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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

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第174話 俺、異世界で男どものポンコツっぷりを知る

 これからやるべきことをもう一度再度確認しておくか・・・。


 七つの大罪への対策についてはまずは各陣営の代表選抜を妨害していくことにより、陣営強化の成長速度を停滞させ、世界大戦が始まるタイミングを少しでも遅くする。


 その間に世界大戦を止める術を見つけ、それを実行することが最終目的になる。


 ふむ・・・本当にとりあえずやってみよう感がすごいな・・・だがいまはそれでも行動するしか選択肢がないんだよなぁ、このまま放置すればマジで取り返しのつかないことになりそうな予感が・・・・・・違うな、取り返しのつかなくなる。


 彼らに今後の行動予定も伝えたことだし・・・さて、すぐに次の大陸を目指して出発するべきか・・・それとも一度ミストに戻り、みんなにしばらくの間会えなくなることを伝えてから出発するべきか・・・。


 次に会うのがいつになるか分からないと前回別れてすぐに今回会ってしまったが、次回からは本当に会う頻度が減ってしまうことに気づいてしまったライユちゃんは今にも大泣きする予兆がビシビシと伝わるほどに少女の目に涙がドンドン溜まっていく・・・。


 そんなライユちゃんの状態を見たソレイユは娘が大事にしている絵本を自分の涙で濡らさないように素早く奪い取っている。


 普段なら全力で拒否するであろうライユちゃんだったが、涙をこらえることに必死になっていたこともあり、そっちに気がいっていたようで抵抗する間もなく奪われていた。


 そして・・・ついに許容量を超えたのか一滴の雫がこぼれたことがスイッチとなって、ダバーっと滝のように涙が頬をつたって流れ続ける。


 しかし・・・少女から一言も発せられることはなく・・・ただただ無言で枯れてしまうのではないかと思えるほど涙が溢れている。


 先ほどまで少女が大事に持っていた絵本の位置に彼女の涙がポタポタと落ちている。


 涙で自分の衣類が濡れることなどお構いなしに溢れてこぼれていく。


 ただ無言で涙をこぼす少女にどう対応すればいいのか分からず混乱する俺・・・。


 そんな使えない俺とは真逆にエリンはハンドタオルを取り出してライユちゃんの溢れ続ける涙を拭っている。


 アルトとその息子も俺と同じように混乱している・・・よし、俺ひとりだけじゃなかった・・・こういうときの男どものポンコツっぷりは本当に目も当てられない。


 システィは涙を流す少女を落ち着かせるためハグをして優しく言葉をかけている。


 絵本を奪取したソレイユは・・・なぜか娘が泣いている横で寝転がって、その絵本を肩肘をついて読み始めている。


 あれかシスティとエリンに全部ぶん投げている感じですかな。


「ライユ様がそこまでお嬢様のことを好いてくださっているのは姉として、私めも喜ばしいです。だからこそ、会ってお話をするときは笑顔でいましょう。じゃないと旅先でお嬢様が思い出すのは泣いてるライユ様の顔ばかりになってしまいますよ?ライユ様もアスティナお姉ちゃんが泣いてるのは嫌でしょ?」


 システィの言葉に少女は真剣な眼差しで耳を傾け、システィの言葉を噛み締め・・・少女は答える。


「・・・・・・うん・・・アスティナお姉ちゃんはニコニコ笑ってるときが一番好き・・・だから・・・ライユもニコニコ笑う!!」


 システィは「はい、良く出来ましたライユ様」と言葉をかける、そしてグッと涙をこらえ泣き止む少女の頭を優しく撫でている。


 エリンとシスティは目を合わせ頷く、どうやら彼女たちはアイコンタクトで大成功とでも言っているのだろう。


 暫くすると天真爛漫なライユちゃんに戻っていた・・・システィ、エリンの協力技もすごかったが、一番すごかったのは彼女たちの言動を心に刻んで自ら復活したライユちゃんだな・・・俺があれぐらいの歳だったときって、欲しいゲームを買ってもらうために全力で駄々はこねる、地団駄は踏むわでやりたい放題だったような・・・。


 いや・・・ライユちゃんもちょいちょい暴走していた気がしなくもない、変な言い方になるかもしれないが引き際が綺麗というか・・・潔い。


「もうライユは大丈夫だから、安心してケンブンを広めてきていいよ、アスティナお姉ちゃん」


「あぁ、ありがとうな。お土産楽しみにしておいてくれよ。ライユちゃんが食べても食べても減らないぐらい持って帰って来るからな!!」


 笑顔で出発を見送ってくれる少女に俺も笑顔でそう答える。


 旅立つには最高のタイミングだと思ったが・・・まだシスティを王城に呼ぶための目印を探していなかったことに今頃になって気づいた。


 さて、どうしたものか・・・このシスティから貰ったペンダントを置いていくか・・・だがこれはアスティナにとってかなり重要なものに違いない。


 ペンダントを握り締めて右往左往している俺にシスティは突然解決策を提示する。


 それは俺とシスティによく似た登場人物が出てくるあの絵本を目印にすることだった。

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