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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第1章 樹海ミスト編

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第16話 俺、異世界で魔物を食べる

 俺は昼飯を食べにまた2階の部屋より降りてきたのだが、風呂に強制連行だったためか全然見覚えがないことに気づいた。キョロキョロしていると、朝に会ったあのおばちゃんから声をかけられた。


「あんた!見違えるぐらい美人さんになっちゃってさ、それでちゃんと礼を言ったのかい?」


「あー、もちろんだよ。それと水ありがとうな、おばちゃん!」


「どういたしまして、それでおめかししてどうしたんだい?」


「いや、普通にここに昼飯を食べにきただけなんだが・・・?」


「あんた!昼食を食べに来るためだけに毎回そんなおめかしするのかい・・・?どこのお貴族様だよ」


「あー、これはなんか彼女の熱意が暴走した結果・・・なんだが」


 そういうとなぜかおばちゃんは納得した様子で席に案内してくれた。俺たちが席に座るとこちらに向かって走ってくる女の子が見えた。


「はい!こちらメニュー表です。注文が決まったら教えてね!」


「嵐のような子だったな・・・、それでエリンどれかお勧めはあるか?」


「そーね、わたしはウルフにくと野菜の炒め物かウルフにく入りシチューをよく頼んでたわ」


「ふむ・・・うん?ウルフにくってあのウルフの、お・に・く?」


「ええ、そうよ。にくっていえば、基本的にはウルフが多いわね。それ以外のにくはわたしたち冒険者はあまり食べないわね」


「そうか、そうなのか。それじゃこのウルフにく入りシチューとパンにしておこうかな」


 そんな会話をしていると、さっきメニュー表を持って来てくれた女の子がこちらに向かって来ていた。小さいながら気遣いが出来る子だと思い俺は感心してしまった。


「注文は決まったぁ?」


「あー、俺はウルフにく入りシチューとパンで」


「それを2人前お願いね」


「あれ?エリンも同じものでいいのか」


「エリンお姉ちゃん、昨日はウルフにくと野菜の炒め物だったから、今日はそっちだと思ってたよ」


「さすがは看板娘のリリアーヌちゃんね!本当に良く見てるわ」


 あの女の子の名前はどうやらリリアーヌというらしい。先ほど看板娘といってたってことは、あのおばちゃんの娘さんか。道理で気立てが良くていい子なわけだと1人で納得していると。


 注文を聞いたリリアーヌちゃんは厨房にいるガタイの良いおっちゃんにメニューを伝えに走っていった。


「あの厨房にいるおっちゃんさ、昔なにかやってただろ?あの体つき普通じゃないって・・・。あのおばちゃんも大概ヤバそうだけど」


「あの人はリリアーヌちゃんのお父さんでゲオリオさん、元S級冒険者よ。あのおば・・・お母さんはカテリーヌさんでこちらも元S級冒険者」


「冒険者の階級はあまり知らないが、それでもS級ってのがヤバいそうなことだけはわかるぞ!」


「そうね!この町であの人たちに知らない人はいないんじゃないかな?もし、いたらそれはモグリね」


「そんな人たちがやってる宿屋って、それだけでここに泊まったかいがあった。まぁ1週間寝てたからあれだがな・・・」


 ここの宿泊費それ以外にも服やご飯、身の回りの世話などたくさん負担を彼女にかけていたことに気づき思わず口に出してしまった。


「そういやさ・・・ここの宿泊費や俺の世話もだけど、ごめん迷惑かけた・・・それといろいろありがとう!」


「どういたしまして、それにこれはわたしためでもあるのよ」


「フォレストエルフに誓ってっていったの覚えてる?」


「あのときの誓いか・・・、あれってそんなに効力がある誓いなんだな。だとしてもだ!ありがとうな!」


 そんな会話をしていたとき、リリアーヌが俺たちが注文したものを持って来てくれた。


「はい、お待たせ!ウルフにく入りシチューとパン2人前だよ!ねぇねぇエリンお姉ちゃん?その子がアスティナちゃんなの?」


「えぇ、そうよ!わたしのアスティナよ!」


「俺はいつエリンのものになったんだよ!君はリリアーヌちゃんだろ?俺の名前はアスティナっていうんだ。背が近いもの同士仲良くしようぜ!」


「よろしくね!アスティナちゃん!エリンお姉ちゃんがいってたのは本当だったんだ~。本当に男の子みたいなしゃべり方をするんだね!!」


「エリンよ、こんな幼気な少女になにをいったんだ・・・。なんかレアものを見るような目で俺を見てるぞ!?」


「あっ、せっかくのご飯が冷めちゃうわ!アスティナ温かいうちに食べよう」


「お父さんの作るご飯は絶品だよ!それじゃ、ごゆっくり~!アスティナちゃん、今度一緒に遊ぼうね~♪」


 俺は親父さんが作ってくれたシチューを早速頂くことにした。スプーンですくってみるとゴロゴロとにくがはいっていた、そう”ウルフ”にくがゴロゴロと。


「いただきます・・・・・!なんだこれ、マジでうまいんだけど!これがあのウルフだと!!」


「そんなに急いで食べなくても、逃げないわよ」


「いや、そうなんだけどさ。スプーンが止まらないんだわ!」


 俺が一心不乱にシチューに食べ続けていると彼女がなにかいったような気がした。


「誓いなんてなくても、ずっと一緒にいてあげる・・・アスティナ」


「なんだよ、このパン見た目は堅そうなのに中はふっくらして、うますぎだろ!!・・・・・、なんかいったかエリン?」


「ここのご飯は絶品でしょ?」


 俺は頷きながら、無我夢中で食べ続けるのであった。

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