、見つかる可能性の方が高い。


 魔力感知や感覚が鋭い相手には無意味だが逆を言えばそれ以外の相手を追跡する場合にはハイドに分がある・・・でもまぁそこまで気づかない相手ならば、そもそもハイドを使わずに尾行してもバレないかもしれないけど・・・。


 この魔法俺も使ってみたいが俺の場合覚えられる魔法に偏りがあるんだよな・・・光属性はヒール、リカバリーとかの回復系を覚える傾向にあるんだよな・・・回復を覚えられるだけで非常にありがたいし、助かるんだけど・・・この魔法いいよなぁ。


 それにしても師匠がわざわざこんなコテージを作るとも思えない・・・となるとこれは誰が用意したものなのだろう。


 俺がこの場所について師匠に尋ねようとしたとき、隣で思い出すことを諦めて呆けていたエリンが急に大声を上げる。


「あーーーーーー!!思い出したーーー!!」 


「おっ、エリンやっと思い出したのかい?思い出してくれて良かったよ、エリンが本当にこの場所を思い出せないようなら・・・僕はリーズランドにこのことを報告しないといけないとこだったからねぇ・・・」


 師匠から【リーズランド】という人物名が出た途端、エリンの挙動が明らかにおかしくなる。


 両手をバタバタと前後左右に動かしながら師匠に近づいて行く、手が届く範囲にまで近づくと彼女の両肩にそれぞれブォンっという風切り音が聞こえるほどの勢いで手を振り下ろし掴むと前後に揺さぶり始める。


 そして・・・リーズランドという人に報告しないように全力で懇願するのであった。


「イクストリアァ~~~~!!思い出したから!!わたし思い出したから!!リーズランドに言うのだけはやめてええぇぇぇぇこの通りだからぁぁぁぁぁ!!」


「冗談だって、冗談だから・・・僕がそんなこと言うわけないさ・・・もしそれを言えば僕も同じ目に遭いそうだし、言わないさ・・・それよりもエリン・・・その揺らすのそろそろやめないかい?・・・僕ちょっと気持ち悪くなってきたんだけどさ・・・・・・うっぷ・・・」


 こみ上げる吐き気を必死に耐え瞳に少しずつ涙が溜まりつつある師匠は懇願するエリンに揺らすのをやめて欲しいと逆に懇願し始める。


 エリンが師匠の両肩から手を離した時にはもうすでに手遅れだったらしく・・・師匠はその場でしゃがみ込んで大人しくなっていた。 


 小動物のように大人しく静かになった師匠の背中をエリンは「ごめん」と言い続けながら優しくさすっている。


 そんな状態のふたりを遠目から見ていた俺はあのふたりがそこまで怯えるリーズランドという人物に一度会ってみたいなと思いつつ、リカバリーをドローすると患者がいる場所に急行するのであった。

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

是非ともブックマーク、評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ