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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

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第131話 俺、異世界で第三の南門で足止めをくらう

 それからはもう俺とエリンは王城に向かいつつも目に入る光景に興味津々なため・・・終始キョロキョロしながら、たまに店頭に並べられている商品を手に取ったり、ミストの人たち用にお土産を購入してはストレージに収容し、先を目指して進む。


 店に置かれている商品は最低額が金貨からはじまっているのを知って・・・前に読んだ【金貨とパン】という絵本を思い出してしまった。


 それにしてもさすがは王都・・・それも貴族街といったところか、値段もそうだが置かれている商品も基本的にはレア以上の物ばかりだし、俺がリリアーヌの宿屋で毎日のように食べていたウルフ肉を使った料理は存在しないように思えた。


 飲食店の外にある立て看板に書かれているメニューには最低でもシャドーウルフやオーク・・・さらに高級な店だとドラゴンがメニューに載っていたりもした。


 王様に会って用事がすんだら、こういう店で昼飯を食べるのもいいかもしれない・・・大丈夫・・・お金はある。


 ただ一つ気になったのはドラゴンを使った料理は全て時価だったことぐらいだ・・・さすがにミスリル硬貨・・・アダマンタイト硬貨とかを支払いに出さないといけないほど高くはないよな・・・。


 そんなことを考えながら、歩いていると遠くの方にまた防壁があるのが見えた。


 今回は王都の南に位置する冒険者の町から移動してきたため、南門しか見ていないがこの王都には四方にそれぞれ門があり、唯一王城にたどり着く門が設置されているのが、遠くに見えるあの第三の南門がそれだという。


 どこでその情報を知ったかというと、それはもちろんお土産を購入するときに世間話を通じて知ることができた。


 なぜか俺が毎回店で買い物をするたびに男女関係なく店員に優しく声をかけられた、しかも商品を受け取る際には数回にわたって俺ではなくシスティの方を見て、この子に渡しても問題ないか確認を取っているように思えた。


 そのたびシスティが無言で頷くと、店員は俺の目線に合わせるため中腰になっては綺麗に梱包している商品を渡してくれた。


 確かに俺の後ろにメイド姿のシスティ・・・そして護衛っぽく見えるエリンがいるとまぁこうなるのは分かる・・・分かるが、それが一度や二度ぐらいならば、まぁ仕方ないかと思えたのだが・・・さすがに毎回このやり取りをやるとなると・・・なんというか飽きる。


 第三の南門、王城に続く最後の門を目指してただただ歩みを進める。


 徐々にだが前方に門とその奥に跳ね橋らしきものが設置されているのが見えてきた。


 最悪ここまで攻め込まれたとしても門を閉じ、さらに跳ね橋を上げることにより国王など主要人物が逃げる時間を稼ぐことができるということだろう。


 ただ一つ思ったのが王都の中心にある王城から脱出する場合どうやって逃げるのだろうか、定番の地下に脱出ルートでもあるのだろうか。 


 門の前まで来ると・・・いつもならふたりいる門番のどちらかがこっちに来ては用件を聞きに来るはずなのだが、今回はどちらも微動だにせずただこっちの様子を見ているだけだった。


 俺はそのいつもと違うことに少し違和感を感じながらも、彼らにこの先を進んでいいか確認を取ってみた。


「王城に用があるんだけど・・・この先を進んでもいいか?」 


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・あの・・・聞こえてます?国王に呼ばれているんだけど、この先進んでも問題ないか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 ふたりいる門番はどちらも反応がなく・・・俺は人形にでも話しかけているのかとさえ思えるほどに彼らは話すことも動くこともしない。


 俺と門番のやり取りを見ていたエリンは最初は大人しく後ろで待っていたのだが、俺が無視され続けているのが彼女の激昂スイッチだったのか・・・急に俺のことなどお構いなしに彼らに突っかかっていく・・・ふと、システィの方に目をやると表情はいつも通りの彼女なのだが、従者らしく右手に左手を添えて静止して待っているが・・・その左手に力がこもっているのか添えているはずの右手を握りつぶしそうな勢いだ。


「あなたねぇ!なにか言ったらどうなの!こっちは国王に呼ばれてきたって言ってるんだから、一言どうぞぐらい言えないの?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「あなたねぇ・・・それが仕事だとしてもこっちも依頼で、ミストから来てるんだから・・・なんとか言いなさいよぉ!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 エリンの叫びは彼らに伝わることもなくただ虚しく消えていった。

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