第17話 俺、異世界で靴を買うための靴をもらう
俺たちは昼食を食べ終え、リリアーヌから勧められたハーブティーを持って部屋に戻り、このあとの予定を決めることにした。
「はぁ~、これも普通にうまいな!本当に食後に最高だわ」
「でしょ~、それとこのハーブティーはねぇ」
彼女が嬉しそうにリリアーヌのハーブティーについて話そうとしている。俺はすぐに初回発動した”鑑定”をOFFにした。そこまで器用な性格ではない俺には素直に驚くような演技は無理だ。ならば、最初から知らなければいいという対策しか思いつかなかった。
「リリアーヌちゃんお手製なのよ!どぉ驚いた?」
「マジかよ・・・、あの子までこんなの淹れれるのか・・・あの家族全員スペック高すぎないか!」
「あー、お茶請けにクッキーももらってきたのよ。アスティナたべる?」
「おっ、んじゃお言葉に甘えようかな。いただきま~す」
「なにを食べても全部うまいんだけど・・・、もう俺ここに住むわ!」
予定を決めるどころかいつものグダグダな流れになりつつあった。こういう流れの場合、基本的に俺が話を切り替えて次に進めるのだが今回は彼女の方から話を切り替えてきた。
めずらしいこともあるんだなと思い、俺は手に持っていたカップをテーブルに置いて、話を聞く体勢にはいった。
「アスティナこのあとなんだけど、買い物に行こうと思うの!とりあえず、まずは靴ね!!」
「あっ、確かに。誰もなにも言わないし俺も気にしてなかったけど・・・、俺まだ裸足だったな・・・」
「それで外用の靴はリリアーヌちゃんと話し合って買ってるから、それを履いて靴を買いに行きましょう!」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってくれ・・。えーと、気のせいかさっき靴を買うための靴を買ったとかいったか?」
「えぇ!そうよ!それを履いて買いに行きましょう!さぁさぁ!」
「あー、なんだ・・・。その・・どうもありがとうございました。あとあれだ、靴ぐらいは自分で履ける!履けるから!」
とはいったがどうせ無理なので諦めて履かせてもらうことにした。リリアンクラインシューズ子供に人気のブランドシューズらしいのだが、この子供用の靴だが鑑定の結果、金貨2枚である。初級ポーションが銅貨2枚、昼飯のウルフにく入りシチューが銅貨4枚。
あの女神さまが売りさばいたコレクション1,000万円分が変換されたときには金貨1,000枚になっていたことと、彼女との会話やさっきの昼食代などを考慮して判断した結果が、銅貨1枚=100円、銀貨1枚=1,000円、金貨1枚=10,000円である。
それを靴を買いにいくのにいるからと買ってくれたエリンと一緒に選んでくれたリリアーヌには感謝しかなかった。俺からもなにか恩返しを兼ねてプレゼントするべきなのだが、どうせなら喜んでくれるものをあげたいと思った俺はエリンに聞いてみることにした。
「なぁエリン?俺の靴を一緒に靴を選んでくれたリリアーヌになにかお返しをしたいんだがなにかないか?」
「そうねぇ~、あの子には趣味であり仕事にもなっているハーブティーに関係するものがいいんじゃないかしら?」
「ふむふむ、リリアーヌへのお返しはそれで決まりだな!それでエリンはなにがいいよ?」
「えっ、わたしは別にいらないわよ。好きでやってることなんだし、それじゃ用意も出来たことだしカップを返却して、買い物に行こう!」
彼女はそういうと飲み終えたカップを手に取り、部屋を出ていくのであった。俺は彼女がなにを欲しがっているのかこの買い物中に見つけ出して、強制恩返しをしてやるとこのとき誓い、彼女のあとを追って部屋を出た。
「えっと、まずは靴を見に行くんだっけか?」
「そうね、そのあとはこの町を案内してあげる。きっとアスティナも気に入ると思うわ」
「町以前にもうこの宿屋がお気に入りになってしまってるけどなぁ~」
「ここも一押しだけど、他にもいろいろとあるのよ!」
「それは楽しみだわ」
俺たちはそんな会話をしながら、宿屋をあとにした。
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