表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

149/220

第148話 俺、異世界で駄々っ子大臣を見る

「レクメングルよ、もう十分ではないか・・・余もカークランドも彼女たちがオークエンペラーを討伐したという結論に至っておる・・・それに余が見るにお主以外の臣下もそう判断しているようだが?」


 アルトはまだ非を認めず、不毛な議論を続けようとしているレクメングルを諫める。


 だが・・・レクメングルはまだ頑なに頷こうとせずに切り返してくる。

 

「王よ・・・ではなぜ肝心のオークエンペラーが市場に出てこないのでしょうか?冒険者にとって、これほど尊敬される快挙を自ら黙り、さらに莫大な利益を手に入れることが出来たであろうオークエンペラーを買取にも出さずに・・・王冠とナタのみを回収するなど、有り得ますでしょうか!否・・・そんなこと有り得るはずがない!!なんの保証もない冒険者がそんなこと出来ないはずだ!!」


「レクメングル・・・・・・かの死体があればお主は納得するのか?」


「はい・・・我が王・・・この目で見ることが出来た暁には私は彼女たちに首を垂れ、謝罪いたします」


「すまぬな・・・アスティナ・・・余のためだと思って、見せてはくれぬか?」


 子供部屋で会ったライユちゃんのお父さんではなく・・・国王としてアルトはいま俺に頭を下げて頼んでいる。


 その願いを無下にすることはできない・・・できないが・・・ここに本当に取り出しても良いのだろうか・・・それをするということはいま現在とても綺麗な埃一つない赤い絨毯が生臭くどす黒い絨毯に変化してしまうことを意味する。


 そんな呪いのアイテムを生み出しても良いものか・・・俺は眉間にしわを寄せ大惨事になってしまうが本当にいいのかアルトに確認を取る。


「・・・・・・国王様のご希望なので、叶えたいのはやまやまですが・・・あの・・・討伐の際に胴体を真っ二つにしてしまいましたので、取り出しますと・・・この辺一帯が血の海になってしまいますが本当によろしいのでしょうか?」


「ほぉ・・・・・・胴体を真っ二つ・・・そして血の海・・・血の海かぁ・・・」


「はい・・・それはもう大量に絨毯に染み込んでいくことでしょう・・・・・・」


 俺がウソをついていないことが分かっているアルトはすごく嫌そうな顔をしながら、レクメングルに再度本当にオークエンペラーが見たいのかと確認している。


「・・・・・・レクメングルよ・・・それでも見たいか?余はここが血の海になってまで見たくはないのだが・・・」


「王よ・・・こやつらは悲惨な状況を語ることにより、私たちに断らせるように仕向けているだけでしょう!自分たちが討伐していないことがバレないようにするため口実を作ろうとしているだけです!!」


「そうか・・・・・・アスティナ、やってくれ・・・余が全て責任を取る、思う存分やるが良い!!」


 全責任を負うと言ってくれたアルトに応えるためにも俺も腹を括るか・・・。


 ストレージから【オークエンペラーの亡骸】を取り出し、そのまま右手に持った俺は隣にいるエリンに後ろに下がるように指示する。


 指示を受けたエリンは素直に後ろに下がる、ただ下がるわけではなくなぜか俺の後ろにピッタリとくっつくように背後に移動していた。


 俺よりも10センチ以上身長が高いエリンが背後にいるのを見て、なぜか子供の頃に背の順で並んだことを思い出してしまった、ちょうど真ん中あたりで前ならえをしていた気がする。


 エリンがそういう行動をした理由の目星はある程度ついている・・・彼女は気絶していたので、オークエンペラーがどうやって倒されたかを見ていない・・・システィが一振りで止めを刺してくれたことは伝えてはいるが、どんな状態かまでは知らない・・・それに俺のストレージ能力は収容した瞬間に時が止まる。


 例えば熱々の料理をストレージに収容し、何週間後かに取り出したとしても湯気が立った熱々のまま取り出すことができるし、凍らせた状態で収容すると同じように取り出したときも、ちゃんと凍った状態で出てくる。


 いままでの魔物の倒し方はエリンの弓矢による射殺と俺の打撃による撲殺、たまに魔法で火葬したり水葬したり土葬などはしているが、風魔法だけはあまり使ってはこなかったこともあり・・・少しまだそういう状態の死体に慣れていない。


 ガラクさんとこで魔物を買い取ってもらうときだって、そういうシーンは見えないようにカーテンで仕切りをしたりなど配慮をしてくれていた。


 まぁそれはそれで捌いているシルエットがカーテン越しに見えるため・・・ある意味恐怖演出であることには変わりないが・・・。


 途中から俺の話になっていたような気がする・・・。


 とどのつまり・・・エリンは血がつくのを嫌がっているということだ・・・まぁそれはそうか、オークの血など好き好んで浴びるやつなどいないよな・・・そういうわけで最悪、血が飛び散った場合に備えて俺を壁にしようとした結果がいまの状況というわけだ。


 あれ・・・俺に対して超過保護です。前に鑑定したとき書かれていたような気がするんだが・・・気のせいだったのかな。


 そのことを確かめるため再度彼女を鑑定してみる・・・すると、前回と同じく【アスティナに対して超過保護です】と表示された。


 どうやら彼女の中でなにか線引きがなされているようだ。


 さて・・・今回はウォッシュ何枚で綺麗に洗浄されるか試して、そのデータを取るのも悪くないか・・・。

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

是非ともブックマーク、評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ