第159話 俺、異世界でシスティからプライドの情報を聞くその2
人族の中でもこれほど強い駒がいるとは・・・あの駒は操作はしやすかったが能力がいまいちだったからなぁ・・・。
是非とも我が陣営として欲しい・・・はぁ・・・我の能力で操作できないのが実に残念だ・・・我ではなくエンヴィーと相性が良いかもしれん。
だが、あの駒をエンヴィーが使うとなると・・・我結構厳しい局面になるのではないか・・・それはマズイ・・・非常にマズイ。
やつは主力の獣人族だけでも十分強いのにさらにあの駒が追加されたら・・・我勝てなくないか。
前回の勝者である我が最初に敗退するわけにはいかない・・・はぁ・・・まさか人族がこれほど弱くなるとは思っていなかった。
五月蠅いクインリトを封印してやっと楽しく遊べる環境ができたというのに・・・はぁ・・・どうしたものか。
次の駒をまた探さないとな・・・次はどうするか・・・操りやすいのも悪くないが能力が低すぎるのもなぁ・・・ラストのように他種族も陣営に加えるのも悪くないが・・・だが・・・・・・しかし人族だけでは今回は勝てそうにもない。
それでは・・・・・・同じになってしまう・・・それだけは何としても・・・・・・はぁ・・・新しい代表を探しに行くか。
その言葉を最後にプツンと声が聞こえなくなったとシスティは教えてくれた。
一部言葉が途切れていて、聞いていたシスティも何を言っているのか分からない箇所があったようだ。
システィが俺たちに話してくれた内容はこの世界にいる全ての生物・・・それは人や魔物とかを区別するレベルのものではなく、全ての生命体をただの駒としてやつらはこの世界をゲームとして遊んでいるかのような内容だった。
やつには俺たちの声が聞こえていない・・・自身が洗脳して操作している人物に対してのみ直接干渉するとが可能のようだ。
声は聞こえていないが俺たちの行動は見えているらしい・・・だが、それは自分が干渉している者が付近にいるときしか見えていない可能性もある。
なぜならもしどのタイミングでも見ることができるのであれば、自分が欲しいと思ったシスティがそもそも人族ではないことや樹海で色々とやらかしていたこともやつなら知っているはずだ・・・だが、そのことをやつはラジオで言っていないということは知らないのではないか。
新たな情報が手に入るまで当面の間はやつが操っている者の周辺しか見ることができないという方向で俺たちも行動するしかない。
今回が何回目かは分からないが・・・ここ最近では大きな争いは起こっていないはず、なのにプライドは人族だけの単色デッキではなく、他種族を入れたデッキを作ろうとしている。
そこまで焦っているということはもしかしたら近々世界大戦がはじまるのか・・・いまは陣営強化・・・駒集め期間中ということかもしれない。
やつらの時間の間隔がどういうものかまでは分からないが、早め早めに動いておいた方がいいかもしれない。
とはいえ・・・なにをどうすればいいのやらサッパリ分からないんだけどな。
それとプライド、エンヴィー、ラスト・・・傲慢に嫉妬に色欲か。
俺はそれらの名称を知っている気がする・・・というかゲームやアニメを見たことやったことがある人ならば、大体の人は分かるのではないだろうか・・・それは七つの大罪だ。
プライド傲慢、グリード強欲、エンヴィー嫉妬、ラース憤怒、ラスト色欲、グラトニー暴食、スロース怠惰。
これはそれぞれ人間を罪に導くとされている感情などのことを言っているのだが・・・その内の三人の名称が出てきたということはやつらの正体はこの七つの大罪で間違いないかもしれない。
ということはまだ残り四人いるはずなのだが・・・それだとやつらと種族数が合わない。
この世界にいる種族は人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族、有翼人族、魔族の6種族。
500年前の世界大戦のときは確か・・・人族、獣人族、エルフ族、魔人族、不死族と5種族で全く足りていない。
そしてやつが邪魔な存在のように言っていたクインリトという名前も俺は聞いたことがない。
まだまだ情報が足りてはいないが・・・それでもいまおかれている状況がそこそこ危ない状態なのは理解できた。
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