第13話 俺、異世界でランクアップする
まだ継続中でエリンに頭をナデナデされている。彼女のツボにはいってしまったようだ。もうこれは諦めるしかないな、
とりあえず能力になにか変化がないか見ておこう。俺はステータスオープンと小声でいった。いつものが画面が表示されたのを見て俺は驚愕した。
「・・・・・・、ランク50・・・だとぉぉぉ!!」
はぁぁ・・・、なにがどうなってこうなったんだ・・・。まさか、あれか血狂いの乙女で召喚したアレがオークを倒してくれたからだろうか。それはつまり俺自身で倒さなくても経験値が入るってことか。ウルフを倒したときにランクが上がらなかったのは純粋に経験値が少なかったからということなのだろう。
俺は自分なりに考察を終えるとステータスを1つ1つ見ていくことにした。ランク50って、どれだけオークを倒したんだよ、あの魔人族っぽいやつ。次にHP1,000でMP50,000って、上がり過ぎじゃない。どうやらランクが1つ上がるごとにHPは20、MPは100上昇するようだ。
次は能力を見ていこう、まずはアスティナを守護する者の能力自体はそれほど変化がなかったが、消滅するまでの時間がなんと15分にまで延長されていた。ただリキャスト24時間はそのままだった。
眷属の魔眼、まさかこれを彼女に使うことになるとは思ってもみなかった。使用したことによりテキストが変化していた。リキャスト24時間。知能がある相手を1体対象として発動することが出来る。5分間、その知能がある相手の意識を操ることが出来る。
この知能がある相手がどこまでを対象に出来るか分からない。ただ彼女を対象に出来たということは、会話が出来る相手なら問題がないはずだ。
そして、最後が血狂いの乙女この能力によって命拾いしたのは確かだが、あの鉄の味は2度と味わいたくないわ。こちらもテキストが変わっていたリキャスト24時間。
自分のHPが残り10%になるまで支払うことにより発動できる。自身の血を代償に魔神を召喚する。自分に敵意がある相手が周囲にいなくなるまで殺戮を繰り返す。
まさかのHP消費が半分から残り10%までに変更されていた。だが、前回は半分のコストであれほど化け物を召喚出来たことを考えると、このコストで呼ばれてくる化け物はどんなやつなのかと思うと少し恐ろしくなった。そして、もう1つ気になることがあった。
それは魔神・・・あのカードゲームには神と名の付くカードだけは1枚たりとも実装されたことがないのだ。『クインテット・ワールド』にも似たのがいたが、あれは魔人族、そう魔人つまり同じ読み方でもこちらはあくまで人なのである。
「・・・神ねぇ、あの女神様以外にもそう呼ばれているのがいるってことなのか・・・?」
「・・・・・アレを呼んではダメ・・・・・」
その声はエリンには聞こえていないようだった。幻聴かそれにしてはいやにリアルだったなと思っていると不意に腹が鳴った。
「1週間、飯食ってないんだから、そりゃ腹も鳴るよな。なぁエリンなにか食べに行こうぜー!出来ればガッツリしたのがいいんだけど?」
「その前にお風呂に入らない?なんとこの宿屋はお風呂もあるのよ!」
「へぇ、風呂あるのかそれもいいな。それじゃ、早速入ってくるわ」
俺がそういうと彼女はタンスから着替えを取り出し籠に入れてくれた。ただなぜか俺にその籠を渡そうという素振りが一切ない。
「あのぉ・・・エリンさん、着替えがないと俺風呂に入れないのですが?」
「アスティナこれ渡したら1人でお風呂いくでしょ?」
「さすがに一緒に入る年齢でもないし、そりゃ1人でゆったり入るけど?」
「だから、わたしが着替えを持っているのよ」
「・・・・・・・・、ほぉ・・・、えっ・・・、どういうこと?」
「アスティナわたしが綺麗にしてあげるからね♪」
そういうと彼女は俺の腕を掴むとすぐに風呂へ直行していくのであった。
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