表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

137/220

第136話 俺、異世界で映えるいう単語を聞く

 アルト一家の自己紹介が完了すると、次は交代で俺たちが自己紹介をすることにした。


 俺とエリンのことは俺たちを子供部屋に案内してくれたテイルやセンチネルからある程度のことは知っているとは思うが、礼儀として俺たち自身で言葉に出しておくべきだと思った。


 エリンはまだまだ緊張がほぐれる気配がないため、俺から先に彼らに自己紹介をする。


 その間に少しでも彼女の緊張がほぐれればいいのだが、隣に座っているエリンの顔をチラッと見てみる・・・彼女の目線自体は前方に座っているアルトたちを見てはいるが、焦点が合っていないのかどこか他者を不安に感じさせるような見かたをしている。


「今度は俺たちの番だな、まずは俺が先に自己紹介するぜ!俺の名前はアスティナ、冒険者をしている、みんなよろしくな!!」


 自分でもビックリするほどにすさまじく簡単な自己紹介になった、エリンが平常心になるまで時間をかせごうと思っていたのだが・・・もう俺はこれ以上追加する要素が思いつかない。


 俺の自己紹介が終わったことにより、次はエリンの番なのだが彼女はまだどこか遠くを見ている。


 さすがにこのまま放置するわけにもいかないと思った俺は子供部屋に入ったときに、テイルが俺たちのことを紹介してくれたときのように今度は俺がエリンのことを紹介することにした。


「彼女はエリンといって俺と同じ冒険者であり、同時に俺の相棒である。ちょっと抜けているとこもあるがいいやつだから、仲良くしてあげてくれ!」


 そう彼らに紹介すると、俺はエリンの頭をわしゃわしゃと撫でた。


 その行動が功を奏したのか、人形のように身動き一つせず固まっていた彼女は俺の手を振り払うと同時に緊張がほぐれたのかいつもの表情豊かな彼女に戻った。


「アスティナァ~!あ~、髪がグシャグシャじゃないのぉ・・・せっかく綺麗にセットしてきたのに台無しじゃない」


「あはは、ははははは!!ごめん、ごめん、悪かったって・・・でもさ、そのおかげで緊張がほぐれただろ?」


「まぁ・・・それはそうだけど・・・・・・はっ!!はじめまして、フォレストエルフのエリンです。どうぞよろしくお願いします!!」


 急に冷静になったエリンはアルト一家に自身で自己紹介をし始めた。


 俺たちのふわっとした自己紹介が済んだところで、すぐに王妃ソレイユからお話という名の質問攻めが来るものだと心構えをしていたが、彼女はスッとその場を立つとふたつ並んでいる机の方に向かい、そこに置かれていたクシを手に取るとこっちに戻ってきた。


 そのクシはピンクで塗装されていて、持ち手の部分にはデフォルメされたクマが描かれていた。


 おもむろにエリンの背後に移動したソレイユは俺の手によってグシャグシャになったエリンの髪を慣れた手つきでといでいる。


 ソレイユからそんなことをされるとは思っていなかった彼女は自分がなにをされているのか理解が追い付かず困惑している。


 そんなエリンにソレイユはゆっくりと穏やかな声色で彼女に話しかけている。


「エリンちゃん、おとなしくしててね。いま綺麗にしてあげますからね」


「はい・・・ありがとうございま・・・って、王妃様!大丈夫です!自分で、自分でできますから!!あの、あの、あの・・・」


「エリンちゃん、動かないの!・・・・・・それにしてもあなたもアスティナちゃんも本当に綺麗な髪ねぇ、それにそれぞれシルバーとゴールドだし、ふたりが一緒にいるだけで何というか映えるわね!!」


「はい!王妃様ありがとうございます。・・・・・・・・・バエル?」


 隣で彼女たちの会話を聞いていた俺はソレイユが口に出した【映える】という単語が気になった。


 ソレイユがどういう意味で【映える】と言ったのかまでは分からないが、もしその単語の意味が俺の知っている言葉通りの意味であるのならば・・・もしかしたら彼女も俺と同じようにあっちの世界のことを知っている可能性がある。


 それはつまり転生か転移・・・どちらにせよ、その可能性が少しでもあるのなら彼女に聞く以外に選択肢はないかもしれない。

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

是非ともブックマーク、評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ